《妹は兄をする》2―斷の林檎―『一夜の過ち。それは始まり。』
蓮が落としたし寫真を手に取ると、それを黙って眺めた。
蓮、沙織里さんの寫真まだ持ってたんだ――。
あたしはとっくに彼の寫真なんか
捨てたのに、蓮は今も大事に彼の寫真を持っていた。 
あたしはそこに醜いが溢れた。このを言葉であらわすなら、それは嫉妬だ。 
あたしは蓮の妹である前に、一人のだと改めて自覚した。 
彼はもうこの世にはいないのに、なのに兄の"心"はまだあののところにあるだと思うと、強い嫉妬をじたのだった。 
――――悔しい―――― 
そう思うと腕の痛みさえ、忘れてしまう。 
蓮はあたしから寫真を取ると、
それを持って小さく震えた。 
あたしはそんな蓮の姿に、の奧が
ギュッと締め付けられた。 
「この寫真に寫ってる人って、沙織里さんだよね…?」
「ああ、そうだ。繭も覚えてるだろ…?」
「うん。隣に住んでたお姉ちゃんでしょ…?」
「でも、何で…?」
フとそのことを尋ねると、蓮はあたしの
顔をジッと見てきた。
「沙織里ちゃんが事故で亡くなってから、もう10年が過ぎた」
「俺、怖いんだよ…」
「蓮…?」
「一年ごとに過ぎるたびに、彼の顔が思い出せなくなるのが…!!」
「…ッ!?」
「繭にはわからないよな!?」
「俺の気持ちが!!」
「お前は沙織里ちゃんとは、親しくなかったからな!!」
「俺は彼とは親しかった。だから辛いんだよ、彼がいないこの世界がっ!!」 
「蓮…!」
蓮は取りしたようにぶと、拳で鏡を割った。あたしは思わず、その場で唖然となって立ち盡くした。 
「っ…」
「ごめん…」
蓮はあたしに謝ると、どこか苦しそうな
表をした。
蓮は死んだ沙織里さんの事を今も
引きずっている様子だった。
あたしにとって沙織里さんは、そんなに好きではなかった。
一言で言えば隣に住んでいるお姉さんといった存在だった。
だからと言って自分から彼と仲良く
しようとも思わなかった。
それにそんなに親しかったわけでもない。彼とあたしは、蓮よりも年が離れていた。
どちらかと言うと、兄と沙織里さんの方が仲良かったのを今も覚えている。
そこにはあたしのる余地すら、なかったけど――。
 
「沙織里ちゃんが亡くなってから、俺ずっと彼のことが忘れられなかった…」
「なのに彼を知っている友人達は、もう昔の事のように彼のことを忘れてた」
「俺もいつか、あいつらと同じように彼のことを忘れてしまうんじゃないかと思うと怖いんだ…!」
「お兄ちゃん。沙織里さんは、もう――」
「ああ、わかってる。彼が生きてないことぐらい自分でもわかってるさ!」
「でも、今でも彼のことが好きなんだ…!」
「沙織里ちゃんの命日が毎年くるたびに、辛いんだよ…!」
「何で彼がこの世にいないのかって――!」
「いっぱい話したいことが沢山あったのに、自分の気持ちを伝えたかったのに、それを彼に伝えられないのが苦しいんだっ!!」
「蓮…――」
兄の苦しそうな表を見て、あたしは
苦しんでいる蓮を抱き締めてあげたい
気持ちに駈られた。 
亡くなった沙織里さんがうらやましい。
だって蓮の心を今でも獨占している。
あたしが死んだら、蓮はこんな風に
苦しんでくれるのかな?
もし、の繋がった兄妹じゃなかったら、あたしは蓮を――。
 
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