《君を失った世界》同じ
──あえ……夢か……?
    キョトンとしたまま目が覚める。いや、あれは夢じゃない。絶対に夢じゃない。だって、確かにこのでじた。あの暖か……って!何を言っているのだ私は!! バカかバカか!!
真っ赤な顔をもそもそと覆い、バタバタする。それは流石に新鮮だった。それに男……で初めて……だったし。まず親以外に抱きしめられるなんてそりゃあ無いはずだ。そもそも小さい時の記憶なんてないし、そっからはもう病院に居たし。病院でそんなことはないはずだし。
「とりあえず……恥ずかし……。」
彼はどんな思いでいたのだろう。なんで私なんかを……。
なんて考えつつ廊下に出る。
流石にこんな早朝に人はたくさん出りはしていない。小腹がすいたのでエスカレーターで下の階に降りる。
「なに食べようかなー……。」
1人でブツブツ言いながらお菓子を選んでいた。ふと、彼が私を助けてくれるなんて事を思い出した。
「が見えるようになったら……こんなお菓子の袋も鮮やかに見えるのかな。コンビニの中の鮮やかなも見えるのかな。」
「見えるよ。とってもきれいだと思う。」
「そうよね……ん?」
簡単に返事を返したが誰だ?と不思議に思うと同時に彼の顔と聲が浮かんだ。そしてそれと同時に、顔の火照ほてりも。
「ん?なーに?」
「あ、いや、なんでもないです。」
もう彼だと分かっているのであえて顔は橫向きで、こんか顔は見せないようにする。
「俺さ、お腹、空いちゃって。もしかして天乃さんもですか?」
「あ、はい。そうです。」
同じ事を考えていたんだなぁと、思いつつササッとお菓子を選びレジに並ぶ。
「あ、同じやつだ。えへへ、お揃いですね。」
「ふふ、そうですね。」
お揃い、なんて言う可さは彼のじににぴったりだ。きっと病院にる前の學校ではモッテモテだったんだろうな、なんて軽く僻ひがむ。
袋はお斷りしコンビニを出る。
「あの、好きな、とかありますか?」
「あー、好きな。小さい時は青が好きでした。」
「そっかぁ……僕は緑が好きでした。今は、オレンジ!」
「ふぅーん。」
なぜか口元がゆるんでしまう。彼と話しているととても楽しい。このまま部屋につかなければ良いのにな、という私の願いは振り払われ、すぐに私の病室につく。
「ごめんなさい、ここ、なんです。それじゃあ。」
「あ……早かったなぁ。もうし……。」
もうし……?もうしと言ったか?
「……え?」
「いえ。それじゃあ、また後で。」
「はい。それじゃあ。」
彼は爽やかな笑顔で會釈えしゃくし自分の病室の方面らしい方に歩いてゆく。後ろ姿もなにかかっこいい。
見送ってから自分の部屋に戻る。
ギシギシッと音を立てつつベットに座ってお菓子を食べ始める。
「おいし。」
サクサク音を立てて食べながら考える。
彼は、どんな病気なのだろう。外観的傷は無いからきっと面だろう。がんとかかな、と思いつつパタン、と寢転がる。
「彼は。きっと一生懸命生きようとしている。それに比べ私はどうだろうか。」
こんな自分が嫌になってくる。
今日はいい日か……悪い日か……全く分からないな。
そんな1日が始まった。
………to be continued.
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