《妹は兄をする》1―斷の林檎―『一夜の過ち。それは始まり。』
あたしの初めてのキスは、兄とだった――。
兄の部屋で、あたし達はキスをした。
それは斷の林檎の甘い味がした。それと同時に、罪を冒すような覚はあった。
後ろめたい思いはなかったもの、もしかしてこれが兄の気の迷いじゃないか疑った。
でも、そんな先観は今はいらない。
あたしがしいのは連だから――。
お兄ちゃんの心が手にるなら、
あたしは何だって出來ると思った。
 
お風呂から上がって2階の廊下を歩いてる時だった。
自分の部屋を通る際に、兄の部屋の前を通った。
すると、ドアがしだけ開いていた。
あたしは不意に兄の部屋を覗き込んだ。
部屋は薄暗くて、窓のカーテンだけが
し開いていた。 
あたしは何となく聲をかけてみた。すると、部屋の中から兄の啜り泣く聲が聞こえてきた。
その聲はどこか悲しそうだった。あたしはそのまま導かれるように、兄の部屋の中にった。
部屋の中を見渡すと、壁際に兄が
座り込んでいた。
「どうしたの蓮…?」
「……」
兄はあたしの聲に反応せずに、
ただ黙って泣いていた。
普段は見ない兄の泣いてる姿に、あたしはの奧が、キュンと締め付けられた。 
「蓮…?」
兄の目の前に屈むと、そこで聲をかけた。
「ああ、繭か…――」
兄はやっと、目の前にいるあたしに
気がついた様子だった。
兄の手もとに目を向けると、そこには
カッターナイフが握られていた。
 
「お兄ちゃん何やってるの…!?」
あたしはとっさにカッターナイフを
取り上げようとした。
「ほっといてくれ!!」
「死なせてくれ!!」
「お兄ちゃんバカな事はやめて!!」
「離せよ繭!!」
兄はカッターナイフを握りしめたまま、あたしに怒鳴ってきた。
不意に手もとに目を向けると、
兄の手首からが流れていた。
「蓮…!」
「まさか、自分で切ったの…!?」
「何で…!?」
「お、お前には関係ない…!!」
「関係なくないよ…!!」
「あたし達、兄妹でしょ!?」
「お兄ちゃんこんなことやめて!」
「うるさいっ!!」
兄は手を振り払うと、その際にカッターナイフがあたしの腕をスパッと切った。
「キャッ!!」
その瞬間、兄の顔は青ざめていた。腕からが流れ出ると、兄は持っているカッターナイフを床に落とした。 
腕の傷口は思ったよりも深かった。がドクドクと腕から流れて、そしてどこか、生溫かかったのをじた。
あたしは腕の痛みに思わず、自分のを噛み締めた。ズキズキしてヒリヒリして、痛みが腕中に広がった気がした。
「ま、繭…!!」
「繭大丈夫か…!?」
「ごめん…!!」
「お前を切りつけるつもりは…!!」
兄は慌てて立ち上がると、引き出しから
ハンカチを取りに行った。
「うんん、あたしは大丈夫…!」
「大丈夫って言うな!!」
「俺はお前を…!!」
「蓮……」
兄は引き出しからハンカチを出すと、
その場で聲を震わせて怒鳴ってきた。
あたしは思わず、そこで黙り込んだ。
ハンカチを手に持つと、それをあたしの腕に被せて止した。
「ホントにゴメン!!」
「お前を切りつけるつもりはなかったんだ!!」
「いいよ謝らなくても。でも、こんなバカなことはやめて…!」
「お兄ちゃんにもしものことがあったら、あたし耐えられない…!」
「繭……」
「お兄ちゃんカッターナイフ何て持って、何してたの…!?」
「まさか死のうとしてたの…!?」
「そ、それにその手首の傷…!」
あたしは思わずその事を尋ねた。兄は揺したのか、その場から立ち上がった。
すると兄の服のポケットから、
一枚の寫真が落ちてきた。
あたしはその寫真に目を奪われた――。
 
落ちてきた寫真に目を奪われた。そこには、小さなの子と兄が一緒に仲良く寫っていた。
その子は、あたしがよく知っている人だった。
きっと今生きてたら、彼は大學生に
なってたかも知れない。
彼の顔を見るなり、かった頃の記憶が蘇った。彼の名前は今も忘れはしない。
「槙原沙織里」蓮が心を抱いていた。
3歳年上のの子だった。 
彼が寫っている寫真を見るなり、そこで言葉を失った。 
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