《Waving Life ~波瀾萬丈の日常~》31話 塵も積もれば山となる

塵も積もれば山となる

1

旅行から帰ってきて數日後。

今日は8月10日。朝9時である。

沖縄から帰ってきてまず第一にじたのは、自分の住んでいる所の心地良さだ。

地獄のような灼熱に曬される心配もなく、ジメジメしない、まさに住むには絶好の所なのだ。

まぁそういう話は置いておいて…。

というか、置かざるを得ない。

今、俺はとても焦っている。

夏休み始まってから1度も手をつけていない宿題が貯まっていたからだ。

うちの學校は、他の學校の宿題よりはるかに多い。

そのため毎日コツコツと進めていかないと新學期までに終わらないのだ。

だがしかし、旅行のことで頭がいっぱいだった俺は『宿題』という2文字を完全に忘れていた。

こんな事では15日にある夏祭りに行けない…。

それくらいの量が今、機の上に積み上げられていた。

俺はやる前に宿題の量を數えてみることにした。

國語の課題が3つ。

數學も3つ。

英語は4つ。

まとめて理科が5つ。

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同じくまとめて社會が5つ。

そして、プラスで読書想文がある。

合計21個。ワーク課題のページ數もかなり多い。

答えを寫してしまえば楽勝じゃないのか?と思うかもしれない。

殘念…。

寫してしまえば、夏休み明けにある宿題テストというもので、答えを寫したということが丸にされてしまう。

という訳で、1學期末の考査で好績を殘した俺は答えを寫すという選択肢を排除して、きちんとやることにした。

が…。

問題1つ1つがそもそも難しくて、解くのにもかなりの時間を費やしてしまう。

それに解答を見ても分からない問題もある。

では、問題です。

分からない問題が多くて捗はかどりません。

答えを寫すことは出來ません。

さぁどうしますか?

…。

答えは、期末考査で好績を殘した自分よりも更に上の人に助けを求めることです。

と、頭の中で自問自答してやることを決めた俺は攜帯を手に取り電話をかけた。

もちろん電話の相手は、學年5位にった蘭華である。

「もしもし?」

『あ、剣也?丁度よかった!一緒に勉強しない?』

「奇遇だなぁ。俺もおうと思っていたところだ」

『じゃあ決まり!今から行くね〜!』

そう勢いよく決めた彼は電話をブチっと切った。

本當に彼の行力には驚きを隠せない。

そして、電話をかけてから30分後に彼は家にやってきたのだった。

2

「おはよー!剣也!」

朝から絶好調の蘭華は、俺の部屋の真ん中に置いてある丸いテーブルの前に座った。

「もしかして、剣也も宿題ノータッチだった?」

も…ということは。

「そうだけど…。蘭華はノータッチなのか?」

「そうだよ。忘れてた、あはは〜」

は困ったというじで苦笑いしている。

気付いている方も多いとは思うが、蘭華は績は良くても馬鹿なのだ…。

まぁ馬鹿な所も彼のいい所ではあるのだが。

「あ、そうだ。この數學の問題教えてしいんだけど…」

「どれどれ?」

こうして勉強會は始まった。

しかし始まって15分後のこと。

「飽きた〜!」

蘭華が背びをしながらぶ。

飽きるの早くないか?

というか、績優秀者がものの15分で勉強に飽きるとは…。

15分で勉強を放り出す人が績いいなんて…。

理不盡にも程がある。

俺は、彼が飽きたのを見て集中力が切れた。

1度リセットするために1階にお茶と菓子を取りに行った。

5分で俺は自分の部屋に戻ってきた。

「お茶持ってきたぞ…って何してんだよ!」

俺が部屋を見渡すと、が散していた。

それをやったであろう張本人は、ベットの下を覗き込んでいる。

「エロ本ないかなぁって思って〜。えへへっ!」

「『えへへっ!』じゃねぇよ!あるわけ…」

ないだろ!って言おうと思ったけど…。

あるんだな〜、それが。

自然と汗が滲み出てくる。

そして焦りが表所に出てくる。

「その慌てぶりはあるんでしょ?」

蘭華は立ち上がり、機の引き出しを引いた。

そして中から出てきたのは、水著寫真集とかグラビア寫真集とか、その他もろもろの雑誌だ。

その中にはエロ本もある。

「や、やめろ〜!」

俺は蘭華から本を取り返そうと蘭華の両手を摑んだ。

そしてそれを振り払おうとした蘭華は足で俺の急所を蹴った。

俺は一瞬でノックアウトされてしまった。

痛い…。

俺が床で寢転がっている間に、蘭華は本のページをめくる。

へぇ〜とか、ふ〜んとか、言いながら本に一通り目を通した。

読み終わった頃には俺の急所の痛みがし引いていた。

だが痛いことには変わりない。

「返せ…」

「うん、良いよー!全部読んだし」

蘭華は元々っていた引き出しの中にエロ本をしまった。

そして、うずくまっている俺を無視して蘭華はテーブルの前に座って勉強を始めた。

どうやら彼にとっては気分転換になったらしい。

鼻歌を歌いながら勉強に取り組んでいる。

一方の俺は痛みのあまり涙を流す始末。

「助けてくれ…」

という俺のびは、蘭華まで屆かなかった。

こうして勉強會は再開された。

ちなみに今回の一件。

エロ本が無ければこういうことは起きなかった。

そもそもこのエロ本、俺のではない。

半彌が、夏休み前に家に來た時のこと。

俺がトイレに行っていた時に、半彌が他の寫真集と一緒に引き出しにこっそり隠したものだ。

まぁちょっとしたイタズラだ。

俺はその事を次の日に知ったのだが、返そうにも學校には持っていけない品だったので、そのまま保留にしておいたのだ。

つまり、全ての原因は半彌にある。

俺は心の中で思った。

『次會ったらボコボコにしてやる』

と。

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