《ビンボー領地を継ぎたくないので、全て弟に丸投げして好き勝手に生きていく》49話「Aランク冒険者強化計畫始!」

ギルムザックたちを鍛えると約束した俺は、さっそく彼らの能力を把握するべく、鑑定を使って全員のステータスを確認することにする。

【名前】:ギルムザック

【年齢】:二十三歳

別】:男

【種族】:人間

【職業】:冒険者(Aランク)

力:1800

魔力:700

筋力:B

耐久力:B-

素早さ:C

用さ:C-

神力:C+

抵抗力:C+

幸運:C-

【スキル】:強化Lv5、挑発Lv2、剣Lv4、格闘Lv3

――――――――――――――――――――――――――――

【名前】:アキーニ

【年齢】:十八歳

別】:

【種族】:人間

【職業】:冒険者(Aランク)

力:1400

魔力:500

筋力:B-

耐久力:C+

素早さ:B

用さ:C

神力:C+

抵抗力:C

幸運:C-

【スキル】:強化Lv5、剣Lv4、格闘Lv2

――――――――――――――――――――――――――――――

【名前】:アズール

【年齢】:二十歳

別】:男

【種族】:人間

【職業】:冒険者(Aランク)

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力:1700

魔力:400

筋力:C+

耐久力:C

素早さ:B

用さ:B

神力:C-

抵抗力:C-

幸運:B-

【スキル】:強化Lv4、気配察知Lv2、気配遮斷Lv2、短剣Lv3、罠察知Lv3、罠解除Lv2

――――――――――――――――――――――――――――――

【名前】:メイリーン

【年齢】:二十二歳

別】:

【種族】:人間

【職業】:冒険者(Aランク)

力:1200

魔力:1700

筋力:C

耐久力:C-

素早さ:C

用さ:B-

神力:B+

抵抗力:B

幸運:B-

【スキル】:強化Lv4、火魔法Lv3、水魔法Lv4、風魔法Lv3、土魔法Lv3

……は? え? な、なんか思ってたより大したことないな。

いや、でも強化に関してはかなり高いから、それでなんとかやっていけてるってじかな?

とりあえず、各々の能力は把握したが、この時點で何が足りていないのかは明白だ。

ひとまずそれの確認も含めて、ギルムザックたちに日々どんなトレーニングをやっているのか聞いてみることにした。するとそれぞれ返ってきた答えはこうだ。

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「俺はひたすら剣の型を繰り返し振り続けるな」

「右に同じく」

「アタイもだね」

「私は、習得した魔法を的に向かって打ち続けてます」

Oh No……お前らよくそれでAランクになれたな。

四人の話と鑑定の結果を照らし合わせた結果、こいつらに足りないものは一つだということが判明した。

それがなんなのかといえば……そう、基礎力だ。簡単に言えば筋トレ不足というやつだ。

例えば、剣道というスポーツに置き換えるのなら、剣道としてのきをひたすら練習してきた選手と腹筋や腕立て伏せなどの基本となる力強化のトレーニングをやってきた選手を比べた場合、どちらの選手が能力が高いかと問われれば後者になるだろう。

今回の場合、冒険者として必要な剣の型やきのみを実直に鍛えてきただけの彼らでは、基本となる基礎力が出來上がっていない。

そのためせっかく高レベルの強化もあまりその真価を発揮できていないのである。掛け算で言うところの一×二よりも二×二の方が數字が大きいのと同じ理論だ。

それでも、剣の型だけでをひたすら鍛えただけでAランクにまで上り詰めたのは、彼らの持つ努力と才能と言えるのだろう。しかし、これ以上の強さをむのであれば、やはり必要なのは基礎力でだ。

「お前らの足りないものがなんなのか見えてきたが、とりあえず先にオークを魔法鞄に収納してしまおう」

ギルムザックたちの指導もいいが、ここに來た目的であるオークのことをすっかり失念していたことを思い出し、すぐにオークとオークジェネラルを魔法鞄に収納する。

ただ収納するだけなので、時間はさほど掛からず氷魔法で凍った地面や大木を元に戻す方に時間を食ってしまったほどだ。

オークの収納も済んだところで、先ほどアキーニと戦った際に斬った木の切り株に腰を下ろし、改めて四人の足りない部分について語り始める。

といっても、それほど難しい講釈を垂れるつもりはないので、ただ一言「お前らに足りないのは基礎力だ」と言ってやる。

「基礎力?」

「そうだ。お前らに足りないものは基本的なの強さだ。剣だけでそこまでの実力になったのなら、はっきりいって異常だ。基本をすっ飛ばしてるんだからな」

どんな分野でもそうだが、何事にも基本となるものが存在する。を使って行う武得するには、各の部位に武を使うための筋がなければならない。それがなければ、武を覚える前に高い確率で大怪我をしてしまうだろう。

知識にしたってそうだ。いきなり分數の掛け算を覚えようとしても、それの元となる九九を覚えていなければ、その応用とも言える分數の掛け算など到底解くことはできない。

「あのー。魔法はどうなんでしょう?」

「魔法も同じだ。ただひたすら同じ魔法を繰り返すことも悪くはないが、そりゃただ馬鹿みたいに何も考えずにぶっ放してるだけだ」

メイリーンの質問にそう答えると、顔を俯かせて黙り込んでしまう。今まで自分がやってきたことが無駄な事だったと思ったのだろう。だから忘れずにフォローをれておく。

「勘違いするな。別に同じ魔法を打ち続けることが無駄なわけじゃない。お前がやってきた努力はちゃんと形になって報われている」

「っ! は、はいっ!!」

俺がそう言うと、俯かせていた顔を上げ目を輝かせながら返事をする。うむ、良い笑顔だ。

ひとまず四人に足りないものがなんなのか周知させた上で、次に的に何をすべきなのかという話に移ることにした。

「でだ、派の三人がやることは単純だ。……走れ」

「「「走る?」」」

「そうだ。ひたすら走って走って走りまくれ。ただし、強化は絶対に使うな。それから疲れたとじたら適度に休憩すること、無理にやったところでに付くどころかを痛めてしまうからな。てことで、ギルムザック・アキーニ・アズールの三人はこの場所からレンダークの街まで強化なしで走って帰れ。はい、スタート!!」

「うぇっ!? い、いきなりかよっ!」

一通り説明が終わると、スタートの宣言と同時に手を叩く。それに釣られる形でアキーニが走っていき、それを見たアズールもあとに続いていく。最後に殘ったギルムザックも戸いながらも、胡気ながらも二人を追いかけて行った。

その場に殘ったのは俺とおっぱい魔法使いのメイリーンで、次に彼の訓練方法についてのレクチャーを開始する。

「よし、次にメイリーンお前の番だ。魔法使いにとって大事なのはな。魔力せ……なんでローブをいでいるんだ?」

「い、言ったじゃないですか……お禮はか、で払うって」

「……」

三人を見送りレクチャーを始めるためにメイリーンに向き直ると、そこには全になった彼がいた。

恥ずかしいのか、見えてはいけない大事な部分を隠しつつも、顔を赤らめながらもじもじとしたきを見せる。

ローブで隠されていた彼の艶やかな肢わになる。やはりというべきかなんというか、そのつきはとても妖艶的で艶めかしい。出ている所は出ており、引っ込んでいる所は引っ込んでいるという理想的なをしており、目のやり場に困ること必至だ。

まさかの不意打ちに目が點になったが、すぐに平靜を取り戻し、ぎ捨てられていたローブを拾い上げ彼に手渡す。その際に特有の甘ったるい匂いが俺の鼻腔をくすぐり、妙な気分になりかけたことはオフレコだ。

「そんなものはいらん。とっとと服を著て俺の話を聞け」

「は、はい。すみません……うぅ、眉一つかさないなんて」

俺からローブをけ取り、なにやらブツブツと恨み言のようなものをつぶやきながら一度いだローブに袖を通していく。もちろん、その間彼が著替えるまで背中を向けてるよ?

メイリーンが著替え終わったあと、改めて魔法使いの訓練についてのレクチャーを開始する。

魔法使いにとって重要なものは二つある。それは【魔力制】と【魔力作】だ。魔力制は込める魔力の量を調整することで、魔法自の威力や規模をコントロールできるようになる。

一方で魔力作は、魔力の形や発させた魔法の方向をコントロールするために必要なもので、この能力があれば狙った方向に確実に魔法を飛ばすことができるようにもなる。

この二つの能力は、魔法使いにとって重要なものだと個人的には考えているので、まずはこの二つを習得させるところから始めることにした。

「とりあえず、にある魔力をじるところからだな。できるか?」

「やってみます……うーん。うーん。へやー……あたっ」

「それじゃあ、ただ唸ってるだけじゃないか」

「すみません……」

ただ意味もなく唸るメイリーンの頭にチョップを落として止めさせる。どうすれば魔力という存在をじ取れるようになるか模索し、一つの答えが出たので試しに実行してみることにする。

「メイリーン手を出せ」

「え、こ、こうですか?」

「ああ、でな」

「あっ」

差し出してきた彼の手を取り、そこから自分の魔力を彼に流す。いきなり大量に流すと、に異常をきたしてしまうかもしれないので、できるだけゆっくりと量の魔力を流し込む。

「あ、あんっ……はうー、あんっ、やんっ」

「何をいでいる? 真面目にやれ」

「だ、だって、こ、こんなの、は、初めてでっ、あんっ」

俺の魔力が彼の魔力に何らかの干渉をしているらしく、過剰な反応をメイリーンが見せる。決してやましいことをしてるわけじゃないからな? ほんとだぞ。

それから、なんとか魔力をじられるようになったらしいのだが、何か大切なものを失ってしまったと謎の落ち込みを見せている。

「もうお嫁にいけません。先生が責任を取って私をもらってくださ――あいたいっ」

「人聞きの悪いことを言うんじゃない。それから、俺を先生と呼ぶなと言ったはずだ」

「ぶー」

俺の淡々とした対応に、リスのように頬を膨らませてぶすっとした態度を取る。うん、可いな。だからどうした?

さっきから真面目に訓練をしないメイリーンに「真面目にやらんなら、俺が教えることはもうないが?」と言い放つと、途端に集中し出す彼に苦笑いを浮かべながら、さらに魔力制と魔力作の方法を伝授する。

ちなみにこの二つの能力は、俺の弟のマークにも教えている。マークはこの二つの能力をなかなか習得できなかったが、どうやらメイリーンには合っていたらしく、その日のうちに覚えることができたのだった。

「とりあえず、しばらくはその二つのレベルを上げることに専念しろ」

「わかりました。がんばります!」

そのあと、毎日やる訓練法をいくつかレクチャーし、そのまま街に帰ることとなった。街に帰る途中、へばりながら走っている三人に出會ったので、休憩をしろと指示を出しておいた。

途中から合流したメイリーンも彼らに付き合うと申し出たので、強化を使ってもいいと許可を出しておいた。

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