験學習が終わると、暫く自由時間になった。念の為、絆創膏をっておこうと思って、私は莉結とトイレに來た。

……やっぱりまだ子トイレにるというのは抵抗があるけど。

「はいっ、多めに渡しとくね」

    莉結から絆創膏をもらって個室にると、私は服をたくし上げ、自分の可らしい丘に二つバッテンを付けた。

そして、"応急処置"を終えた私が扉を開けると、何故か背中を向けて立っている莉結が居た。すると、莉結は上半を捻って私の方に向けると、腕を高く掲げ、ウィンクをしながら気持ちの悪いデレデレとした笑みを浮かべた。

「ねぇ、馬鹿にしてんの？」

無表のままに私が言うと、莉結は「可かったんだもん！　さっきの瑠っ」と私の頬に指を當てた。

「だから苦の策だったんだって……もういいじゃん。ていうか自由時間なんだからどっか散策でも行こうよ」

「ごめんごめんっ！　そうだねっ、せっかく來たんだから自然を満喫しよっ」

    そうして私達は建の外に出た。辺りは森に囲まれ、木々の香りが混ざった爽やかな風が吹いている。

目を瞑って小鳥の囀りや木々の葉音を聞いていたら、「あそこの見晴らしの良さそうなとこまで行ってみようよ」と莉結が私の手を取った。

「さっ、行こっ」

    そう言って普通に歩き出した莉結に、握られた手を見つめながら私は小さな聲で言った。

「手握るなんて恥ずかしいよ」

すると莉結はニコッと微笑んでこう言った。

「の子は普通なのっ」

    そう言った莉結の笑顔が私のをぐっと締め付けた気がした。それは今までにじた事の無い覚で……その気持ちに戸った私は、小さく頷いて、黙ったまま莉結の背に靡く髪を追った。

莉結の髪がふわりとしてから纏まると、私達の立った小高い丘から山下に広がる街並みがり輝いて見えた。その遙か上空には、まるで私達みたいに連なって、ゆっくりと円を描いて飛んでいる鳶の姿も見える。そして、その鳶たちの鳴く聲に重なる様に、莉結は子供みたいな歓聲をあげた。

「うわぁっ、凄い綺麗っ！　ここってこんな高かったんだねっ」

私は、そう言って瞳を輝かせて遠くを見つめている莉結を見つめていた。なんか……昔に戻ったみたいだな、って。最近じゃ莉結もいつの間にか大人になったんだな、なんて思う事が多かったけど、やっぱり何にも変わってないや。

私は自然と頬が緩み、肩の力がすぅっと抜けた気がした。久しぶりな、が軽い覚……なんかいい。

「ねぇ莉結ちゃん、座ろっ」

私がそう言うと、何故か莉結は一瞬驚いた表をして、満面の笑みで「そうだねっ瑠ちゃんっ」と言った。

二人でらかな芝生の上に腰を下ろすと、ひんやりとしたがおに伝わってくる。すると、水平線を見つめていた私の肩に、らかな重みが伝わった。

同時に鼻に運ばれてくるのは淡いシャンプーの香り。

    ……誰かに見られるかもしれない、なんて思ったけど、すぐにそんな思いは風に乗って飛んでいった。

    ……だって、別に見られてもいいじゃん、なんだもん。