《Waving Life ~波瀾萬丈の日常~》12話 馴染
馴染
1
俺の唯一無二の馴染。
黒髪ロングで腰あたりまでびたの子。
自由気ままの格の中にある優しさが俺を包み込む。
いついかなる時も俺の話を聞いてくれる。
そんな、大事な馴染の話。
中學1年の頃。
俺はあることでを痛めたまま生活をしていた。
小學時代、俺を救ってくれた絵里が転勤で中學校から別になってしまった。
あの時、グレていた俺を救ってくれたその子はいつしか無くてはならない存在になった。
だから初めに居なくなると聞いた時には心が痛かった。
「私ね、中學校からはみんなと一緒のところじゃないんだ…」
「どういうことだ?」
「親が転勤でね、私もついていくことになったの」
涙が不思議と出た。
「って、なんで泣いているの?」
「だって、お前が居なくなるなんて考えてもいなかったからさ。助けてくれたお禮もできてないしな」
彼はその言葉を聞いて笑った。
「え?お禮なんて要らないよ。だってもうお禮は返してもらったし?」
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「な、何のことだ?」
彼にお禮をした覚えなどない。
だとすれば、いったい…。
「!」
「なんだそりゃ…」
2人の間に笑いが起きる。
いつしか、俺の涙は引いていた。
とても優しかった彼と會えなくなり、いつしか心が痛くなっていた。
彼がいたからこそ楽しかった學校生活もいつしか楽しさを失っていった。
でも俺が折れずなんとか耐えられたのは俺の馴染、蘭華がいてくれたから。
2
休みの日、家に帰ると蘭華が遊びに來ていた。
彼の家庭とは親たちの仲がいい関係であるためい頃から親がある。
だから蘭華とは長い付き合いだ。
中學になると、暇があれば俺の家に遊びに來るようになった。
しかしとんだ問題がある。
「お前な、人の部屋荒らすのやめろ!」
彼が家に來ると、真っ先に俺の部屋に行く。
そして本とかお菓子を散らかして自分の家のようにゴロゴロする。
これが何よりも迷だ。
「えぇ、だって剣也遅いし〜」
「いや、早くてもダラダラしてるだろうが!」
「それより、早く遊ぼ!」
「何で?」
「じゃあ、ゲームするか」
俺の持っているゲームというと、カートで速さを競うゲームや武を使ってクエストをクリアするゲームなどいろいろあるが…。
長々と考えた末、カートゲームをすることにした。
しかし、蘭華には大きな問題がある。
「よーい、スタート!ってあれ?後ろ向きに走ってるよ!あ〜、崖から落ちたぁ」
このゲームは昔から何度もやっているはずなのだが…。
そう、彼はゲーム音癡なのだ。
だからこういう競い合うゲームでは必ず俺が勝ってしまう。
「はぁ、お前何度言ったらいいんだよ!アクセルはBボタンだ!」
バックボタンとアクセルボタン間違えてたら駄目だろ。
最近多いぞ、アクセルとブレーキ間違えて事故になるやつ。
「えーっとBボタン…。ってどこ?」
俺が彼の手を取ってボタンを押させる。
「あー、ここにあったのか!」
皆さんに分かりやすいように言っておきますが、AボタンとBボタンとの距離は僅か5ミリです。
そんな近いところにあるのになぜ気付かないのだ…。
本當に蘭華の將來は心配だ。
結局、カートゲームでの対戦結果は32勝0敗。
そして通算対戦績は200戦全勝。
また記録を更新した。
「なんでそんなに強いの?剣也」
「なんでそんなに弱いよ?蘭華」
いくらなんでも勝負にならない。
ちなみに他のゲームでも俺は1度も負けたことは無い。
というか蘭華、初心者にも負けるんじゃないか?
3
蘭華がゲーム音癡なのを改めてじたため次はトランプをすることにした。
人數が足りないので妹を呼んだ。
しかし、トランプにも問題がある。
まぁやりながら説明しますか。
「ババ抜きだね!私ババ!」
「お前、『鬼ごっこのときの私鬼!』みたいに言うな!分かったら意味無いだろ」
「そうなの?」
「いや、それくらい分かるだろ…。はぁ」
そしてババ抜きは始まった。
俺は蘭華のカードから取るのだが蘭華の7枚のカードのうち真ん中だけ浮いている。
恐らくではなく、間違いなくババだ。
こいつの格上裏はないのでそこ以外をとればいい。
左から2番目。
「あ〜、惜しい!」
あ〜、間違いないね。
1回目、右から2番目。
2回目、左から2番目。
両方とも惜しいと言ったので真ん中で間違いないだろう。
そう、つまりトランプも下手なのだ。
というか大抵の勝負事が苦手だ。
次は蘭華がとる番。
「よーし、必殺!2枚取り!」
「いや、そんなルールないよ。それに蘭華ちゃんが不利になって、私が有利になってるいるよ?」
香がもっともなことを言う。
「しまった!」
香も俺も苦笑いをしている。
まぁ、それもそうだろう。
こんな出來事も、もはや日常茶飯事になってしまっていたから。
結局蘭華は全戦全敗。
幾ら何でもこれは…。
でも、本人はかなり元気そうだ。
「次は勝〜つ!」
彼はそう宣言する。
だがそんな宣言にも俺は冷靜に突っ込みをれる。
「次はない」
當たり前だ。
弱すぎて楽しくないからな。
そんな彼と遊ぶ日々は、あの日の出來事をなかったように埋めてくれる。
だから、今もこうして俺は元気でいられる。
でも、もっとゲームが上手ければ…。
そう思う俺だった。
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