《ビンボー領地を継ぎたくないので、全て弟に丸投げして好き勝手に生きていく》53話「修行開始!」

「まずはステータスの確認だな」

宿のベッドに腰を下ろし、まずは今の自分の強さを確認すべくステータスを表示させる。

【名前】:ロラン

【年齢】:十二歳

別】:男

【種族】:人間

【職業】:元領主の息子・冒険者(Cランク)

力:3300

魔力:3000

筋力:A-

耐久力:B+

素早さ:A

用さ:A-

神力:A

抵抗力:A-

幸運:A

【スキル】

鑑定Lv7、強化Lv6、気配察知Lv6、気配遮斷Lv5、魔力制Lv7、魔力作Lv7、

火魔法Lv5、水魔法Lv6、風魔法Lv5、土魔法Lv5、氷魔法Lv1(NEW)、剣Lv5、格闘Lv6

まず初めに注目すべきなのは、力と魔力が三千を突破したことだ。おそらく、前回のオークジェネラルとオークたちの戦いの経験が反映された結果となっているようだ。

次にそれ以外のステータスに関しても上昇しており、耐久力以外はすべてAの領域にっている。ただ、このレベルだとオークジェネラルを苦戦なくなんとか倒せるといったくらいで、オークキングと真正面から戦うのなら、もう二段階ほど上の値がしいところではある。

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最後にスキルに関しては、鑑定・気配察知・気配遮斷・魔力制・魔力作・水魔法がレベル1上昇しており、新しく氷魔法を習得している。

ここからさらに上を目指すのなら、力と魔力を五千にして各パラメータを二段階上昇させつつ、各スキルのレベル上昇と新しい上位魔法を習得するのがましいところだ。

「問題は、それを十日でできるってところだろうな……うん、無理だな」

早々に無理だという判斷を下してしまうが、それをやらなければ今回の戦いはかなり厳しいものとなるだろう。尤も、あくまでもそれは、オークキングがレンダークの街に襲撃してくるという仮定での話なので、実際オークたちが街にやってこなければ俺が今考えていること自が無駄なものとなる。

しかしながら、オークの群れがレンダークにやってくるのは俺の中ではすでに決定事項に近い。その理由を問われればただの勘だとしか言えないが、なんとなく間違ってはいない気がする。

そのためにも、さらに力をつけておくことは決して悪いことではないため、さっそく今後の予定を頭で考えながら魔力制と魔力作の訓練のために、部屋の中でも使える魔法を使用する。

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現在俺の持っている屬魔法は、基本となる四元素の火・水・風・土とその上位となる氷の五つとなっている。魔力制で最小の屬魔法を構築し、魔力作でそれを自由自在にコントロールすることで、魔力制並びに魔力作を鍛えると同時に屬魔法の訓練にもなるという一石二鳥な訓練方法を行っているのだ。

しばらく、その訓練を続けること數時間後、に違和じたため一旦訓練を中止してステータスを確認するといろいろと変化が起こっていた。

「なるほど水以外の基本四元素のレベルが一ずつ上がって、上位屬の炎・雷・大地の魔法を覚えたらしいな」

ステータスに表示されたのは、新しく覚えた三つの魔法だ。それぞれ、火の上位である炎魔法と風の上位の雷魔法、そして土の上位である大地魔法だ。

新しく覚えた魔法によろこんでいたちょうどその時、部屋のドアがノックされる音がした。

「ローランド君、私ネーサです」

「どうした?」

ノックした人の正は、宿の看板娘であるネーサだった。知らない人ではないので、すぐにドアを開けて要件を訊ねる。すると、意外な言葉が返ってきた。

「実はローランド君に會いたいっていう人が訪ねてきてるんだけど、何か聞いてる?」

「會いたい人? いいや、その予定はないな。どんなやつだ?」

「執事の格好をしたおじさんだったよー」

「ふむ……」

ネーサの言葉を頭の中で査しながら、訪ねてきた人間が何者なのか考える。可能としては、いくつか思い當たるがどれも決定打に欠ける。

しかしながら、確実に言えることは相手が執事であるならば、貴族かそれに準ずる権力を持った存在からのコンタクトということになるため、これを無視するのは無し草である冒険者という立場にいる俺としてはあまり良くはない。

いろいろ考えたが、相手が何者であれ力技でなんとかしようという結論を出し、一階に待っているという人に會ってみることにした。

部屋から一階に降りていくと、そこに待っていたのは確かに執事の格好をした中年の男だった。見た目は四十代後半くらいで、白髪じりの短髪に立派な口髭を生やした和な雰囲気を持った男だ。

俺が姿を現すと、恭しく頭を垂れながらお辭儀をする。そして、簡単な自己紹介をし始める。

「初めまして、ローランド様ですね。私はこの街を領主であるルベルト様のもとで家令を務めさせておりますマーカスと申します。本日は我が主とそのご息であるジョセフィーヌお嬢様からお手紙をお預かりしておりますので、それをお屆けに參りました」

「手紙?」

「はい、こちらになります」

そう言ってマーカスと名乗った家令が二通の手紙を差し出してくる。見た目は貴族の手紙とあってきっちりとしており、封蠟もちゃんとラガンフィード家の家紋をあしらったものになっていた。

(どうする? できればけ取るのは免蒙りたいが、け取らないと失禮に當たるし、なにより目を付けられる可能があるからな)

できることならけ取りたくはないが、け取らなかった時のデメリットと天秤に掛けた結果、け取った方がいいという結論に至り、渋々ながらけ取ることにした。

「それでは、本日はこれにて失禮させていただきます」

「ああ、領主殿によろしくとお伝えいただきたい」

「……承知しました。では」

簡単な挨拶をした後、宿をあとにするマーカスを見送ると、そのまま部屋に戻る。け取った手紙の封を切り、出てきた手紙を広げさっそく読むことにする。

まずは領主の手紙からで、容はいつも質の高い素材を納品してくれる謝の言葉から始まり、自分の娘の失態を謝罪する容が綴られていた。

最後に改めて謝と謝罪をしたいとのことで、二日後に屋敷へと來てくれないかという言葉で手紙は締めくくられていた。

「このタイミングでこの街のトップの人間と會う羽目にはるとは……」

現在立場的には平民のである俺は、貴族の招待に関して斷ることはできない。手紙の容は要請という形を取ってはいるものの、貴族の願いというのは本人の意図せずとも平民からすれば命令と何ら変わりないのだ。

問題は、この手紙の差出人が何をもって俺を屋敷に呼ぶのか、その目的が皆目見當が付いていないということだろう。家來として勧するのか、それともただ一目會ってみたいという好奇心からくるものなのか、それがわからない以上のこのこと貴族の家に行くことは自分から罠に掛かりに行くことを意味している。

しかし、現狀相手の思を知るがない以上、自分から危険な場所に飛び込んでみるしかないということで、二日後に屋敷に赴くことにした。

「さて、次にこの手紙だが……」

領主の手紙を読んだ後、次にその娘であるジョセフィーヌの手紙を開けて読んでみる。彼とはあまりいい記憶がないため、どんな容が書かれているのかと構えていたが、書かれていた容は意外にも自分が取った行に対する謝罪の言葉であった。

自分がいかに短慮で思慮が足りなかったのか、俺に対してどれだけ酷いことをしたのかという懺悔のような容が書き綴られていた。

「ふーん、どうやらただの我が儘な貴族令嬢ってわけじゃなかったらしいな」

け取った手紙からは、そんな印象が浮かんでくる。ただし、この手紙を書いたのが彼本人だったらという注釈が付くが……。

「とりあえず、二日後は領主の屋敷に行くとして……その間は修行を進めていこう」

こうして、約束の日である二日後まで集中して修行に打ち込み続けるのであった。

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