《引きこもり姫の事~?そんなことより読書させてください!~》小説家さんのご家族さん
天龍寺琴音。
神宮寺の母と琴音の母が姉妹であり従兄妹同士である。両親からチヤホヤされて生きてきたため自分の願いはなんでも葉うと思ってしまいこれまで親の力を使って王生活をしてきたらしい。
「……で、そのまま神宮寺さんは自分の婚約者だと勝手に決めつけて音は私の様を奪う泥棒貓と思ってる。完璧に痛い子だね」
躊躇いもなくまこちゃんが毒を吐く。大學生になってからも相変わらず裝――ていうか毎日やってるから証明寫真見せないと男共がナンパしてくるって吉宗兄さん言ってた。
聲変わりしてもし低い聲だから仕方ないよね。でも男としては気にしてるそう。
「ねえねえ六條の力で何とかなんないの?」
「そうしてあげたいんだけど天龍寺は六條とも肩を並べる程の実力者なんだ。迂闊に手を出すと返り討ちに會う」
えー。でも神宮寺が互角くらいなら親戚の天龍寺だって並外れたものじゃないよね。六條でも太刀打ち出來ないとなると手強い相手なんだな。中薄っぺらな王だけど。
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「神宮寺さんから連絡とか來てないの?」
「仕事が忙しいんだって。今新社員とかもあるし」
「なら直談判だな。次の休みに行くよ凜音」
「う……え、月海も行くの?」
當たり前と言わんばかりの顔をすんじゃない。
「もしそこにあの王がいたとしたらいくらあんたに味方の神宮寺さんでも窘められないでしょ。私がいればあいつなんてボコボコにしてやるわよ。だから存分にイチャつきなさい。そして私にリア充へのストレスを倍増させなさい」
「趣旨が違ってきてるぞ月海」
という訳で月海と共にさん宅へ行くことに。
予想が外れ、王様はいなかった。だけど私は違う意味で張することになってしまった。
「あなたが凜音ちゃんね。初めまして。挨拶が遅れてごめんなさいね」
そういう貴婦人様はまあ魔。六條母さんとも良い勝負です。月海は隣でお茶飲んでるしさんは執筆が今日締切だからそれが終わったら來るって言ってたしこの人の相手ってやっぱ私がしなきゃいけないんだよね?
「初めまして。改めまして尾凜音です。こちらこそ申し訳ありません。本當はこちらから出向くべきだったのですが」
「あらあら良いのよ。なんてったって私の娘になる子だもの。そんな畏まんなくたって気軽にお義母さんと呼んでちょうだい」
「はあ」
もうお分かりでしょう。この魔様はさんのお母様であり私の義理の母――まだか。結婚してないし――である琴こと子こさんである。
いや一線越えたんなら挨拶行けよと思うじゃん普通。でもこの人と今日はいないけど義父様はラブラブでさんに仕事全部投げ出して海外旅行に行ってしまわれた。
それで帰ってきた途端に私に會いたいとさんに我が儘を言って待ってたそう。
「まさかがあんなに求不満だとは思わなかったわ。ごめんなさいね凜音さん。まだ高校生なのに処を奪ってしまって」
「いえ……え?」
待て何でこの魔――じゃなかった琴子さんは知っているんだ? おいこら月海。お茶を吹き出すんじゃない。迷だろうが。私にも。
「ああ何で知ってるのかって? そりゃあもうあの子の面は全て松崎に聞いているもの。いつ執筆してるとかちゃんとご飯は食べているとかちゃんと自・・はしているのとか」
あれ? もしかしてもしかしなくてもこの人かなりの変態? 息子の自まで聞いちゃうの?
「勿論聞くわよ。だってあの子の嫌いは尋常じゃ無いくらいなんだからもう楽しくて楽しくて」
「鬼……てか何でさっきっから心読まれてんですか」
「分かりやすいわよあなた。目は口程にを言うってね? 月海ちゃんはあなたを弄りたくて堪らないらしいわね。何だか息が合いそう」
「ですよね琴子さん。良かったら連絡取り合いませんか? 凜音が息子さんをしがったらいつでも連絡します」
「あら良いわね。ところであなたその容姿凄い素敵ね。スッピンはどうなの? それナチュラル? 金髪は?」
「あ、これはですね。私の義姉あねの麗子という人が教えてくれたことでして……」
はい空気になりましたー。ちょっと自分で言うのもあれなんだけど私一応主人公なんだけどなー。正直読書以外でももしかしたら琴子さんとのお喋りが趣味になりそうな予してたんだけどなー。
絶対この人めてきそう。的な意味で。
「凜音」
あ、さん終わったんですか……って髪ボサボサ。ちょっとやつれてるし。何で気が出てるのかはこの際無視しよう。
「お待たせ凜音。來てくれたのにほっといてごめんね」
「いえ。お仕事の方が大事です。それよりちゃんと休息取ってますか? 折角の形が臺無しですよ」
「形?」
「やだ凜音ちゃん息子を形って呼んでくれるの!? こんな読書にしか興味の無い男のことを」
「すいません琴子さんそれ私も當てはまってます」
後さっきまで“さん”呼びだったよね? この人人見知り一切しないタイプ?
「母さん。頼むから凜音を巻き込まないで。そのグイグイ來るじでの人が逃げていくのは僕にとっては嬉しいんだけど凜音がいなくなるのだけは困る」
ああ確かにこれが……ゲホンゲホン!! こちらの方が姑だったら話すのに疲れるだろうな。私の場合は月海がいるからまだ平気だけど。
「あらあらがそんなこと言うなんて。天変地異が起きても言わないと思っていたのに」
「「そんなに?」」
さんと私の聲が重なる。本當にこの人息子を何だと思ってんだ。
「今度は父さんも連れてきて一緒にお話しましょうか。きっと喜ぶわぁ。孫が出來るんだもの」
「母さん気が早い」
「そうでもないかもよ神宮寺さん。こいつタフだから子とかすぐにけれて」
「月海」
下ネタは止めなさい。もしかしたら低年齢も見てるかもしんないんだから。
「じゃあ凜音ちゃん。私は月海ちゃんとお喋りしてるからとイチャイチャしてきなさいな」
「話終わっても先に帰ってるから……リア充滅びろ」
それ口癖なの月海? ってあぁあぁ追い出すなよぉ。私とさんは顔を見合わせて溜息を吐いた後とりあえず部屋に向かった。
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