《引きこもり姫の事~?そんなことより読書させてください!~》引きこもり蟲の旅行〜前編〜
「凜音――!! 今年こそは逃がさん!」
來てしまったか。もう今は健康そのものだし仮病も使えん。
「二年よ! 二年もあなたのいない旅行を耐えなければならなかった私達の思いを知らなかったでしょうね!?」
「そんなに私重要視されてないでしょ」
「されてます! 家族がいないのを喜ぶような奴がここにいると思ってるの!?」
すいません思っていません。でも何もそこまで的にならなくても。
あ、皆さんどうもご無沙汰してます凜音です。説明しますとね。三家もとい六條家は別荘を持っているのです。凄いよね。そこに夏休みの二日を兄弟姉妹で過ごすことになっております。
前も言いましたけど私が他の人達とほとんどコミュニケーションを取っていなかったように旅行も風邪で行けませんでした。これはガチの風邪です。夏風邪怖い……え? 學校は? そんなの逃げるか風邪かです。
まあ高一の頃は興味本位でいじめてくる奴が多數でしたので月海達を極力遠ざけた方が良いとも考えました。で、本題にりましょう。
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「今年こそ連れてくからね! そうと決まれば水著買いに行くわよ!」
「え、スク水で良いじゃ……」
「駄目」
え――。
折角の休みなのに。てか何で華ちゃんと麗子姉さんまで付いて來てんの? たかが水著買いに來ただけじゃん。
「音ちゃんほんとに興味なさ過ぎるよ。良い? 海に遊びに行くのにスク水なんてそんなのコスプレイヤーしか今時やらないんだよ」
コスプレイヤーなんていつ覚えた。あ、學校か。
「凜音は付いてないからあまり出は控えた方がいいね。特にとあばらの部分」
うっさい黙れ。
「えーでもビキニとか著せてみたいよ。神宮寺さんだって喜ぶんじゃない?」
その言い方人によっては変態発言だよ……え?
「神宮寺さん呼ぶの?」
「當たり前じゃん何言ってんの凜音」
どこが當たり前? ねえどこが? メールでも教えてくれなかったよねあの人。
「あ、じゃあ凜華。キャミソールは? お腹とは隠れるし神宮寺さんも出はあまり得意じゃないんじゃない?」
「あ、そっか。やましいこともまだしてないんでしょ?」
ギクリ。キスのことを話したら絶対からかわれる系だわ。ここは靜かにしてよう。
「じゃあ凜音。まずはこれ著て」
ピンクのキャミソールにめっちゃ短いパンツ。寒そう。クーラーガンガンの所で著るものやない。
まあ良いや。
「……どう?」
「ピンク似合わないね凜音」
「悪かったね」
「じゃあ水は?」
はいはい著てみますよ。
「どうよ」
「びっみょ〜〜う」
黙れ怒るぞ……あれ。
「でもそうするともう無いんじゃ」
青もピンクも駄目なら後は紫とか黒だけどそうするとがっつりエロ下……ゲフンゲフン大人っぽい水著になるぞ。 
「麗ちゃんの水著もね〜。私達はサイズ合わないし」
「ちゃんの水著は? 緑だし出ないし」
「じゃあ子姉さんはどうすんの?」
「ちゃんと正ちゃんは仕事で夜來んの。聞いてなかったな」
聞いてるも何もそんな話し合いをしていたのかい。
全くそれなら私も夜にさせてくれよ。ぷんすかぷんすか。
後日。神宮寺さんと、正宗兄さん子姉さん以外の面々で靜岡に向かう。あ、そうそう言い忘れてた。
私達標準語で話してるけど家は京都です。何で訛ってないかって? 作者が東京の人だか……
「凜音、誰に向かって言ってんの?」
「何でもない」
まあいつかは訛ります。それで何時間か車に揺られ到著。
水著にお著替えしましていざ浜辺へ。うわ、人多いよ。
「お待たせ〜準備出來た?」
「出來たけど……麗子、出が強くないか?」
「これくらいが良いのよ吉宗」
麗子姉さんは真っ黒のビキニ。布の面積ない。吉宗兄さんはそんな実の姉に呆れてる。
「可いね凜華。黃が似合ってる」
「ありがとまこちゃん。まこちゃんもスタイルいいね」
はいそこー兄妹でイチャイチャしない。華ちゃんをしないように私が試著したようなものの黃バージョンを著ている。パッション系が似合うんだよね。
「ねえ風柳〜お姉さんに綺麗だねって言ってくれないの?」
「はいはい綺麗綺麗」
「桃李ちゃぁぁん!!!!」
「大丈夫だよ。月海が可いから風柳も照れてるんだよ」
「兄ちゃん変なこと言わないで」
月海もビキニみたいだけどおへその手前までと、決していやらしくないくらいまでのフリル水玉。毎年質問されてるから風柳ももう飽きたんだろうね。
ねえ風柳。だから何で大食いなのにそんな痩せてんの? 後桃李兄さんめっちゃお久しぶりです。かまってやらなくてすいません。
これで子姉さんと正宗兄さんがいればよかったのに。
「……凜音さん」
「あ、はい何でしょう神宮寺さん」
「その……可らしいですねその水著。似合ってます」
私の水著は緑で植が描いてあるワンピース。子姉さんワンピース好きだよね。でもこれパンツが食い込む。
「どうもです。神宮寺さんも急なおいすみません」
そう。神宮寺さんも行くと言ってたけどそれはまだ了承も取っていなくてほぼ前日に連絡した(らしい)。それでよく嫌な顔せずに來てくれたな。
「凜音さんと外出なんて滅多に無いし、僕も暇だったので。それにってくれてお禮を言わなければいけないのは僕の方ですよ……おかげで珍しい水著姿も見れたし」
最後聞き取れなかった。何で急に小さな聲になったの?
「お二人さ〜ん? イチャイチャなら遠くでやってください〜い?」
月海がにやけながら真ん中にる。神宮寺さんそんな慌てなくても。
「まだまだ時間はあるからね。さあ。たっくさん遊びまくるよ!!」
「「「お――!!」」」
「……おー」
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