森塚がでる様に頭をって、遠慮がちに本題にってきた。

困った笑顔が罪悪を掻き立てる。まるで「お前が悪い」と言われている様な、そんな気がした。

「．．．別に。さっきも聞こえたでしょ？僕がこの質になってからあんなじ。馬鹿だよね。伝染らないのにあんな事。こんな質慘め以外の何でもないよ」

『．．．』

冬李をじっと見つめている森塚から気付かれない程度に視線を逸らす。

「．．．森塚はさ、俺がこの質になったのもしかして今日知った？」

『え．．．？』

顎を持ち上げて、冬李が白く細い首に巻き付くチョーカーを森塚に見せた。

數年前まではアクセサリーとして付けられていたが、最近では【病】の象徴としてアクセサリーとしては付けられなくなった。手首や足首も同様だ。

目の前の森塚も、その事実くらいは知っている筈だ。

『．．．質って？』

「．．．え？知らないの？」

意外だと言う顔でわざとらしく驚いてみせる。

「施設にいた頃、よく僕でヌいてたよね？憶えてる？」

冬李が思い出したという様に顔に手を當てて、考える仕草をする。

『ッ____何で、ソレを。お前寢てたし、それに俺の事なんて憶えてないと思って____』

「ん？僕あれ好きだったなぁ。森塚エロくて可かったし」

いたずらっぽく笑顔を浮かべて片手でを作り、自の時のソレの様に手を上下にかして見せた。

『ッ____！』

「森塚の通って僕がハジメテでしょ？怯えた顔可かったなぁ」

『．．．』

しからかっただけなのに、つまらない奴だ。重い沈黙に冬李が仕方なく「はぁ」とため息をつく。

「．．．ッもーいい、何だったっけ？『不登校の事』？」

『．．．あぁ、うん。先生方も心配してるし．．．その、俺も、心配だったから』

宙を彷徨さまよっていた森塚の視線が冬李の顔に移る。

「．．．ありがとう。」

『それじゃあ．．．』

嬉しそうに顔を上げた森塚に、冬李が目を伏せて首を橫に振った。

「____學校は行かないよ____」

高校の先生も生徒も最低なヤツらばっかりだ。

『は？』

「____アンタは幸せだね____」