《妹は兄をする》2―寫真―『それはの……』
ベッドに近づくと、私はちょっと大膽な行に出た。お兄ちゃんが寢ているベッドに、ゴロンと寢ころんでみた。
こんなところをお兄ちゃんに見られたら
軽蔑されると思っても、やっぱり好き人が寢ているベッドに一度はゴロンとしたいと思うのが、の子のかな気持ちだった。
ベッドに寢ころぶと、近くでお兄ちゃんを
じれる気がした。
ここにいつも、お兄ちゃんが寢てるんだ……。
優斗お兄ちゃん……。
天井を見上げると、お兄ちゃんのことを思った。ベッドの上で兄のことをおもう
私は、らでいけないの子なんだろうか…――?
でも、頭の中はお兄ちゃんのことで
いっぱいだった。
私はちょっとだけこのベッドの上で、兄に抱かれる姿を想像した。
それはけして葉わないような、私の中のイケない願だった。
お兄ちゃんの腕の中でをじて、
としての悅びをじる私。そして耳元で私にを囁くの「梨乃、してる」って――。 
その一言で私は幸せな気持ちになる。
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そんな甘い夢を私は兄が寢ているベッドで想像した。
 
ベッドの上で兄にらな想いを寄せると、が急に熱くなってきた。 
――お兄ちゃんに抱かれたい――
――お兄ちゃんにをってしい――
そんなが私にはあった。
それが思ってはいけない気持ちだとしても、本能がそれを求めた。
私にとってお兄ちゃんは「兄」でも、それと同時に「好きな人」だった。
お兄ちゃんに「妹」ではなく、として
されたい。
一度でもいい――。そんな淡い気持ちを心の中で抱いていた。
お兄ちゃん私のこと、
どう思ってるんだろう――?
私のこと好きって思ってしい。 
好きって思って貰えたら嬉しいな。
お兄ちゃん、私に振り向いてくれないかな――。
お兄ちゃん、大好き……。
優斗お兄ちゃん……。
私の初の人。
 
瞳を閉じて兄のことを想っていると、
いつの間にか眠ってしまった。
気がついたら時間が経っていた。
私は慌ててベッドから起き上がると、
直ぐに部屋から出ようとした。 
部屋を出る際に本棚にがぶつかると、上の棚からアルバムが落ちてきた。
私は落ちてきたアルバムを拾うと、
それを適當に戻そうとした。
別に見るつもりはなかったけど、
ちょっとだけ覗いてみた。 
アルバムには家族の寫真と、小學生の頃と
中學生の頃の時の寫真がられていた。
私はそれを見ながら懐かしさをじた。
子供の頃のお兄ちゃんは髪が短かった。
それに私も、髪がショートヘアだった。
今は髪は肩ぐらいまでばしてるけど、
一番長い時は小5の頃だった。その時は髪を腰までばしていた。 
髪をばしていたのには理由があった。
お兄ちゃんが髪が長いの子が好きだったからだ。私は子供ながらに、お兄ちゃんに振り向いて貰いたくて一生懸命だった。
そんな理由で髪を腰までばしていた。
でも結局は、お兄ちゃんは私の気持ちには気づいてくれなかった。
だから一度はお兄ちゃんのことを諦めようと思って、今までばしていた長い髪を
ハサミで自分で切ってしまった。
その時は酷く後悔した。
何であの時、髪を切ったんだろうと
自分で自分が許せなかった。
でも、どんなにお兄ちゃんのことを心の中で諦めようと思っても、結局は諦められなかった。 
髪を切って落ち込んでいる私に、
お兄ちゃんは言ってくれた。
「梨乃は髪を切っても可いね。」
その一言で私は何故か嬉しくなったのを覚えている。 
それだけじゃない。お兄ちゃんは私に
肩まで髪をばしたら、リボンを買って
くれるって約束をしてくれた。
きっと今頃お兄ちゃんは、もう忘れてるかもしれないけど、私はそんな小さな約束でも、大事な寶にもみえた。 
の子って本當、不思議だ。
好き人に好かれる為なら、髪型だって服裝だって、その人の好みに合わせられる。
きっとその人に好かれたい一心だからだと思う。そんな時って、の子のする力は凄いんだなって思ったりする。 
そして、好きな人の傍でドキドキしたり、泣いたり怒ったり、笑ったりするんだ。
この寫真に寫っている私は、お兄ちゃんにしてる私。きっとお兄ちゃんは、
そのことには気づかない。それは私だけの――。
誰にも言えない。私だけの大切な思い出の一部。
私はアルバムを眺めると、フとそんな昔のこのを思い出した。
あれから何か変わったのかな?
私は思い出が詰まった寫真を眺めながら、今を重ねたのだった――。 
アルバムを見終わると本棚の中にしまおうとれようとした。すると、數枚の寫真がアルバムの中から落ちてきた。
落ちてきた寫真に気がつくと、
それを拾ってアルバムの中に戻そうとした。
足下に落ちてきた寫真を手で拾うと、
私はその寫真を見て驚いた――。
それは兄がの子と寫っている寫真だった。見たじ、まだ新しいような気がした。でも、隣に寫っているの子の顔が何故か
マジックで塗りつぶされていた。それだけじゃない。顔の部分も切り抜かれていた
寫真が何枚かあった。 
私はその寫真を見て、驚きの余りに言葉を失った。
この寫真が一、何だったかはわからなかったけど、見てはいけないような気がして、私は慌てて落ちてきた寫真をアルバムの中に戻した。 
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