《double personality》episode7

「...えっと...」

何も言わない森塚達に不安と張が心に溜まっていく。

どうせ、暫しばらくは學校に行かない。行く気がない。「このまま走って逃げようか?」とも思ったが、足に力を込めた瞬間、森塚が笑顔で集団に聲を掛けた。

『ごめん。俺、那月と話あるから先行ってて。すぐ戻るわ』

彼の笑顔はどんな人間も和なごませる。笑顔にさせる。

ボーッと突っ立っている冬李の方に歩いて來る森塚の背後から【抜け駆けすんなよ!】【盛んなよ、伝染うつるぞ!!】なんて聲が飛びう。

呆れた。まだ伝染ると思ってる。

右足を後方に引いて、近付いてくる森塚から後退あとずさる。

集団の面白そうにしている笑い聲が遠のき、聞こえなくなった。

逃げるなら今だ。

地面に散らばる砂利を散らしながら、ない力で自分のアパートまで走る。

走り出した瞬間、背後から森塚の『おい!』と言う聲が聞こえたが、無視をする。こっちは必死なのだ。

冬李とは違う規則正しい足音が追いかけてくる。森塚だ。

ドアの手前で力盡き、しゃがみ込んで肩で息をする。

「...ッはぁ、はっはぁ...。今度は、な、に。同?興味?それともアンタの処理でもさせる気?!」

冬李の腕を摑んだ森塚を見上げて、半ば投げやりに聲を荒らげた。

『ちげーよ!何も言ってないのに勝手に逃げて決めつけてんじゃねぇ!』

冬李よりも大きくんだ相手の聲に幾らか冷靜になり、もう一度森塚の目を見て呼吸を整えた。

「...ごめん。変な事言った」

のモヤモヤは殘っていたが、冬李にも非があった。

立ち上がり、ペコリと頭を下げる。

『いや...。不登校の事、詳しく聞きたくて』

「...」

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