《Waving Life ~波瀾萬丈の日常~》7話 桜花爛漫

桜花爛漫

1

いきなり起きた修羅場。

玄関に現れた妹が連れてきた謎の男。

家の中には絵里もいる。

勘弁してくれ……。

とりあえず俺は、妹と謎の男を連れて外に出た。

「どうしたの?お兄ちゃん?」

首を傾げると揺れるポニーテール。

スラットしたスタイル。長は小さいけどね。

名前は、蔭山かげやま 香みか。

俺の2つ下の中學2年生。

「いや今、俺の客がいるんだ。その人が今日泊まっていくけど、いいか?」

「待って!もしかして?彼、とか?」

いや、どんなでもみんな彼にするのはやめてくれ。

どうして、こういう年頃の子はといると勝手に付き合っている設定にしたがるんだ……。

妹の橫にいる謎の男は、俺と妹の會話を不思議そうに眺めている。

……って、お前だよお前。

誰なんだ。

「その話はひとまず置いといてだな……」

「待って!置いとけないよ!私のしのお兄ちゃんが他のに取られそうになるのを黙って見過ごせないよぉ!」

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「お前な……。そういうブラコンな格、せめて人のいる前ではやめておけよ」

「なんでだよぉ」

プーっと膨らました頬がどことなく可いリスに見える。

言っておくが、俺はシスコンではない。

なぜ妹がこんな格なのかは俺もよく分からない。

別に、特別な何かをしてあげたわけでも命を救った訳でもない。

でも何故か昔からこんなじなのだ。

親孝行のいい妹なだけに、玉に瑕だ。

「で、その男は一誰なんだ?」

夕焼けが臨場のある雰囲気を醸し出し、修羅場を増させている。

どうやらお天道様は、この修羅場を面白がっているらしい。

「あれ?知らなかったっけ?お兄ちゃんの學校に狹間 玲さんって人いるでしょ、優の。その人の弟だよ!宏誠こうせい君。お兄ちゃんの事知ってるみたいだったけど……」

剣の王の弟?

全くそういうふうに見えないけど……。

雰囲気がちょっと緩いじで、冷たいオーラをじない。

あまりにも似ていなくて、疑問に思ってると本人からちゃんと自己紹介があった。

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「すんません。ご紹介遅れました、狹間はざま 宏誠こうせいと言います。お兄さんのことは姉から伺っております。妹さんとは塾が同じで、今日はたまたま遊びに來ないかとわれまして……」

とりあえず、剣の王と真反対で禮儀正しいことは分かった。

だけど、俺はこのタイプはちょっと苦手だ。

「先輩!先輩!」と俺を慕ってくれるのは別に悪いことではない。

だけど、大抵こういう奴は一度ではなく何度も押しかけてくるのだ。

そのため面倒なことと、うざいことが本當に苦手な格の俺には、こいつのような格は、苦手な部類にるのだ。

そういう問題もあるが、家には絵里もいるて修羅場になるととても困るのでお帰り頂きましょう。

「分かった。でも帰れ。今日はもうこんな時間だろ?」

確かに今は夕時。

良い子は帰るお時間だ。

「じゃあ、泊まらせてください!お兄さんにお話があるので!」

宏誠は、そう言って何度も頭を下げてくる。

まさにこの行為が、俺にとってはとても鬱陶しいのだ。

俺は全力を盡くして、帰らせようとする。

「知るか!そんなの今度でもいいだろ?いいから帰った、帰った!」

「お、お兄ちゃん!失禮でしょ?せっかく遊びに來てもらったのに……」

妹は制止にるが、そんなのは聞きれない。

修羅場なんてもう免なのだ。

突然、家の前で車のブレーキ音が聞こえた。

音の聞こえた方を見ると、立派な高級車が一臺止まっていた。

助手席のドアが開く。

「ちょっ!」

そこから出てきたのは、宏誠の姉。つまり、剣の王。

「うちの宏誠がお世話になりま……って、貴様!私の弟に手出しはしてないだろうな?」

何度聞いても凍てついてますね、王のお言葉は。

それにこの人、もしかしてブラコンなのか?

「宏誠、迎えに來たぞ」

風格がもはやモンスターペアレントだ。

なんて心の中で思うと、剣の王ギロっとこちらを見た。

なぜ心の聲聞こえるのだろう……。

「はぁ、仕方ないなぁ。すいません、お兄さん。泊まるのはまた今度に……」

宏誠はガックリと肩を落とす。

と同時に、俺は心の中でガッツポーズした。

完全に諦めた宏誠は、こちらに一禮して車に乗り込んだ。

一方の姉は、俺を鋭い眼で威嚇した後、車に乗り込んだ。

そして、2人の乗り込んだ高級車は走り去っていった。

それを見屆け、完全に視界から消えた途端、俺はニカニカしながらこう言い返す。

「いや、2度と來なくていいから」

と、さっき「泊まるのはまた今度に……」と言っていた宏の言葉に、さりげなくお答えして、俺は妹を連れて家の中にっていった。

気付けば夕日はすっかり沈んで、修羅場を演出していたも、次第に暗闇に飲まれていった。

どうやら、お天道様も修羅場の演出を諦めたようだった。

2

リビングに戻ると、學校で椅子に座っているのと大差ない姿で、ソファーに座っていた。

「遅い!何してたの?って妹さん?可い!」

「こんばんはー!剣也の妹の香です。いつもお兄ちゃんがお世話になってます!」

「ったく、見習いなさいよあんたも」

ブーメランになっていることに本人は気付いていないご様子。

「私の名前は皆田 絵里。絵里でいいよ!よろしくね!」

「はい!未來の義姉ちゃん!」

その超問題発言に、絵里は口に含んでいたお茶を吹き出しかけていた。

そしてなんとか飲み込んで、焦った表で言う。

「わ、私は、別にこいつと付き合ってなんかいないよ!」

「では、なぜ義姉ちゃんはこの家に?」

「それは、ね……。って、義姉ちゃんって呼ばないでよ……」

絵里は、今日泊まる経緯を淡々の述べた。

すると妹は納得したのか、

「へぇー、そういう事ですか。分かりました!」

と、極めて普通の回答をしたかと思うと……、

「くれぐれも羽目を外さないようにして下さいね!」

と再び弾発言。

俺と絵里は思わず、

『だから付き合ってない!』

と、息を合わせてんだ。

妹はこれに懲りず、ニヤニヤとして言う。

「ほーら。息ぴったりじゃないですか!お似合いですよぉ」

俺はもう我慢の限界になったので、

「次言ったら、あの男ぶん毆るぞ」

と、出來もしないことを口にした。(背後に剣の王がいるので)

これでさすがに観念したのか、妹は一言、

「はいはい、分かりましたぁ」

と言って、この場を立ち去った。

立ち去った後、言い返すのに疲れた絵里に言った。

「そういや、風呂沸いたからお先にどうぞ」

「じゃ、先にらせてもらうわ。ねぇ、絶対に覗かないでね!」

「覗くかよ」

絵里は、安心た様子で風呂場へと歩いていった。

ようやく開放された俺は、束の間の休憩をすることにした。

3

お風呂にそれぞれがったところで夕食を取ることにした。

まだ親は帰ってきていない。

夜勤なのだろうか……。

「ねぇねぇ」

「ん?」

夕食を食べ終え、2時間ほどテレビを見ていたら、突然絵里が話かけてきた。

「あんたの親帰ってこないの?」

「いや、連絡來てないんだ」

と、俺達が話をしていると、攜帯の著信音がなった。

俺が攜帯を開くと親からメールが屆いていた。

「『ごめん、お父さんもお母さんも朝まで帰らないから』だってよ」

「あんたの親、実はこの家にもういるんじゃないの?」

「かもな」

あまりにもタイミングが良すぎるので、そう疑いたくなる。

「……って、ちょっと……」

絵里は何か嫌なことを思い出したかのような表で、震えた聲で話す。

俺は知っている。

ろくなこと言わないことを。

「親が帰ってこないってことは、2人きり!?」

俺の予想していた通りの容を口にした。

ワナワナした口元。恥ずかしいのか、赤らめた頬。

はぁ、と俺はため息をつく。

「あぁ〜、お前なぁ」

「何?ため息なんてついて……。ってか、しくらい心配したらどうなの!」

「何の心配をするんだ?」

「何のって、今日は私たち2人きり……、あっ……」

「いや、『あっ』じゃねぇよ」

どうやら気づいたようだ。

次は別の理由で、顔を赤くしている。

「お兄ちゃん!絵里さん!寢る所ないからお兄ちゃんの部屋に布団敷いといたから!」

と、ここで忘れられていた張本人がやって來た。

……って、今なんと?

「ありがとうね、香ちゃん……って、ええぇ〜〜〜!」

「おい、いい加減にしろ香。お前、わざとやってるだろ?」

「え、何を?私はただ、將來のご夫婦には同じ部屋で寢てもらおうと思っただけで〜」

『やってやったぜ!』と言わんばかりの悪巧みスマイルで、そう俺にいう。

本當、余計なことしかやらないな、こいつ……。

「ふ、ふふふふふ夫婦だなんて!」

「お前、なんか喜んでねぇか?」

「よよよよよ、喜んでなんてないわよ!」

「喜んでもらえたようで何よりです!」

『喜んでないわ!』

そんな謎のやり取りが続き、気付けば午後9時を知らせる時計のチャイムがなる。

それを聞いてか、香が突然香が出ていこうとする。

そして一度振り返り、

「お兄ちゃん、私もう寢るね!おね、絵里さんもおやすみなさい!」

そう言い殘して、ようやく妹は去っていった。

香ちゃん……。乙なんだね……」

と、彼は疲れきった表で嘆いた。

「そうだな……」

「私達も行こっか。なんか疲れちゃったし……」

「同だ」

香との壯絶なやりとりの末、疲弊しきった俺たちは、いつもより早く寢ることにした。

2階にある俺の部屋は、それなりに広い。

だから2人分寢るのには十分な広さだった。

絵里は何事も話さずに布団にった。

その様子を見て俺は電気を消し、自分自も布団にった。

俺は自分の部屋の微妙な変化に気づいていた。

何やら消臭スプレーの匂いがする。

その上、部屋が綺麗になっていたのだ。

こういう細かい気遣いは出來るくせに……。俺は心の中でそう思った。

目を瞑って30分くらい経っただろうか。

いつもより早い時間だからか、全く眠れなかった。

一度起き上がって、攜帯で時間を確認する。

丁度10時を回ったところだった。

部屋には月のが差し込んでいて、消燈しても完全に暗くなることはない。

俺は再び眠ろうと、を倒し頭を枕に置いた。

そして目を瞑ろうとした時だった……。

「あのさぁ」

聞こえたのは、眠っていたと思っていた絵里の聲だった。

俺は寢転がったまま、絵里の方を見る。

差し込む月ので、すぐ近くにある顔がはっきりと見えていた。

そのあまりの近さに、俺は恥ずかしさを隠せず、頬が紅する。

「な、何だ?」

「もしかして、期待してたの?顔、赤いよ?」

「うるさい……」

夜なのでいつもの聲量では話せない。

絵里は、再び口を開く。

「ごめんね、剣也君……」

今まで聞いたことのない優しい聲。

そして初めて名前で呼ばれた。

両方で俺は、驚きを隠せずにいた。

「親と喧嘩したっていうの……、あれ噓」

香とはまた違った、悪戯な表

それだけではない。何かを違うも含んでいる気がした。

……、何故か俺は、昨日の出來事での蘭華の表を連想した。

絵里はし躊躇いながらも、続けて話す。

「私ね。昔から剣也君の事が好きだった……。だからこういうこと、したんだ……」

俺は、僅か2日の間に2度も告白された。

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