《引きこもり姫の?そんなことより読書させてください!~》引きこもり蟲と大晦日1

寒い。

「コタツがしい」

「大掃除が終わったられるから我慢」

まこちゃんに窘められました。はい分かっています。使用人さんも家族と年を越したいだろうと言うことでいつも十二月二十九日から三が日はずっとすっからかんです。と言ってもそこまで使用人多くも無いけど。

私は書庫とトイレにお風呂。華ちゃんはリビングと客室と洗面所。まこちゃんが玄関と臺所。まこちゃんだけがないって? 面積的に玄関は廊下も含まれてるし臺所も油とか洗剤で汚れ塗れになるしで一番苦労するのよ。

で、父さんはと言うと

「父さん布持ってきたよ」

「すまん……今起き上が……ぐおぉ!!」

張り切って書斎の片付けをしてたらギックリやりました。年もあるけどその余計などうかした方が良いよ。そもそも何であんたから形が産まれてくんのさ。

「凜音……全部、目・に出てるぞ」

すまんね表なくて。

書斎はほぼ書類や書庫から取り出してきた本ばかりだったからすぐに片付いたし私の部屋も書庫も何とか綺麗になった。

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「音。終わったなら華と一緒に行ってきて」

「おっけー」

どこに行くのかって? そりゃあ勿論

「なんで迷路になってんだよ」

前にお話ししたことがあっただろう。そう。六條家はとにっかく広いのである! 小さい頃はかくれんぼしてここどこ狀態になったよ。六歳くらいね。

でもね、それでカオスになるのが大掃除。

「……まず兄さん達はどこだ」

書庫以外で沢山の書籍を見たことが無いし、無駄なものとかも無い家だけどの位置がずれただけで迷路化する家って凄いと思う。

とりあえず

「リビングを探すよ華ちゃん」

「イエッサー」

えーっと玄関って突き當たりを右に行った所がリビングだから。

「音ちゃんそこって階段じゃない?」

「え? あ、もう一個先か」

「え、でも行き止まりだよ?」

「……」

「……」

迷った

「どっかしらの部屋にろう。全部の部屋に特徴あるし」

という訳で左手にあったドアノブを摑む。

「……」

「……ここ麗ちゃんの部屋じゃない?」

麗子姉さんの部屋は二階――あ、ちなみに三階建てね――あのさ〜

「いつの間に二階にあがってきたの?」

「あいちゃぁん! れいちゃぁん! まさちゃぁん!よ しちゃぁん!」

華ちゃん、近所迷だからばない。喚かない。

「六條家怖いよぉぉ!!」

「人様の家でそういうこと言わないの」

「まあからくり屋敷だから仕方ないわぁ」

まーたそんなことを言って……ちょっと待て今の聲華ちゃんじゃ無いな。

この無駄にエロいようなAVに出てそうなじの艶のある聲って

子姉さん」「ちゃん!」

はもっちまったぜ。皆さんお忘れでは無いですよね? そう。六條家長にしてその溫厚な顔立ちからは想像出來ない程のドS・六條子様でございます。

「ごめんねぇ? 二人の聲は聞こえたんだけどすぐに消えちゃったから探すのに時間かかっちゃってぇ」

間延びした聲だけどそれがイラつかないから姉さんは凄い。ちなみに吉宗兄さんに空手とか教えたのもこの人ね。

「他の三人はどうしたの?」

「家を四分割にしてお掃除してるのよぉ。GPSがあるから持ち場から離れることが無いのぉ。二人は私のゾーンだったのねぇ」

家でGPS使うなよ。GPSって外で使うものだし室完備してんのかあんたら。

「家が広いから特注で作ってもらったのぉ」

すげえ

「あ、そうだぁ私の所も手伝ってしいけど凜音ちゃんは正宗ちゃんのところへ行ってあげてぇ。書庫の掃除してるのだけれどいらない本とかはあげるからあなたが必要でしょぉ?」

なんと! うちの書庫は小さ過ぎて父さんが本を買ってくれないことが多かったから大歓迎です。

さてでは早速。

「どこ?」

「呼ぶわよぉ」

姉さんが電話して――これこそ家電いえでん――正宗兄さんに迎えに來てもらった。

「助かったよ凜音。膨大過ぎて床にまで置く始末だよ」

「……ここまで凄いとは思わなかった」

ひっろっ!! 首を九十度に向けないと頂上まで見えないし。ついでに言うと兄さんと話すのも首疲れるし。あんた今何センチだよ。またびただろ。

「とりあえず半分はやったんだけど必要の無くなった本があれね」

「あれ……百冊超えてると思います」

「數えたら百一冊だったよ」

「百一匹のわんちゃんか」

半分やってあれとは。何回か往復しなきゃいけないパターンじゃん。あ、でもうちにあるものも。

「重複してるやつは古本屋に売ろうよ。その仕分けしてもいい?」

「うん。お願い」

えーっとこれはある。これは無いこれはある。ないあるないないあるあるある……あ、これ新刊出たんだ。今回はどんなお話かな〜? 能小説はどう考えたって麗子姉さんだな。もらうけど。

數時間後。

「凜音お疲れ様。そろそろお晝らしいからご飯食べようか」

「……迷路」

「うちで食べてけば良いよ」

おお太っ腹。では遠慮なく。

「凜音ちゅわ〜ん! 相変わらず可らしいでちゅね〜♡」

「痛い。おばさん痛い」

「おばさんじゃなくて冬桜子とうこって呼んで?」

「お母さん凜音窒息するから離してあげて」

煤汚れた麗子姉さんが手を洗いながら促す。六條冬桜小さん四十二歳。ザ・です。

二十歳で正宗兄さん産んだ強者です。シミも皺もありません。どうしたらそうなるの?

後、娘と息子大好き。チルドレンコンプレックス。チルコン?

「うどんで良いぃ?」

「うん良いよ……蕎麥は?」

「それは夜」

晝にうどん食って夜に蕎麥食うの? 相変わらずここの食生活がよく分からんわ。 

    人が読んでいる<引きこもり姫の戀愛事情~戀愛?そんなことより読書させてください!~>
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