《Waving Life ~波瀾萬丈の日常~》61話 消えた面影
消えた面影
1
學校祭が終わった次の日。つまり10月4日。
あの日以來蘭華と話さなくなり、更に登下校も一緒にしない事にした。
1度、お互いに距離を取るために。
登下校が1人になったため、いつもよりし早く來て勉強する暇ができていた。
普段は見かけないあまり人のいない教室に足を踏みれた。
……。
った途端、その異変に気付いた。
空気が重い。
恐らく原因は、周りの生徒が視線を集めている所にある。
その原因をもった人は、いつもと全く別のオーラを纏っていた。
絵里だ。
いつもとは正反対の人を寄せ付けないオーラは、自然と人を遠ざけていた。
「おはよ!絵里」
いつものように、聲をかけた。
だが返ってきた言葉は挨拶ではなかった。
「へぇ〜。ふったにいつもと同じように挨拶するんだ?」
「絵里?」
彼の口調はいつもと違った。
トゲトゲした一言一言。
優しさに溢れた彼は消え、別人のようだった。
見た目も、いつもの清潔のある彼とはかけ離れていた。
Advertisement
「で、なんか用?」
「いや、挨拶しただけだよ」
「用がないなら、話しかけないでよ?あんたに付き合ってる暇ないからさぁ」
「絵里……。どうしたんだよ?」
あまりの変化が気になって彼にそう問う。
だけど、彼から返ってきたのは質問の答えではなかった。
「うるさいなぁ。用がないなら話しかけるなって言ってるでしょ?」
そう言って、俺のぐらを摑んできた。
さすがの俺も、冷靜を保てなかった。
「なんだよ!説明しないと分かんないだろ!」
「何の説明?」
彼の聲自が既に、別のようだった。
荒っぽくて、低い聲。
「いつもの、優しい絵里はどこに行ったんだよ?」
彼は摑んでいた手を緩めた。
だが俺に対する視線は依然として鋭かった。
「優しい私?何のこと?」
「いつもの絵里だよ!」
「私は私だけど?」
俺たちの激しい口論に、周りの生徒が固唾を飲んで見ている。
だが、俺たちはお構い無しに會話を続ける。
「多分、あんたが言っているのは演技していた私ね。言っとくけど、今までのは全部噓だから」
「噓……」
俺は『噓』という言葉にショックをけていた。
なぜなら、今までの楽しかった思い出は全て偽だったのだから。
泊まりも、沖縄旅行も、夏祭りも、學校祭も……。
彼との思い出は全て、噓。
「だから、これからは何でもない赤の他人って事だから。じゃあね」
そう言って彼は教室を去っていった。
2
「お〜っす!」
「あぁ、おはよ」
聲をかけてきたのは、登校してきた半彌だ。
あの出來事から數分後。
教室にはいつもの雰囲気が戻っていた。
「今日は岸川さんと一緒じゃないのか?」
「いろいろあってな……」
お互いに距離をとるために、登下校を共にすることをやめたのだ。
「もしかして、ふられたとか?」
「……」
「図星?……、ごめん。空気も読まずに……」
「いや、別にふられたわけじゃないけどな……」
「じゃあ、何で元気ないんだよ?」
元気がないのは、絵里が原因だ。
いつもの優しい彼の面影はなく、口調やだしなみもかなり荒かった。
そんな変わり果てた彼を見てショックをけている。
しかし、これを解決しようにも原因を本人から聞き出すことが出來ない。
いったい、どうすればいいのだろうか……。
「おはよう。蔭山君、岡部君」
話に割り込んできたのは、學級委員長の西島だ。
「ごめん、蔭山君。ちょっといいかな?」
彼は俺にそう耳打ちをしてきた。
俺は彼の言う通りに、誰もいない屋上へと出た。
授業開始30分前。
まだ時間には余裕があった。
「どうしたんだよ、西島?」
そう俺が話を切り出すと天気同様、彼の表が曇った。
そして深刻そうなじで話を続ける。
「君はもう皆田さんを見たかい?」
「お前、何か知っているのか?」
彼の口ぶりからして、この件について何か知っている様子だった。
「うん……。だから君には話しておこうと思ってね」
「そうか……」
俺は2人で座っていたベンチから立ち上がり、手すりにを預けた。
そして、ここから見える校門をぼーっと眺めた。
「昨日の事だよ……。夕方祭りが終わった後の話……。彼が僕に話しかけてきたんだ。その時からどこか様子が変だった」
恐らく、今の彼になったのはそれより前なのだろう。
そして彼と最後にあった2日目は、いつもの彼だったので恐らくその間。
「彼が言っていたんだけど、彼は僕達の會話を覗き見していたみたいなんだ。夕方祭りの時の」
夕方祭りの時、校舎裏で話していた。
最初は西島と。そして途中からは蘭華もえて。
「ってことは……」
「ふられたから、彼は今までの自分を否定しているのだと思う。そしてその自分が嫌になった。だからあんな彼になったんだよ。つまり、演じているのは今の彼なんだ……」
ここで俺は重大なミスをしていたことに気づいた。
そう。
絵里には、俺の気持ちを伝えていないこと。
蘭華のことが好きだということを直接彼に言っていない。
そんな大切なことをしていない自分に苛立ちをじて、俺は手すりを拳で叩いた。
そして、俺は言わなくてはならないのだ。
今の彼。今までの絵里でいてしいという気持ちを伝えなくてはならないのだ。
「男のくせに、中途半端なことしてたよ……。ごめん、西島。今から絵里を探しに行くよ」
「ちょっ、蔭山君?」
俺は屋上のり口のドアノブに手をかける。
そして、最後に振り返って一言禮を言った。
「ありがとう、西島!わざわざ言ってくれて!」
そう言ってドアを開け、彼の捜索に向かった。
俺の幼馴染2人がメンヘラとヤンデレすぎる件
幼稚園の時に高橋 雪が適當に描いたナスカの地上絵がメンヘラとヤンデレになってしまう呪いの絵だった。 それからと言うもの何度も殺されかけ雪は呪いのかかった彼女達とは違う中學へ入った。 そしてしばらくの月日が経ち…… 一安心した雪は高校生になり入學式初日を終えようとする。 「……?」 確かに聞き覚えのある聲がしたのだが隣にいた彼女はあったことも見た事もないはずのものすごく美人で綺麗な女性だった。 そして雪は彼女に押し倒されると聞き覚えのある名前を告げられる。 雪の高校生活はどうなってしまうのか!? 彼女たちの呪いは解けるのか!?
8 84甘え上手な彼女
普通の高校生、八重高志(やえたかし)は新學期に入って間もないとある日、同じクラスの宮岡紗彌(みやおかさや)に呼び出される。 「単刀直入に言うけど、付き合って」 「えっと、どこに付き合えば良いの?」 クールで男を寄せ付けない、そんなヒロインが、主人公にだけは甘えまくりの可愛い女の子。 そんなヒロインに主人公はドキドキの連続で毎日が大変に!? クールで甘え上手なヒロイン宮岡紗彌と、いたって普通な高校生八重高志の日常を描いた物語!! 2018年6月16日完結
8 160この美少女達俺の妻らしいけど記憶に無いんだが⋯⋯
「師匠! エルと結婚してください!」 「湊君⋯⋯わ、わわ私を! つつ妻にしてくれない⋯⋯か?」 「湊⋯⋯私は貴方が好き。私と結婚してください」 入學して二週間、高等部一年C組己龍 湊は三人の少女から強烈なアプローチを受けていた。 左の少女は、シルクのような滑らかな黒髪を背中の真ん中ほどまで下げ、前髪を眉毛の上辺りで切り揃えた幼さの殘る無邪気そうな顔、つぶらな瞳をこちらに向けている。 右の少女は、水面に少しの紫を垂らしたかのように淡く儚い淡藤色の髪を肩程の長さに揃え、普段はあまり変化のない整った顔も他の二人の様に真っ赤に染まっている。 真ん中の少女は、太陽の光で煌めく黃金色の髪には全體的に緩やかなウェーブがかかり幻想的で、キリッとした表情も今は何処と無く不安げで可愛らしい。 そんな世の中の男性諸君が聞いたら飛んで庭駆け回るであろう程に幸せな筈なのだが──。 (なんでこんな事になってんだよ⋯⋯) 湊は高鳴ってしまう胸を押さえ、選ぶ事の出來ない難問にため息を一つつくのであった。 十年前、世界各地に突如現れた神からの挑戦狀、浮遊塔の攻略、それを目標に創立された第二空中塔アムラト育成機関、シャガルト學園。 塔を攻略するには、結婚する事での様々な能力の解放、強化が基本である。 そんな學園に高等部から入學した湊はどんな生活を送っていくのか。 強力な異能に、少し殘念なデメリットを兼ね備えた選ばれたアムラト達、そんな彼らはアムラトの、いや人類の目標とも言える塔攻略を目指す。 一癖も二癖もある美少女達に振り回されっぱなしの主人公の物語。
8 103ボクの彼女は頭がおかしい。
「その消しゴム拾ったら、彼氏になってもらうけど大丈夫?」 「へ…?」 ある日突然、パーフェクト美少女に告白された普通すぎる高校生の僕。 クレデレ系(※)ヒロインに振り回される日常を、ゆるゆる描寫のオンパレードでお送りします。 つまりはラブコメです。はい。 ※クレイジー×デレ
8 150家族に売られた令嬢は、化け物公爵の元で溺愛されて幸せです~第二の人生は辺境地でほのぼのスローライフを満喫するので、もう実家には戻りません~
「レーネが売れた! 化け物公爵が娶りたいと言ってきたんだ!」 家族に虐げられていたレーネは、祖母が殘した形見の薬草と共に、化け物と恐れられる獣人、マーベリック公爵の元に嫁ぐことを決意する。 決して不安がないわけではないが、狂気に満ちた笑顔で人の不幸を喜ぶ家族の方が化け物に思えて仕方なかった。 「早く出ていけ。目障りだ」 すでに自分の居場所がないと悟るレーネは、祖母とのある約束を守るため、化け物公爵の元を訪ねる。 しかし、黒い噂が流れる殘虐な公爵様の姿はなく――。 「嬢ちゃん。今は無理せずに休むべきだ」 「無理は良くない、奧方。筋肉が悲鳴を上げている」 屋敷で働く家臣の獣人たちに親切にされ、傷ついた心が癒されていく。 もしかしたら、本當の旦那さまは優しい人かもしれない。 會えない気持ちで思いが募り、妄想という名の戀心が芽生え始めるのだった。 「はぁ~。私の旦那さまはいったいどこに……」 一方その頃、レーネを売り払った家族の元には、なぜか次々に災難が押し寄せてくることになり……? ※この作品は他サイトにも掲載しています。 【無斷転載禁止】小説投稿サイトやYouTubeに載せないでください。
8 153出來損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出來損ないを望む
この世界には魔法が存在する。 そして生まれ持つ適性がある屬性しか使えない。 その屬性は主に6つ。 火・水・風・土・雷・そして……無。 クーリアは伯爵令嬢として生まれた。 貴族は生まれながらに魔力、そして屬性の適性が多いとされている。 そんな中で、クーリアは無屬性の適性しかなかった。 無屬性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。 その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。 だからクーリアは出來損ないと呼ばれた。 そして彼女はその通りの出來損ない……ではなかった。 これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。 そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。 ※←このマークがある話は大體一人稱。 1話辺り800〜2000弱ほど。
8 130