《Waving Life ~波瀾萬丈の日常~》29話 新たな課題
新たな課題
1
「それと…」
話し始めてから早くも1時間。
午後9時を回っていた。
半彌の表はさっきまでよりも一層真剣になった。
「お前、優しいよな」
「い、いきなりなんだよ…」
そんなことを突然言われるとこちらも揺してしまう。
思わず微笑んでしまった。
だがその表を見ても、半彌の険しい顔は変わらなかった。
「その優しさが、岸川さんと皆田さんを好きにさせたんだろうな…」
またもや、照れて不気味な笑いを顔に出してしまった。
だが、その次の言葉でその表は一変した。
「ただその優しさは、人を傷つける」
「どういう事だ?」
優しくするということは、人を傷つけ無いためにしているようなもので、起きるはずの無いことのはずだ。
だから俺はその言葉に疑問しか持てなかった。
半彌は続ける。
「事は殘念なことに、全て良い事だけじゃない。いい所があれば必ず悪いこともある。良い事が起きれば、必ず悪いことも起きるんだ。運が良い時もあれば悪い時もある。それは剣也の優しさのことであっても一緒のことだ。剣也の優しさは、普通大抵の人であれば傷つくことのないことであるだろう。悪いことでは決してないはずだ。でも、その普通大抵の人間で無ければ、その優しさはどうじられると思う?」
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「…」
「むしろ邪魔にじるんだ。『俺に口出しするな』、『必要ない』。そういうプライドの高いやつとっては嫌なことになる」
俺は無言で話を真剣に聞いていた。
「その點を頭の中にれておけよ」
「何でそんなことをいきなり言ってくるんだよ」
「それはそのうち分かる。だからそうなった時にはよく考えろよ」
「…」
「悪い、悪い。せっかくの旅行だってのに、重苦しい話してしまったな。明日もあるし、早めに寢るか!」
空気を変えようとした半彌の表はいつもの明るい表だった。
「そうだな。じゃあ、おやすみ」
俺のおやすみに答えることなく、半彌は布団を被って眠りにった。
その様子を確認した上で、電気を消した。
2
電気を消してから30分後。
午後10時を既に回っていた。
俺は未だに眠れずにいた。
新たな問題に頭を悩ませていたからだ。
『優しさは、人を傷つける』
半彌にそう言われた。
本當にそうだとすれば俺はどうすればいいのだろうか。
優しくしなければいいのか。
それとも人によって態度を変えればいいのか。
でも、今の自分には後者はまず不可能に思えた。
そこまで自分が用ではないからだ。
そして前者。
これも不可能だ。
自分のプライドが許さない。
人に優しくない態度。つまり自己中心的な態度は、周りに迷だと知っていたからだ。
ではどうすればいいのだ。
俺は、混しすぎて眠れない自分を落ち著かせるため、今改善すべき問題を整理することにした。
蘭華、絵里。2人に告白されてから2、3ヵ月。
別に付き合ってほしいと言われた訳でもなかった。
でも恐らく、好きという言葉の裏には付き合ってほしいという意味も込められていたはずだ。
2人を同時に幸せにするなど出來ないと半彌に言われた。
全くその通りなのだ。
必ず、どちらかを選ぶかまた別の人を選ぶかをしないといけないのだ。
まず、それが1つ目の問題。
2つ目の問題。
高校に學してすぐのこと。
蘭華に突然留學をすることを告げられた。
俺は、彼の背中を押して上げるべきなのか、それとも止めて一緒にいてしいと伝えるべきなのか悩んでいた。
その事で絵里とも喧嘩した。
そして昨日、絵里と蘭華に直接どうしてしいかを聞くことにした。
でも、蘭華自が本心を伝えてくれるとは限らない。
どうすれば彼の本心を打ち明けられるのか。
それを考えなくてはならなかった。
そして3つ目。
半彌に言われたこと。
『優しさは、人を傷つける』
正直、半彌の言っていることがよく分かっていなかった。
人を傷つけたくない気持ちでやっている事が、人を傷つけてしまうなら意味が無いじゃないか。
じゃあ、どうすれば全ての人を傷つけなくて済むのか。
そしてなぜそんなことを唐突に話したかはいずれ分かると言われた。
そのいずれがいつ來るのか…。
不安でしかない。
この數ヶ月で、出てきた課題。
この世の中、全ていい事で出來ている訳ではないと痛できる。
蘭華からも、絵里からも好きだと言われて最高の瞬間を味わえた。
でもその代償で、互いに衝突もしてしまった。
半彌は言った。
『良い事が起きれば、必ず悪いことも起きる』
人生は、山あれば谷ありという。
つまり半彌の言うことはそういう事なのだろう。
波形の人生グラフは、それを語っている。
人生がいつか終わって振り返ってみる。
そして、その山と谷を綺麗にならしてみるとトータル的にはプラスマイナスゼロなのだ。
では今抱えた課題を解決した後に待っているのは何か。
きっと解決するのに苦しんだ分だけ、楽しみ、喜びが返って來るのだろう。
それを期待してこれからはやっていくしかないのだ。
こうして、気持ちの整理がついた俺はいつしか深い眠りへとついていた。
そして沖縄旅行最終日の朝を迎えた。
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