《引きこもり姫の事~?そんなことより読書させてください!~》引きこもり蟲と修學旅行3
何で學校行事であんなことしたんだ私。いやちょっと待て。これはどう見ても月海のせいだろう。後で仕返ししてやる。三倍返しにして。あれ、それってホワイトデーじゃね? まあいいや。
それより修學旅行の朝って何でこう起床時間が早いのかね。五時に點呼とか鬼畜か。
何でも○海水族館は人気で生徒全員がるには時間をずらさなきゃいけないそう。水族館なんて良いから読書させてくれや。
そしてここで作戦その四 海の仲間に協力してもらう!
月海、もう人任せ――いや、魚任せじゃん。でも確かにここはデートスポットとか言われてるしくっつけるには良い場所かもね。
水族館に到著。ホテルから遠いんだよ! バスで一時間ってなんなの!?
ついでにその駐車場から水族館の口までで三十分歩くことに。ねえ、もう私帰っていい? 朝食とかもれてるから普通にもう十時ですよ? 三時間三十分も私いらないと思うんだよね。
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高校生の子って怖ーよ。私もそうだけど。
「ジンベイザメだよ凜音! おっきーね〜」
「サメって味しいのかな」
「ちょっと黙ってようか大食漢ふうり」
水族館の生き食ったら犯罪だから。いや犯罪よりもまず食う前に食われるだろ。
それにしても本當に大きいな。あ、なんかくっついてる。くっつき魚。え? ちゃんとした名前がある? 作者が忘れたゲフンゲフン! 今度調べてみよう。
水族館のネオンというか青白いが私は苦手だ。しかも歩き続けてるから足が痛い。私は申し訳程度にあるベンチに座って休憩してよう。
「なら健人くん達見張ってて」
「分かった」
人混みが多いけどそのの大半はクラスメイト――らしい。健人くんが話しかけようとすると疾風の如くそこから離れる。バレバレなんだよ心が。
「何なんだよあいつら〜話しかけようとしたら逃げやがって〜」
「そ、そうだね。皆どうしたんだろう」
どうしたもこうしたも無くあんたらが進展しないからだよ。段々呆れ通り越して怒りが湧いてくるぞお前らの焦れったさ。
昨日私がやめてって言ってもを揺さぶってきた奴はどこ行った。
「……」
「……」
會話を途切らすな! こんな簡単に連続で作戦失敗させちゃ駄目だろ。つか告れ峯岸健人ぉぉ!!
「わ、私……尾さんの所に行ってますね!」
ん? 今“尾”って言われた? いや気のせいかな……気のせいだろこっちに來んな奧田ぁ!
不本意だが仕方あるまい。
「尾さ……」
「ねえ私一人になりたいんだけど。ハッキリ言って迷。戻って」
neo作戦ダジャレじゃないよ! わざと辛辣な言葉で距離を引き離す。
よし。無表だから効果もアップだ。
「ご、ごめんなさい。わ、私……あの」
あ、やべ泣き出しそう。ほれ健人くん。私が敵になってやってんだから守れ……
「尾っちごめん。こいつ見ててやってくれないっすか? すぐ戻るから」
はああ? この豆腐チキンが! 何か味しそうな名前だな。って行くな! 奧田さんを置いていくな――!
「……ちっ」
「すみませんすみませんすぐ退散しますぅ」
「……奧田さん」
「はひ!?」
「あいつのどこが好きなの」
「え……」
なんだそのどうして知ってるの的な顔は。
「聞いてんだから答えてよ」
今の私は怒りに塗れてるからきつい口調で行くぞ。こんくらいで泣きそうになるな。泣きたいのはこっちだよ。
空気読めとかそういう視線向けられてんだよこっちは!
「その……峯岸くんはいじめられてる私を助けてくれたし友達も紹介してくれて獨りにしないでくれて」
「それってただのおせっかいじゃないの?」
「え!?」
小説とかである一目惚れ〜とか不良から助けてもらった〜だと思ったらそれ馴染みだから仕方なくの方が當たってない?
まごまごして話せないようだししいじめてみっか。
「……これは皆にはだよ。月海がね、健人くんのこと好きだって」
「えええ!?!?」
「誰にも言ってないんだからね。靜かにしてて」
「あ、う……だって昨日そんな素振り一度も見せて無かったですよ?」
そりゃあなんて一欠片もありませんもの。昨日の仕返しじゃ。ついでに月海も。
「あなたが健人くんを好きって知って譲ってんのよ。それなのにうじうじしてるもんだから」
「わ、私よりきっと子柴さんの方がお似合いなのに」
月海にはそういう気持ち無いけどね。
「私の気持ちが彼を押し付けてたなんて」
押し付けてないけどね。
「私謝らないと。ああでも謝って済む問題じゃ」
謝らんで良いぞ?
「尾さんどうしましょう」
「告れ」
「え?」
男からってのもあるけど今は食系子と言われるものがあるらしいし。
「月海は涙を飲んであなたに譲ったのよ。自分の気持ちを打ち明けなきゃ失禮にあたると思う」
「失禮……」
「そう。だから告白も」
「分かりました。なら尾さん、協力してしいことがあります」
「はい?」
あら? これでやっと読書できると思ったのに。
この時の私はまさかあんなことになろうとは思ってもみなかった。
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