《Waving Life ~波瀾萬丈の日常~》72話 ゲーム大會

ゲーム大會

1

ハロウィンパーティーが始まった。

それぞれ會話に花を咲かせ、かなり盛り上がっていた。

午前10時。

何かイベントでもしようかと考えた時だった。

誰かの攜帯に著信音がなった。

その著信音を聞き、急にこの場所が靜かになった。

「誰の攜帯?」

蘭華がお菓子を口に含みながら聞いた。

「私だ」

先輩の攜帯だったらしい。

先輩は電話をとった。

『もしもし。はい……。はい。そうですけど。今からですか?はい……。分かりました。……後ほどかけ直します』

電話は1分で終わった。

「どんな話だったの?」

と、相変わらず口にお菓子を含んだまま蘭華が聞く。

「口にあるものを飲み込んでから話せよ……」

「は〜い」

先輩は、溜息をついた後に話し始める。

「仕事だよ。渡した書類に間違いがあるかもしれないから確認してほしいと言うことだ。ちょっと家に帰るが、何か買ってこようか?」

折角の休みなのに……。

本當に大変な職業だ。

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「お菓子買ってきて!」

「お前、さっき買ってきただろ?それも持ちきれないくらいの量を」

「足りないよ〜。もうチョコレート無くなりそうだし……」

「チョコばっかり食うからだろ?他のやつも食べろよな」

テーブルに置いてあるのは、大量のチョコの包み紙。

他の種類のお菓子には全く手をつけていない。

「チョコレートでいいんだな?1時間以に帰ってくるから待っててくれ」

「あ、お姉ちゃん。俺も忘れ取りに家に行くよ」

「お前は戻ってこなくてもいい」

「え?」

いや、『え?』じゃねぇよ。

そのまんまの意味だよ。

見てればさっきから妹といちゃいちゃしやがって……。

「じゃあ、私達は行くよ」

そう言って、先輩は宏誠を連れて家を出ていった。

2

先輩たちが出ていってからすぐに、俺はある提案をした。

「ゲーム大會しないか?」

俺は近くにあったテレビゲーム機を指差して言った。

「やろ〜!やろ〜!」

蘭華はやる気満々みたいだ。

あ、でも結果は見えてるから。

は極度のゲーム音癡。

俺にゲームでは1度も勝ったことがない。

恐らく、他の人にも勝てやしないだろう……。

「他の人達は?」

「ゲームか……。やったことないからやりたいな」

そう答えたのは西島だ。

流石、秀才。勉強の鬼。

『他のみんながゲームをしていた間も、勉強してたよ』ってじか?

「俺は賛!皆田さんは?」

「私はいいけど、こいつと一緒のチームとか嫌だよ。敵なら別にいいわ。ボコボコにしてやるから」

「私も絵里ちゃんに賛です」

いやぁ〜。

本當に絵里と桃山さんって半彌のこと嫌いだよなぁ……。

香はやるか?」

「偶數になっちゃうから、私は見てるよ」

「分かった。じゃあ、とりあえずこいつやるからチーム分けするか」

そういって、ゲーム機の隣においてあるソフトケースを手に取った。

そのゲームはレースゲーム。

俺が最も得意としているゲームだ。

「男子対子ってのはどう?」

そう提案したのは、絵里である。

「いいんじゃないか?絵里と桃山さんは半彌と同じチームになりたくないって事だから丁度いいし」

「お前……。さらりと傷口に塩を塗ってくよな……」

「とりあえず、それでいこうか。レースは5レース。総合得點が多いチームの勝ちでいこう」

みんなやる気満々らしく、テンションが上がっている。

その中でも目立つのは蘭華である。

「よし!の子チームを勝利に導くぞ!」

「頼むよ!蘭華ちゃん!」

絵里……。お前は知らないと思うけど、開始3秒で知ることになるよ。

こいつが導くのは、敗北だということを。笑。

「よし、始めるぞ!」

レースの開始3秒前の合図。

2、1、スタート!

さぁ、始まりました!

男子対子の熱き戦い。

まず、先頭を走るのはこの俺!

完璧なコーナリングで2位以降との差をどんどんつけていく〜!

2位を走るのは、絵里。

3位、4位には西島と半彌。

そして、5位は桃山さん。

……。

えーっと、6位は言うまでもないですよね?

6位のカートは、コースを逆走。そしてコース外へと転落……。

本當に開始3秒で、ゲーム音癡がバレてしまった。

「あれ?蘭華ちゃん、このゲーム何度もしたんじゃなかったの?」

桃山さん……。

殘念だけど、ゲームに関しては學習能力ないから……。

きっと世界中のどこを探してもここまで酷いゲーム音癡は居ないだろう。

気を取り直して、現在最終ラップ!

現在1位は、俺。

2位と圧倒的さをつけている。

しかしここで、1位殺しが俺の方へと來た。

おかげで、ゴール直前で2位に転落……。

1位は、絵里だった。

3位は半彌で、4位は桃山さん。5位は西島で……。

6位のカートは、1周もすることがなく強制終了。

ガードレールにぶつかったり、コースアウトしたり、逆走したり、バック走し始めたり……。

俺は先にレースを終え、彼の様子を見ていると本當に酷いものだった。

「まだ、まだ勝てる希はある!」

と、5位の西島がゴールする寸前まで言っていた。

も何も、2周差なんだけどな……。

そして強制終了後、彼は言った。

「惜しい……。あとしで抜かせそうだったのに〜」

抜かせそうに見えた西島は、お前より2周早く走ってるんだよ……。

紙一重どころか、天と地くらいの差はあるよ。

西島と紙一重なのは、勉強だけだろうが……。

その後4レースほぼ、同じじでレースは続き結果発表。

勝ったのは俺達。

1ポイント差の僅差で何とか勝てた。

俺は1レース目以外、全てで1位をとった。

「くっそ〜!もうしだったのにぃ」

と、蘭華が悔しそうに嘆く。

あのね、蘭華。

蘭華が全部ビリでなければ勝てたんだよ?

敗因はあなただからね?

何かやりきったみたいな顔してるけど……。

5レース終わって、もう1度するかどうかで迷っていたら、突然インターホンがなった。

先輩と宏誠が戻ってきたのだ。

宏誠、戻ってくるなって言ったよな?

先輩、宏誠が戻って來て再び全員揃った。

「じゃあ、もう1回男子対子のゲームをしよう!」

そう蘭華が提案し、再び男対抗戦が始まった。

蘭華……。

今回は頑張れよな。

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