《~大神殿で突然の婚約?!~オベリスクの元で真実のを誓います。》裁きの日より三年――……

*1*

テネヴェ要塞――。

「結界は持ちこたえたようだね。イア。しかし、南の結界が緩んで攻撃をけた」

「うるさいわね。見て分かるわ。……後で張り直しておくわ。貴方もあの中に閉じ込めてやりましょうか、クフ」

クフは年を抜けきらない表で、艶然と笑う。暖簾に腕押し。クフに恐怖は通用しない。ティティはくるりと背中を向けた。

「わたしは呪研究所に戻るわよ。読みかけの本もあるしね」

城壁からクフ王と共にある程度の戦記を見守った後、踵を還した。

額に斜めに嵌めた冠は、後宮の上級呪師に與えられるハティプト王神の紋。クフ王が與えたモノだ。

だが、クフさえいなければ、夫、イザークは消えないで済んだ。

(いつでも刃を向けるがいいわ。呪で返り討ちにしてやるから、この、悪魔!)

神と稱されたしき師イアのかつての名は、ティティインカ。テネヴェの若き王、クフィルートとティティは一即発の日々を超え、間もなく三年――。

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