《攻略対象外だけど、好きなんです!》19 「カタバミ」

 翌日。

「それで、大きな被害は二階だけかな。それ以外の所はどうだろう?」

 砂原くんはの聲かけで、みんなが集まった。

 どうやら、被害狀況の確認をするらしい。

「揺れのせいで、多部屋のが落ちた程度だろう。」

「……僕の部屋のドア……」

 あー…。

 そういえば、緑川くんの部屋の前を通ったとき、部屋のドア、壊れてたな。

 どうしたんだろう、と思ってたらそういうことだったのか。

 「…………。」

 あ、東くんが意味深にうつむいた。

 東くん……。壊しちゃったの君なのね。

「なんだよ、どうかしたのか?」

「いえ…何でもありません……」

「?まぁとにかくさ、現狀確認ってやつしなきゃだよな。もしかしたら二階以外にもヤバイところあるかもだし。」

 昨日ちらっと見たじではなかったけど……。

 もしかしたら、ってこともあるしね。

「このことは『世界』には報告済みなのか?」

「ああ。々で処理されるよう命じられている。」

「面倒ごとは持ち込むな、ってことか。くそ……!」

「攻撃してきたやつは、どんなやつだった?」

「はい……。若い男の人で……白い髪に、青い瞳でした。」

「能力者ではないんだよね?」

「確証はありませんが……銃、というカラクリを使っていました。あれは私達の能力とは異なるものだと思います。」

「そうか。じゃあ、二手に別れようか。二階の修繕とそれ以外の被害狀況の確認。俺と和樹のチームは修繕を引きけるよ。太一のチームには、船全を見回ってもらいたい。」

「わかりました!」

「あー、それと。分かっていると思うけど、今は急事態。勝手な行は厳だからね。」

「りょーかい。じゃ、早速行開始だな!」

 というわけで、今から船の修繕をすることになりました。

 と言っても、何もすることがありません。

 力仕事は出來ないし……。

 結界は昨日ったし……。

「雪月、どうしたの?」

「あ、紬様……!私、何をすれば良いか、考えていたんです。」

「雪月は病みあがりなんだし、何もしなくていいんじゃない?……あ……。」

「これは酷いですね……。」

 壁には大きなが空いていた。

 から下を覗くと、雲が見える。

 を押されると、ここから落ちてしまいそうだ。

「ふぅ。いい風だね〜!」

 こんなときでも笑っていられる神楽くんはすごいよ、ほんと…。

「何のん気なこと言ってるのよ。これじゃ修繕なんてできっこないわよ!」

 日梨ちゃんはそう言って深くため息をついた。

「うーん。とりあえず、応急処置しようか。」

「応急処置……?」

 砂原くん、何するんだろう?

 すると、一瞬緑り、大きながみるみるツタでふさがれて行く。

 応急処置って、そういうことか。

 襲撃された時はよく見れなかったけど、砂原くんの能力って、緑をる能力なんだよね。

 うーむ、目の保養!!

「……?雪月、どうかした?」

「い、いえ。砂原くんの能力って、緑をる能力なんですよね。」

 いきなり砂原くんに顔をのぞかれたから驚いた。

 さっき私、変な顔してたらどうしよう…?

「うーん、正確に言うと、緑を生みだす能力かな。」

「生みだす、ですか?」

「頭の中で考えるんだ。カタバミ。小さくて可い花だ。君は何が好き?」

「そうですね…黃、です。」

 だって砂原くんのイメージカラーなんだもん!

「黃、いいね。俺も好きだよ。……黃のカタバミ。」

 そういうと、砂原くんは目を閉じ、そっと土に手をかざした。

 すると、さっきのように緑ると、次の瞬間には可らしい黃の花が咲いた。

「…………!」

「こんな風に、俺は想像したものを形にすることができる。植だけ、だけどね。」

「…砂原くんの能力はとても素敵ですね……!」

「そう?喜んでもらえたなら嬉しいよ。」

 

    人が読んでいる<攻略対象外だけど、好きなんです!>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください