《妹は兄をする》2―の相談―『振り向いてしくて……』

私は優斗が好き――

世界中で誰よりも優斗が大好き。 

きっとこの気持ちだけは本だと思う。

だってあの時、私は優斗から指を貰った時、涙がでるくらい凄く嬉しかった。 

きっと好きな人から貰った指だったら、私の気持ちは他の子の気持ちとかわらない。

もし好きでもない人から貰った指だったら、そんな指なんてはめたくない。 

私はお兄ちゃんから貰った指を今でも大切に、寶箱の中に大事に閉まっている。 

それがオモチャの指でも、私にとっては大事な指だから――。

葉わないだってわかっていても、

この気持ちだけは止まらない。

もし願いが一つだけ葉うなら、

私はお兄ちゃんの彼になりたい…――。

私は切なさが混じった気持ちに襲われると、フェンスにもたれて空を見上げた。 

空はどこまで青く広がっていた。私が急に黙りこむと、繭が隣で話しかけてきた。

「どうしたの?」

「急に黙り込んじゃって?」

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「ううん…なんでもない」

「ねえ、當ててみようか?」

「え?」

「今、お兄さんのこと考えてたでしょ?」

「ま、繭…!」

私は急に顔が赤くなった。

「いいわよ照れなくても!」

「梨乃は本當に優斗さんが好きなんだね!」

「なんだか妬けちゃうなぁ」

繭は隣でそう話すと悪戯に笑ってきた。

「もう、からかわないでよ…!」

私は恥ずかしそうな顔で、繭に言い返した。

2人でふざけあっていると、お晝の終了のチャイムが鳴った。

私達はそれに気がつくと、慌てて教室に戻ろうとした。

すると、屋上を出る際に繭がそこで急に立ち止まった。 

繭が立ち止まると、私は後ろを振り返って聲をかけた。

「どうしたの繭?」

「……」

繭は黙ったまま下を向いていた。そして、しばらく黙ると不意に話してきた。

「梨乃あのね。もし初めてのキスで、好きな人が違う子のことを思ってキスしてきたらどうする?」

「その、許せる…?」 

繭は私の方をジッと見てくると、すこし思い詰めている様子だった。

「どうしたの繭…?」

私はドアノブから手を離すと、

そこで立ち止まった。

「繭、お兄さんと何かあったの?」

私は思いきって尋ねてみた。すると、繭は瞳にうっすらと涙を浮かべていた。

繭は顔をそらすと、どこか悲しそうな顔をしていた。

「ごめん…今の聞かなかったことにして!」

繭はポツリと呟くと、サッと瞳を拭った。

私は彼に有りのままの気持ちを話した。

「そうだね…」

「そう言うのって複雑だよね」

「好きな人が違う娘を思いながらキスしてきたら、やだよね?」

「私だったら耐えられないかもしれない」

「でも、そんな事で怒る資格は私にはない」

「だって私、間違ってるをしてるって自覚があるもの」

「だから怒る権利なんて、私にはない…」

「もし好きな人がお兄ちゃんじゃなかったら、怒ってるかもしれないけど…」

「でも、やっぱりし悲しいかな…」

「だって好きな人には私だけを見ててしいもの――」

私はそう話すと彼の手を握った。

「元気だして繭…!」

「辛いことがあったらいつでも聞くよ?」

「だって私達、親友でしょ?」

「梨乃…!」

繭は急に泣き出すと、そのまま泣きついてきた。

私は泣いている彼の頭を優しくでた。

 

「泣かないで繭…」

「繭が泣くと私まで悲しくなっちゃうよ」

私は彼の頭をでながら、急に悲しくなってきた。

そして、そのまま彼につらて私も一緒に泣いてしまった。

繭と屋上の上で泣くと、彼は気持ちがおさまったのか私に笑顔で微笑んできた。

「ありがとう梨乃…!」

「泣いたら何だか気持ちがスッキリした!」 

「梨乃が私の親友で本當に良かった!」

「ありがとう梨乃!」

「繭…!」

「うんん、私のほうこそ繭に話しを聞いてもらって助かってる」

「繭が親友で良かった…!」

私達はお互いの手を取り合うと、一緒に笑って微笑んだ。

「さっきのことなんだけど…」

「うんん、無理に言わなくていいよ」

「気持ちがおちついたら、また話してね!」

「うん、そうする!」

繭は恥ずかしそうにハニカンだ。彼が泣くとことだから、きっとお兄さんと何かあったんだろうと考えた。

私はそんな彼の気持ちを気遣って、

あえて聞かないことにした。

私は繭の手を引くと、教室に戻ろうと聲をかけた。

繭は攜帯を見て時間を確認すると、慌てた様子で話しかけてきた。

「ヤバい…!」

「もうこんな時間…!」

「授業が終わっちゃう!」

「行こう梨乃!」

「うん!」

「あ、でも遅れたこと先生に何て話す?」

「気分が悪くて2人で保健室に居ましたで、いいんじゃない?」

は私にそう話すと、イタズラに笑ってきた。

「もう、繭ったら~!」

 

私はし呆れると怒ったフリをした。

そして屋上の出口を2人で出ると、急いで階段をかけおりた。

 

階段をかけおりると3階にたどり著いた。繭は後ろを振り向くと私に話しかけてきた。

「ねえ、梨乃。聞いてもいい?」

「うん?」

「その…お兄さんにみせちゃったこと、後悔してる?」

繭が不意に尋ねてくると私は正直に答えた。

「うんん、してないよ」

「だってお兄ちゃんには、私だけを見ててしいもの」

「それにあんな雑誌のの子にさえ、嫉妬しちゃう自分が許せなかった」

「だから私、優斗に振り向いてしかったの」

「それで私に振り向いてくれたらいいなって…――」

私は真っ直ぐな気持ちで、彼に自分の本心を打ち明けた。

「なんて…結局は空振りだったけどね」

「やっぱり私じゃ、の子の魅力が足りないのかな?」

私は悪戯に笑うと明るく振る舞った。

すると、繭がいきなり抱きついてきた。 

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