《カノジョの好度が上がってないのは明らかにおかしい》第23話 いい未來へのフラグ立て
 「本當に申し訳ありませんでした!」
 そう言って深々と頭を下げるスタッフさんに六実が優しい言葉をかけた。
 「大丈夫ですよ。この通り怪我もありませんし! だから頭を上げてください」
 「いやしかし……」
 「頭を上げないと偉い人に言いつけちゃいますよ」
 頑なに頭を下げ続けるスタッフさんに六実はやわらかな微笑みを向けた。
 だが、気になるのはそんなことじゃない……
 「ティアなんのつもりなんだ?」
 「はい? なんでしょうお兄様」
 俺の問いかけにティアはわざとらしくとぼけた。いつもとは違うし邪悪な笑みをたたえて。
 「とぼけるな。お前がジェットコースターを停めたんだろ?」
 「はぁ……私にそんなことができるわけないじゃないですか」
 「いやできる。お前自分で言ってたじゃないか。ジェットコースターが止まった時、攜帯に戻ればなんとかなるって」
 俺はティアにそうし強い口調で問い詰めた。
 ティアはジェットコースターの上で本當は寢てたわけじゃない。実化しただけそこに殘して本はジェットコースターを制する機械をハッキングか何かしてコントロールしていたのだろう。
 恐らく、俺や六実の拘束が外れたのはティアの仕業だ。
 「なんであんなことしたんだ?」
 俺はそうゆっくりと問いかけた。
 「前にも言ったじゃないですか。これもいい未來へのフラグ立てです」
 ティアはあたかも當然のことのようにそう言った。まるで、すべてを見通しているかのような目をして。
 「馨くーん! ティアちゃーん! そろそろ行くよー!」
 その聲の方向を見ると六実が元気よく俺たちを手招いていた。隣では寢起きの凜がうとうとしている。
 「はーい! 今行きまーす!」
 ティアは笑顔で六実に応え、彼の方にかけて行った。
 まったく何もかも意味がわからないが、とにかく今は久々の遊園地を楽しみたいと思う。せっかく3人も連れているんだし。
 さっき死にかけたばかりだというのに俺も相當なものだなとじつつも俺は彼たちのもとへ向かった。
        *     *     *
 「いやぁ、ジェットコースター楽しかったですね〜」
 「そうだね! 思ってたより怖くなかったし」
 まじですか ︎
 俺は心で六実にツッコミをれた。ジェットコースターから放り出されて意外と怖くなかったって…… 俺は六実がもともと想像していたジェットコースターの怖さに戦慄した。
 「では、次は私がティアを楽しませればいいんだな」
 やっとの事で眠気を覚ました凜が気合い十分にそう言った。
 しかし、凜はどんな風にティアを楽しませるのだろうか。
 「私はティアとここにろうと思う!」
 凜はを張ってそう宣言した。その場所とは……
 「お化け屋敷……」
 そう、お化け屋敷だった。
 「凜、お前こういうの苦手じゃなかったっけ?」
 「うっ、どこでそれを…… とにかく、私はここにティアと一緒にるのだ!」
 と、いう凜の意向により、俺たちはお化け屋敷にることになった。
 まず、凜とティアが一緒にり、その後から俺と六実が一緒にるのだ。
 「では、行こうかティア」
 「はい! よろしくお願いします! 凜さん!」
 引きつった無理やりな笑顔の凜に完璧な笑顔のティアが応える。
 「行ってくる、六実さん、馨」
 「うん、頑張って!」
 
 そう言って凜とティアは闇の中へ消えていった。
 これまた嫌な予しかしない。
 俺はそうじつつも六実と二人きりでお化け屋敷にるというシチュエーションに興を隠せなかった。
 
 
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