《攻略対象外だけど、好きなんです!》3 「は玉子焼きを作る」
 朝食をとりに行くと、すでに両親がいた。
 「おはようございます、お父様、お母様。」
 「おはよう、雪月。」
 「おはようございます、雪月。」
 
 早速だが巨大飛行船に乗るまで、どれくらいの時間があるかを計算するため、お父様に雪月の歳を聞くことにした。
 「ところでお父様。私の歳はいくつでしょうか?」
 「いきなり何を言いだすかと思えば……。雪月はたしかもうすぐ十八になるかな。」
 ということはつまり、十七歳ということになる。ゲーム開始時の年齢は十八歳だったので、あと一年もないのかもしれない。
  以外と時間がないから、頑張らないと。
 「どうして急にそんなことを聞いたんだ?」
 「何でもありませんわ、お父様。ただ……し、気になっただけです。」
 「そう、か。ならいい。」
 あ、危なかった……。次から気をつけよう。怪しまれるかもしれないし。
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 そんなこんなで朝食をすませ、お父様を見送りしてから、自分の部屋に戻った。
 そして、どうやって砂原 隼くんを落とすか考えることにした。
 確か、砂原くんが好きなの子のタイプは、料理上手な可いの子…だった気がする。
 あと、雪月の高圧的な態度を砂原くんは嫌っていたから、奧ゆかしい深窓の令嬢を演じれば、完璧なのではないかな?
 幸い、雪月は両親に高圧的な態度をとっていなかったし、馴染の澄 紬とは以來會っていなかったはずだから、急に格を変えてもバレないし……。
 とにかく、まずは料理上手にならないといけない。
 私は、家の料理人に料理の作り方を習うことにした。
 臺所に行くと、料理人がいた。
 「おや、雪月様ではありませんか。どうされたのですか。」
 「私、料理を習いたくなったのです。教えてくださいませんか?」
 「もちろんいいですよ。ではまず、包丁の使い方から。」
 急なことだったのに、料理人さんは快くOKしてくれた。
 私は前世では基本、コンビニ弁當ばっかりだったから料理はあまりしてなかったけど、しならできる。なので、 包丁の使い方なら、楽勝だ。
 包丁の基本的な使い方をすぐにマスターした私は、次に調理を練習することとなった。
 「そろそろお晝ですし、晝食を作らないと……。雪月様、何か食べたいものはありますか?」
 「そうですね……。私、甘い玉子焼きが食べたいです。」
 実は、私は甘い玉子焼きが大好なんだ。前世でもよく作っていたし。
 また食べられるなんて嬉しいな。
 「甘い玉子焼きですか。簡単ですし、いいですね。それでは準備してきますね。」
 「あ、私も手伝います!」
 「雪月様、ありがとうございます。すごく助かります。それでは、ボールと菜箸を準備していただけますか?ボールはそこの引き出しに、菜箸は、あの戸棚にしまってありますから。それでは私は卵を買ってきます。」
 ふっふっふ。こうしたしの気遣いがモテへの一歩なのだよ?
なんて考えつつ、ボールと菜箸を準備する。
 しばらくして、料理人が戻ってきた。
 両手にはたくさんの卵がある。
 「今朝のとれたての卵だそうです。今日は運が良いですね。雪月様のおかげでしょうか?」
 「そんな、私を喜ばせてもなにも出ませんよ?」
 「本當のことですから。ふふ、では玉子焼きを作りましょうか。」
 そう言って、料理人はフライパンと油と砂糖と塩を準備した。
 塩…?甘い玉子焼きを作るのに必要なのだろうか?
 「雪月様、塩をしだけれると、甘さが引き立って味しいんですよ。」
 私の考えを見抜いたらしい料理人が言った。
 ふむふむ、これは重要だな。覚えておかないと。
 「そうなのですね〜。勉強になります。」
 「お役に立てて、幸いです。……それでは、作りましょうか。」
 前世でよく作っていたこともあり、とても上手にできた。
 すごく味しそうだ。
 「すごく上手にできましたね。これを雪月様が作ったとお出しすれば、奧様もきっと喜ばれますよ。」
 「えへへ。褒めていただけて嬉しいです。」
 「それでは、お味噌や魚の塩焼きと一緒に出しますね。」
 そこには、玉子焼きと一緒にできたての晝食が並んでいた。
 え!?はやっ!……料理人さん、もしかしてエスパー?
「なんだか良い匂いがしますね。……玉子焼きかしら?」
 気がつくと、いつの間にかお母様が席に座っていた。
「あら、雪月もいらしていたのね。匂いにつられたの?…なんてね。うふふ。じゃあ料理人さん、私達は晝食をさせていただくわ。」
「かしこまりました。それでは雪月様、こちらにお掛けになってください。」
 料理人さんが椅子を引いてくれる。
 「ありがとうございます。……では、いただきます!」
 「いただきます。」
 まずはこの玉子焼きから。ぱくっ。……味しい。
「この玉子焼き、いつもとし違う気がするけど……」
 ギクッ……不味かったのかな?私は味しいと思ったけど、お母様、舌がえてるかもしれないし……。
「実はそれ、私が作ったのですが、お口に合いませんでしたか?」
「まあ、雪月が?逆よ、とても味しいわ!…また、作ってちょうだいね。」
 「お母様に褒めていただけるなんて、嬉しいです。はい、また作ります!」
 「それにしても、雪月様、とても上手でしたね〜!もしかしたら才能があるのかもしれません。」
 「いえいえ、たまたまですよ。でも、また、お料理を教えていただきたいです。」
 「もちろんです。才能のある雪月様にお教えできるなんて栄です。」
 「それでは、明日、またきますね。ありがとうございました。」
 「はい、お待ちしております。ではまた。」
 
 
 
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