《妹は兄をする》1―冷たい雨―『その日、繭は……』

例えばあたしに好きな人がいるとする。

でも、それはあたしが本當に好きな人ではない。

あたしが本當に好きな人は、

同じをわけた『兄妹』の『蓮一』だから――。

だからあたしはその気持ちを隠して、他に好きな人を作る。

兄に自分の気持ちを知られるのが怖いから。

蓮はあたしによく聞いてくる。

『彼氏作らないのか?』って――。

あたしが本當に付き合いたいのは蓮。

でも、そんなこと本人に言えない。

だからあたしは自分に噓をつく。

気持ちに噓をついて、好きでもない人と付き合うフリをする。 

あたしはこうやって今まで自分の気持ちを騙してきた。

だから、今さらそれに罪悪すら

じてこない。

になってでもいいから、あたしは

蓮がしいと思った。

それが例えをわけた兄妹であっても――。

 

 

蓮に悪い蟲がつけば、あたしは

それを駆除する。

本人は気づいていないんだろうと思うけど、駆除した『蟲』の數なんて今さら覚えてない。 

蟲をプチって潰すように、あたしは

そうしてきた。

そこにためらいなんてものはない。

ためらえば蓮に悪い蟲が寄生するから、

そんなの本人の為にもならない。

あたしは蓮を獨占したいと思っている。

それは、小さい頃からその気持ちはずっと変わらない。

だから自分のものにならないか、いつも頭の中で考えてる。でも、なかなかそれが上手くいかないのが現実だった。

どうしてそんなことを思い出すんだろうか?

あたしは雨の中、信號機の前に

立ち止まってそのことを考えていた――。

 

 

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