《Waving Life ~波瀾萬丈の日常~》23話 唖然失笑

唖然失笑

1

午後6時。

「ふぁ〜!著いたー!」

びをして深呼吸をすると、澄み切った空気がいっぱいに染み渡った。

飛行機で長時間フライトしてようやく到著した。

ここは沖縄。

周り一が海に囲まれた島である。

俺達は空港を出て、宿泊予定のホテルへとタクシーで向かう。

俺は、半彌と蘭華に挾まれながら座っていた。

他の2人はもう1臺の方に乗っている。

それにしても…、

「暑い!」

「剣也、それは當たり前だよ」

蘭華が言葉を返す。

「沖縄がどんな所かくらい知ってるだろ?」

半彌が暑いと言わんばかりに、うちわを扇あおいでいる。

「お前にだけは言われたくねぇよ」

「何でだよ」

「期末考査の番數はどっちが上ですか?」

「それとこれは別の話だ!こういうのは雑學っていうんだよ!」

めんどくせぇ…。

「2人とも!旅行中なんだから、喧嘩は止めてよ!楽しもうよ!」

「わ、悪い」

「ごめん、岸川さん」

2人同時に謝る。

すると彼は微笑んでこういう。

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「ほら、もう見えてきたよ!」

今日から暫く泊まる予定のホテル。

高級が漂っていた。

俺達のタクシーはホテルの玄関前で停まった。

2

『バタン!』

俺達は、タクシーを出て絵里たちと合流し早速ホテルにった。

「そう言えば蘭華、部屋割りってどうなってるんだ?」

「決めてあるよ!えーっと…」

最悪だ…。

俺と半彌。

蘭華と絵里。

そして狹間先輩の3部屋らしいのだが、半彌と一緒というのはかなり嫌である。

こいつの事だから、卑猥なことをしようとでも言い出すに違いない。

「あのー、部屋変えてもらえますか?」

「え?気にらなかった?」

蘭華が不思議に思って質問を返す。

「半彌と一緒なのはの危険をじます」

すると半彌が會話に割り込んでくる。

「は?なんでの危険じるんだよ!」

「『子部屋を覗きに行こうぜ!』とか言いそうだから…」

俺がそういうと子3人の間に沈黙が流れた。

「有り得る…。こいつ、やばそう…」

絵里がそう言葉を放つ。

「げっ!け、健全だから大丈夫だって!」

げっ!って言ってる時點でこいつ、やろうとしてたのバレバレだから…。

「でも、だからこそ剣也に守って貰わないと…」

「はぁ…。気が引けるけど。そういうことなら…」

俺は渋々けて、5人揃ってエレベーターへ向かった。

俺達の部屋は205號室。他の2部屋は3階にある。

俺達は先にエレベーターを降りた。

2人きりになったのを確認して、半彌が愚癡をぶつけてくる。

「剣也!なんで俺の作戦を言うんだよ!」

「いや、適當に言っただけなんだけど…。まさか當たっているとは」

というのは噓で、こいつならやりかねないと確信を持っていた。

「はぁ…」

半彌が溜め息をらす。

「そう落ち込むなって!まだ旅行は始まったばかりだぞ!」

そう勵ましの聲を掛けたが無駄だった。

子の部屋に覗きに行けないなら、もう旅行は終わったも同然だ…」

おい、覗きのために來たのか?お前。

心底、見損なうぞ。

部屋の前に著いて、鍵を開ける。

扉を開くとそこに待っていたのは、いかにもフカフカそうなベットだった。

「イェーイ!」

い子供のようにベットに飛び込むと、半彌も楽しそうな俺を見て、飛び込んできた。

「お前、自分のベットに飛び込めよ!この部屋、ツインだろ?」

「何言ってんだ?ベットは1つしかねぇぞ」

ベットは1つ、ね。そんなわけ…、

はぁ?

おい!なんでツインじゃなくてダブルなんだよ!

こいつと添い寢するなんて、死んでもゴメンだ!

何されるか分かったもんじゃねぇ!

とりあえず一旦冷靜になった俺は、間違いかどうかを確認するため、蘭華に電話をかける。

「もしもし?」

『もしもし、剣也?どうした?』

「この部屋、ツインじゃなくてダブルになってるんだけど、間違いだよな?」

『ツインにしたよ!』

ほら、やっぱりな。

そういう事だと思ったよ。

『あ、ちょっと待って…』

雲行きが怪しくなる。

『ごめん、間違えてダブルにしちゃった…』

終わった…。

「分かった。じゃあな」

俺はすぐに電話を切った。

「なぁ、半彌」

「ん?」

「旅が終わった者同士、楽しもう」

「ん?よく分からないけど、分かった」

俺達は夕食までの短い間、つかの間の休息をとった。

3

午後7時半。

外は暗くなり、夕食の時間となった。

俺達は、夕食のために1階のレストランに向かった。

ここの食事は全てバイキングなので好きなものを好きなだけ食べられる。

1階に降りるとし前に子3人の姿があった。

「蘭華!」

「あぁ、剣也。さっきはごめん」

「いや、間違いはいくらでもあるから。大丈夫だよ!それよりもたくさん食べよう!」

もはや、空元気である。

俺達は、バイキングで適當に食べるものを取って大きなテーブル席に座った。

特に會話は無く、全員黙々と食べる。

食べるものがなくなった俺は席を立った。

しかしこれは表面上の理由に過ぎない。

本當の理由は先輩が席を立って1人で食べをとりに行ったからだ。

先輩に言わないと行けないことがある。

「先輩!」

「あぁ、蔭山か…。そう言えば、君の友達の皆田さんとは仲直りしたようだな。良かったな」

これもまた表面上の事であって、面的には解決していない。

「実はまだ解決には至って無くて…。あの日…」

俺は食べを適當に摘みながら、詳しく説明する。

しかし、最後のご飯エリアを過ぎるとすぐそこに俺達の座っているテーブル席があって話をするのは難しい。

それを思った先輩は話を止めようとする。

「蔭山、この話はまた後で…」

「そうですね…。分かりました」

結局、全ての概要を話すことが出來ずまた席に戻って行った。

夕食が終わった俺達5人はすぐに自分たちの部屋へと戻って行った。

午後9時、長旅で疲れたからだろうか半彌はいびきをかきながら寢ている。

俺も寢ようか…。

そう思った時だった。

『プルル…』

攜帯がなる。

半彌は著信音に気付くことは無く、ぐっすり寢ているので一安心だ。

「もしもし?」

電話の主は蘭華だ。

『私の部屋に來て!話したいから…』

なんだろうか?

俺は、部屋の鍵を持って1つ上の階にある蘭華の部屋へと向かった。

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