《妹は兄をする》3―寫真―『それはの……』
お兄ちゃん、あの寫真は何?
私はそのことが頭の中で、グルグルと
回ってしまった。
でも、それは見てはいけないものだった
ような気がして、きっとお兄ちゃんは
答えてくれないような気がした。
兄が帰ってくる前にアルバムを本棚の中にしまうと、急いで部屋から出ようとした。
もしかしたら、お兄ちゃんの「彼」――?
フとそんな予が頭の中に過ってきた。そう思うと、の中がざわついた。
なんか嫌だなそう言うの……
お兄ちゃんに彼がいるなんて
考えたくもない。
だってお兄ちゃんは、私だけのものだもの。 そこに他のの子が間にってきたら、
私は耐えられない。 
息が詰まって呼吸も出來なくなる。
お兄ちゃんに彼がいるなんて、そんなの嫌――。
立ち止まってドアの前で兄のことを考えると、どうしてもさっきの寫真が気になって仕方なかった。
モヤモヤを振り払うように、部屋から出て行こうとした時。扉が勝手に開いた。 
「あっ…」
扉が開くと、そこには兄が立っていた。
私は一瞬、心臓がドキッとした。
お兄ちゃんは學校から帰ってきた
様子だった。
兄は私に気がつくと、話しかけてきた。
「こーら、勝手に兄ちゃんの部屋にったらダメだろ?」
「俺だって一応、年頃の男なんだぞ?」
「ご、ごめんなさい…!」
兄は鞄を肩にかけたまま部屋の中にってくると、ブレザーの上著をいでハンガーにかけた。 
ネクタイを手にかけて緩める仕草に、私はポーッと見とれてしまった。
そんな仕草をする兄が大人びたじがして、の中がキュンとなった。   
お兄ちゃんはネクタイを緩めると、
腕のYシャツのボタンを外しながら私に
話しかけてきた。
「で、俺に何か用か?」
「えっ…?」
「いや、だって部屋にいたから――」
「あっ、そうそう。お母さんにお兄ちゃんの部屋の掃除を頼まれたの!」
「はたき棒で埃をはたこうと…」
私はとっさにそのことを答えた。さすがにさっきの揺が隠せなかったのか、
聲がし裏返った。
兄は私の顔をジーッと見てくると、そこで急に笑だした。
「ぷっ、あはははっ!」
「なんか今、聲が可笑しかったぞ?」
「そ、そうかなぁ…?」
「ああ、ちょっと聲が変なじだった」
「もう、からかわないでよお兄ちゃん…!」 
私はちょっと、むっとなって怒った。
ふざけたじで兄のことをポカポカ叩くと、お兄ちゃんは笑いながら謝ってきた。
「ゴメンゴメン。でも、何か面白かったからついさ――」
そう言って笑いながら言うと、私の両手を摑んできた。
ただ何気ないことなのに、兄に両手を
摑まれた途端。の中がドキッと高鳴った。 
やだ…
どうしよう…
目の前にお兄ちゃんがいるのに、
のドキドキがおさまらない 
意識しちゃう… 
お兄ちゃんに変に思われちゃう… 
顔だって、きっと赤くなってる 
お兄ちゃんにのドキドキが
伝わっちゃう…――!
顔が急に真っ赤になると、私は思わず下を向いた。
そうしないときっと、兄に自分の気持ちがバレると思ったからだ。 
それでものときめきは、なかなか
おさまってはくれなかった。 
自分が今、どんな顔で兄の前に
いるかもわからない。 
でも大好きなお兄ちゃんが目の前にいると、私はの中がキュンと苦しくなって心が揺れた。
まともに顔さえ、見れなくなって
しまったのを自分でもじた。
お兄ちゃんは私の気持ちには
気づいてないのか、まだ両手を摑んだままだった。
そんな些細なことでも、私はの中が
ドキドキした――。 
「腕細いな。ちゃんとご飯食べてるのか?」
「俺なんかより腕細くてさ、華奢だよな」
「あ、當たり前だよ…」
「だって私、の子だよ…?」
「ああ、そうだな。梨乃は可いからの子の方が合ってるよ」
お兄ちゃんの何気ないその言葉に、
私は耳まで顔が赤くなってしまった。
「俺さ、おもうんだよ。何で梨乃は彼氏とか作らないんだ?」
「え…?」
「こんなに可いのに、もったいない――」
兄はそう呟くと、私のことを
不思議そうに見てきた。
「っ…」
「優斗お兄ちゃん……」
のときめきが高まると、私は兄の前で
普通に「妹」を演じることが出來なくなってしまった。 
どんな顔で今いるのか、それすら
見失いそうになった。
私は兄に変に思われないようにと、
必死で自分の気持ちを抑えようとした。 
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