《攻略対象外だけど、好きなんです!》小話 澄 紬視點
前回出てきた、二人の“願掛け”の話です。
君は、僕のことを全然わかってない。
僕にとって、君がどれほど大きな存在か。
何度も忘れようとした。
會わなければ、忘れられると思ってた。
嫌いにもなろうとした。
僕を苦しめる君を。
心の中で悪人のように罵ったこともある。 
(でも……駄目だったんだよ。
何度やっても。)
數年ぶりに會ったとき、別人のように格が変わっていれば良かったのに。
それなら、あの頃の君はいないんだって思えたのに。
久しぶりに會った君は、子供のときから全然変わらなくて。
優しくて、いつも誰かのことを気にかける。
彼が笑うと、とても眩しくて…思わず目を細めてしまう。
子供のころ……あれは、そう。僕が未來予知の力に目覚めたときだ。
 最初に見た未來予知は……
『僕が、好きな子を守って死ぬ』こと。
未來の僕にはとても大事な人がいた。
あの熱は今でも心に焼きついている。
何にも代えがたいと思うほど、その人をしていた。
という言葉さえ知らない年だったけれど、自分が幸せだったことだけは分かった。
自分以上に大切だと思える人に出會えることは奇跡に近い。
そんな奇跡を守り、心からした人をかばって未來の僕は死んだ。
その事実を知ったとき、
彼はーーー雪月は、酷く泣いた。
太を砕いたような、悲しい夕空の下で小さなを震わせる姿は、
十年近くたった今も、時折ちらついた。
以來僕らの間には、が存在している。
近づけば奈落に墮ちる、深い深いだ。
墮ちたらもう、戻ることができない。 
《安心してよ、ぼく、本當に誰も好きにならないから。》
誰のことも好きにならなければ、死なずに済む。
僕の能力は不完全だったけど、それだけははっきりと分かった。
だから僕は何度も同じ言葉を繰り返した。
誰も好きにならない。誰のことも、さない。
あの時じた熱は、幻のものにする。
(でも、やっぱり無理みたい。
久しぶりに會った君は、変わっていなくて。
僕のために、“願掛け”なんてしてくれる、優しいの子。
無邪気に笑う姿は、とても眩しい。
僕じゃ、君のことを幸せに出來ないけど……でも、それでもいい。それでもいから。
 君が誰かを選ぶまで、君の側で見守らせてしい。)
 たとえ僕が、死んでしまうのだとしても。
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