《Waving Life ~波瀾萬丈の日常~》51話 楽しみな約束

楽しみな約束

1

心待ちにしている年に1度のイベント、學校祭。

その準備が始まってから早くももう1ヶ月経とうとしている。

準備は順調に進み、本番待ちという狀態だ。

強いてやることと言えば多の飾り付け作りくらいで、それはクラス子の一部に任せてある。

よってほとんどの人は、ただ心待ちに日々を過ごしているのだ。

それは、俺や蘭華も同じだ。

放課後にやっていた會議も、ここ最近はやっていない。

することがないからだ。

そのため、他の生徒と同じような時間帯に帰れるのだ。

「もう、3日後だね!學校祭」

「そうだな。準備も順調だし當日は思いっきり楽しめそうだ」

「うん、楽しみ!」

楽しみなイベントが間近に迫り、最近の俺は全く落ち著くことが出來ていない。

テンションが上がりっぱなしなのだ。

そのため、調子に乗って階段を3段とばしで降りようとして転けたり、廊下を走ってったりしたが、その事はここだけのだ。

痛かったぁ……。

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そんなどうしようもない俺と同じく蘭華もテンションは上がりっぱなしだ。

いつもより數段高い気がする。

最近、登下校ではほぼ毎回スキップをしている。

楽しみにしているのは、どうも俺だけではないらしい。

「ところで、蘭華」

「どしたの?」

「當日、3日間のうち1日でも空いてる日はあるか?」

俺は學校祭を蘭華と一緒に回ろうと考えていた。

多分初日は模擬店の當番が當たっているから厳しいかもしれないけど、2日目や3日目ならもしかして……と思って彼に聞いたのだ。

「2日目は予定あるけど、3日目は丸1日空いてるよ?」

「お、マジか?」

それを聞いて俺は心から喜んだ。

でも喜び過ぎて、心かられていたのだろうか?

「剣也、表緩みすぎだよ!そ、そんなに嬉しいの?」

と、蘭華に指摘をされた。

どれだけ酷い顔をしているのだろうか?見てみたいものだ。

「嬉しくないわけないだろ?」

「遠回しだなぁ?もっと素直になればいいのに〜」

「嬉しいよ、とても」

俺がそう返すと、次は蘭華がものすごく顔を緩めていた。

いや、緩めていたと言うよりは歪めていたって言うのが正しいかもしれない……。

「わ、私も、剣也と一緒に回れることが嬉しい、よ」

すごく照れている様子だった。

そんな表がすごく可らしい。

「じゃあ、3日目楽しみにしてるぞ!」

下校を始めてからかなり経った。

いつの間にか、いつもの分かれ道に來ていた。

「うん!また明日!」

「あぁ」

こうして俺たちは、學校祭3日目に一緒に回る約束を取り付けたのだった。

2

この日の晝頃のこと。

弁當を半彌と食べていた。

黙々と食べていたが、ある時半彌は俺にこう言った。

「今から桃山さんをいに行ってくる!」

「一何のいだよ?」

すごいやる気だったが、何にうつもりだ?

喫茶店?デート?それともホテル?

最後の選択肢、普通の人なら無いはずだが半彌なら有り得るからなぁ……。

場合によっては、止めなくてはいけなくなるかもしれない。

「學校祭だよ!一緒に回ろうと思って」

「絶対に無理」

そう斷言出來るのには理由がある。

桃山さんは半彌を嫌っているからだ。

というか自分が嫌いにさせたっていう自覚ないのか?

飛行機でナンパしたことが今も尾を引いているなど思ってもいないだろうな……。

まぁ、自業自得だ。

「無理かもしれない。でも可能って0じゃないだろ?」

「まぁ確かに100%無理とは言えないけど……。限りなく0に近いぞ?」

「だとしてもだ。可能がある限り、俺は諦めない!」

「あっ、そう。なら頑張って〜」

俺は適當に流す。

こんな面倒ごとに巻き込まれるのはゴメンだ。

「て、手伝ってくれよ〜!俺1人じゃ無理なんだよ〜!」

「自覚あるのなら大人しく諦めろ」

「諦めたら試合が何とかって言うだろ?」

「お前の場合、その試合すら始まってないじゃないか」

「お前を信頼してるんだよ!」

信頼……。

そう言えばこいつに悪いことしたばかりだったな……。

お詫びをするにはいい機會かもしれない。

それに半彌に借りをつくれるし、一石二鳥か。

ごめんね、桃山さん!事はまた後で話すから!

「分かったよ」

「ホントか?じゃあ、早速行くぞ!」

「ちょ、今かよ……」

俺は半彌に腕を引っ張られ、そのまま1年3組に向かった。

そして著いてすぐに半彌は教室の中にいる桃山さんを呼び出した。

困った顔をした桃山さんが嫌々ながらも教室を出てきた。

「何?私になんか用なの?……、ご、ごめんなさい!蔭山さんがいるとは思わなくて……」

どうやら俺の存在に気付いていなかったみたいだ。

見つけた時の彼はすごく慌てていた。

「いや、いいよ」

「で、用件はなに?」

「一緒に學校祭回ってください!」

「え?」

「俺からも頼む!」

そう俺は言いながら目で、後で話すからと訴える。

多分、それをじ取ったのだろう。

は1度小さなため息をしてからこう言う。

「分かった。3日目でいい?」

「本當ですか?3日目を楽しみにしてます!」

そう言った半彌の顔はこれまでにないほど嬉しさに溢れていた。

それと対照的に、桃山さんの顔には面倒くさそうな気持ちが現れていた。

こうして半彌は、桃山と一緒に回ることになった。

桃山さん、事は今度話すから!ともう1度目で伝えると、お願いしますと言わんばかりに一禮してきた。

俺はそれを見てから、半彌を連れて教室に戻ったのだった。

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