《どうやら魔王は俺と結婚したいらしい》1

俺達が平和に暮らす、フェアローブと言う名の世界に、魔王がやって來て2年だと言うのに世界は呆れる程に平和だ。

ん? いきなり魔王が出て來て訳が分からない? そうだな、説明しておこう。

2年前、何もなかった大地に突如、巨大城と城下町が現れたらしい、らしいと言うざっくりとした説明なのは、俺が住んでるこの街からはその城も城下町も見えないからだ。

その事に気付いたのはその新聞の一面で知った。

最初は驚いた、何で城が? しかもその新聞にはこう書かれていたんだ。

『巨大城の中には魔王を名乗る絶世のが!!』

この見出しを見て更に驚いた。

魔王って……夢語とかで出てくるあれだよな? その新聞には寫真は寫っていなかったので容姿はまだ分からない、だが別に見たいとは思わなかった。

  

さて、話しをいきなり変えさせて貰うが俺が住む街には朝方にんな店が並び人々は賑わいを見せてる、その中の1つに俺の店があるのだが、殘念ながら繁盛はしてない無い。

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まぁ今の所生活には支障は無い、だが何らかの処置をしないと直ぐに何も買えなくなっての垂れ死んでしまう。

ふと周りを見れば人々は商いに勤しんだりを買ったりする人が見けられる、何気無い景だ、本當に魔王なんているのか? そんな疑問がわく位に平和過ぎる。

おっと紹介が遅れたな、俺はシルク ハーベスト、20歳の人男だ、皆から目が鋭すぎて怖いだのの線が細く髪が長いからに見えるだの言われまくってるけど誰が何と言おうが生學狀は男だ。

あまりにもに間違われるから髪を1つに括った、その上に大切にしてある緑のバンダナを被った、そしたら「男裝ですか? 似合ってますね」と言われた。

男裝じゃないよ! 元々男だわ! そんなにに見えるのか? おっと、そんな事は良いんだ、いや、良くないか。

「そこの人、薬草を買ってくれないか? 一束100いや、90Gゴールドで良い」

目の前には、昨日取っ手來た薬草やら獣の皮やらがならぶその1つを近くを通り掛かった男に進める。

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「悪いなお嬢さん、今は持ち合わせがないんだ」

「いや、気にしないでくれ、それと1つ言わせてくれ、俺は男だ二度と間違えるな!」

そんな事を言う男は思い切り睨んでやる、すると男はビックリして逃げていった、何でだ? 俺はし注意しただけなんだが、まぁ良いか。

「いや、良くないだろ」

結果的に服は売れなかったんだ、金が無ければ何にも出來ない、何とかして売らなきゃいけないのにお客に逃げられたら駄目だろ。

「やっぱ、商いって難しいな」

俺の商品の売れ行きが悪い、理由は分かるさ、薬草なら薬屋に行けばポーションって言う薬草よりも良く効く薬があるし獣の皮に至っては防屋にいけばそれを使った鎧が沢山ある、要するに需要が無いのだ、だがしかし買う人はなからずいる。

言ってしまえばそこそこ売れてると言う所だ。

「これ、何とかならないのか?」

つい愚癡がでてしまった、そこまで追い詰められているのだ。

此処のままじゃパンすら買えない、出來れば全ての問題が平和的に解決してほしいもんだ。

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「ちょいと良いかの?」

魔王城にいる魔王がここに來れば、話題になって繁盛するんだろうなぁ。

「聞いておるのか?」

そうなれば俺の商品は売れるかどうかは分からないが今よりしはましになるだろう。

「無視か貴様!」

「ん? おぉっ、いっいたのか。悪いし考え事をしてた」

どうやら話し掛けられていたみたいだ、ポリポリと頬を掻きそいつを見る、じぃっと俺を睨む褐で長い紫髪のだ、著ている服はとてもキレイだ、なんと言うか周りの奴等とは品が違う、使ってる生地が高級品なんだろう。

それに妙にキラキラした丈がヘソまでしかない白い服、その上に明なレースを纏ってる、腕には金の腕、ソコには何か書かれているが読めない、首にはこれまた金のネックレス、凄く似合っている。

「何か用か?」

「様があるから來ているのだ」

意地らしくむんっとを張るし萌えてしまった。

駄目だぞ俺、相手はだそう言う目で見ると捕まる。

「お使いか? 何がしいんだ」

と言うかこんな高級な服を來たがこんな底辺の店に來るって可笑しくないか? 周りの奴等もひそひそ何か言っている、悪い噂をたてるんじゃ無いぞ? ただ話してるだけだからな?

「くくくっ。素っ気ない口振り、そなたは児を対象とは見ていない様じゃな」

こいつは何を言ってる? やけにニヤニヤしてるし、仕切りに俺のを隅々見てる様に思える。

「何だか知らんが何か買うのか?」

「そうじゃな」

顎に手を置き考える、さっきから口調が年寄り臭い…最近の子供はこうなのか? いやいや、違うだろ、きっとこの娘は特殊なんだ。

「この店をわらわにくれんか?」

「は?」

一瞬、俺の思考が止まった、それ程とんでも無い事をこのは口走ったのだ、突然の言いに驚く、俺の店を売れだと?

「何を言ってるのか意味不明だな、冷やかしか?」

「違う、本気じゃ、この店を買いたい、ダメかの?」

えっと、どう言う事だ? 最近の子供はお使いに店を買いに來るのか? いや違うだろう、冷やかしだと思うが、このの目は真剣そのだ、本気で俺の店を買いに來たのだろうだろうが「本気かっ考え直せ!」と言ってやりたい気分だ、それにしてもこいつの眼は綺麗だな、髪と同じ紫だ。

「店を買うなら俺の店じゃなくて他の店に行った方がいいぞ? 失禮を承知で言うが、君みたいな貴族が買うような店じゃない、考え直した方が良い」

「ふっ、何を言うかと思えば」

ため息を吐く、俺をじっと見ながら頬を赤く染めあげる。

「他の店等有り得んな、ここが良いから此処に來たのだ」

本當に変わった奴だ、商いの知識が未な奴の店が良いと思のか? 素直に嬉しいがやはりこれは斷った方が良いんじゃないか? だが、あの娘からの真剣さが伝わってくる。

「そうか分かった、詳しく話しだけ聞いておこう、但し今は商い中だ、午後には終わるからし待ってくれ」

「うむ、よかろう」

はそれだけを言うと颯爽と行ってしまった、全く変な娘だったな…何から何まで不思議な奴だ、しかし一、何処の貴族の娘だ? 護衛も付けずに騒だな…平和って言っても魔王がいるんだ、今は何もしていないがもしかしたら何かが起きるかも知れないのに。

 「シルク、あのは誰?」

「俺が知る訳無いだろ……っ!」

俺の右側に誰かいた、そこには見知った奴がいた。

急に話し掛けるなっ、一瞬誰かと思ったぞ!

「アヤネか」

「そう、私」

突然現れたのはアヤネ・ブレイブ、俺の馴染みだ、見た目は、艶のある黒髪ポニーテールで長は俺よりし低い、外見、格共に大人しく口調も何処か大人しい。

常にテンションが低めと言ったら悪いかも知れないがそんなじのだ、そんな彼は実は名のある剣豪の家に生まれている、その証拠に綺麗に輝く東洋の軽鎧をに纏って腰には刀を攜えて靜かなる剣士の風格をじさせている、アヤネは凜とした瞳で俺を見つめつつらかな両手で俺の右手を摑む、なっなんだ?

「シルクはちっちゃいの子が好きなの?」

「お前は阿呆か? そんな訳あるか」

無表で小首を傾げるアヤネに突っ込みをいれる、何でそんな誤解をする! と言うか、さっきのやり取りを見てたのか?

「そう」

ふぅ…とで下ろすアヤネ、いやいや何で安心に浸ってるんだよ、俺にそんな気は無いからな。

「あっ、シルクかないで」

その時、ささっと俺の背後にを潛めるアヤネ、何事かと思ったが、その思いは一瞬にして消え去る、この屈強な鎧を著た大男がきょろきょろと辺りを見ながらを歩き回っていた、普通なら有り得ない事だ。

あいつ等は何処かの家の警備兵、余程の事がない限りこんな所にはこない、余程の事がない限りな。

「アヤネ、まだ家出してるんだな」

「うん」

そう、アヤネは家出の真っ最中、理由は剣士の家庭の生活に嫌気がさしたからと言う理由だ、家出らしい家出だと思う、俺はアヤネの味方をしてる訳じゃ無いがこいつに同する所があるからし助けてやってるだけだ。

「行った?」

「まだだ、もうし隠れてろ」

もごもごとくアヤネ、剣の柄が俺の橫腹に當たってちょっぴり痛い。

くな! ばれるぞっ、とは言えないから我慢する。

「シルクの背中」

「何だよ、貓背だって言いたいのか?」

「違う、後ろ姿がの子だなって」

「このままあいつ等に引き渡しても良いんだぞ?」

「ごめん」

毎度毎度人を茶化しやがって、しは黙ってろよ。

なんて事がありつつ、周りをうろつく警備兵達は此処から去っていった。

「行ったぞ」

その言葉を聞いて俺の真正面に移して座り込む、おいっ! 商品の上に座るな!

「ありがと」

「おぅ」

此処は怒る所なんだがアヤネの笑顔でそんなは吹っ飛んだ、大人しいアヤネが笑った所を見るとがどきっとする。

「あっ、思いっきり商品の上に座ってた。ごめん」

「今、気付いたのかよ」

直ぐ様に商品を退かして座り直し髪のりならチラチラと俺を見てくるアヤネ、何だ? またからかう気か?

「実は、今日はお願いがあって此処に來た」

「………」

あっ、アヤネがこう言うって事はまたアレか。

「お金を下さい」

「ストレート過ぎるだろ」

俺に抱き付いてくるアヤネを押し返し睨んでやる、何度かコイツに金を貸してやってるが返して來た試しが無い、そもそも家出するなら金ぐらい事前に用意しとけ! アヤネは手を合わせ軽く頭をぺこりと下げながらお願いしてくる。

「今度は絶対に返す」

「アヤネ、その言葉に信憑があると思うのか?」

「ある」

こいつ一言で斷言しやがった…何度、その言葉に騙されて金を貸したと思ってるんだ。

「すまんが力になれない、俺だって苦しいんだ」

「そう、分かった」

何だか申し訳ないが仕方ない、俺だって金が無いんだ、それにアヤネなら頭も良いし、その気になれば働けるだろう……ん? そうだ、アヤネは強いし賢い筈なのに何故俺に頼るんだ? まぁ良いか、別に俺は頼られるは嫌じゃないしな。

「斷っておいて何だがこれからどうするつもりだ?」

「別のプランがあるからそれを実行する、出來ればもうしフラグを積んで置きたかったけど」

ぽっと顔が赤くなるアヤネに疑問が浮かぶ、別のプランだのフラグと言われても訳が分からんが、どうにかなると言う事だなそれは良かった。

「そうか、大丈夫そうで何よりだ」

「シルクって素っ気ない様で心配だよね」

「っ、そんな事あるか」

妙な事を言う奴だ、恥ずかしくなるだろう…し、顔が赤くなったのでそっぽを向いておく、見られたらまた茶化されるからな…。

「じゃ、私は行くね。お店、頑張って」

「あぁ、アヤネも頑張れよ」

あれから時間が経ちもう他の店も畳み初めて來た、立ち去っていくアヤネは俺に手を振る、俺も振り替えして見送る…あいつも大変な家庭に産まれたからな、嫌な事があっても可笑しくない、だから逃げる事も大切だろう、警備兵達に見付からない事を願っておこう。

「さて、もう直ぐ晝時かだな」

午後には用事がってる、商品を袋に詰めてあのが現れるのを待っておこう、店を売れなんて言われたのは初めての経験だ、しかも相手は子供だ、この話は平和的に斷ろうと思っている。

「おっ、來たな」

暫く待っているとさっきのがやって來た、また1人の様だな。

「では、行くとするか。そなたの家にのぅ」

今気付いたけど、を家に連れ込むんだよな? だっ大丈夫か? 今更になって、犯罪を犯してる気分になってきた、って、流石に意識し過ぎだよな、そう思いながらを俺の自宅に案するのであった。

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