《本日は転ナリ。》After Story…My Dearest.59
そして、私がロビーを通過した時だった。視界の端に映った見覚えのある人影に私の足が止まる。
「やっぱり瑠は気付いてくれたわね」
    その聲の先を見ると、椅子に座ったリヴィが私を見て微笑んでいた。
「何しに來たの?」
私が表を変えずにそう尋ねると、「隨分冷たいじゃない」と言いながらリヴィは立ち上がり、私の前へと歩み寄った。
「……何かあったの?」
また変な事を言ってくると思っていたのに、意外な言葉だった。
それでも私は素っ気なく答える。
「別に……ただの風邪」
すると、リヴィは私の橫に回り込み、私の肩にそっと手を置くと、耳元でこう囁いた。
「そう……私はね、瑠が休みだって聞いて心配になって家に行ったの。そしたら家にも居なかったから急いでここに來てみたって訳」
「何で? そんなに私を見張りたいの?」
「意味は合っているかもね。だけど私は瑠が心配なだけ。だってあなたは私の…….」
「パートナー」
    私の言葉に一瞬驚いたような顔をしたリヴィは、すぐに微笑んで「そうね」といった。そして私は真剣な表のままリヴィの腕を摑んで真っ直ぐにその瞳を見つめて言った。
「ねぇ、パートナーって何? リヴィは私の何を知ってるの? 本當に私の事が好きって思ってるの? 何で莉結を困らせるの?」
    するとリヴィから笑みが消え、私が摑んだ反対の手を、そっと私の手に添えて囁くように口を開いた。
「私は知っているわ、如月瑠の事。貴が知らない事もね。でも、私はずっと瑠に會いたかった……い頃からずっと。彼を困らせる気は無いけど、仕方が無いの。分かって」
「分からないよ……そんな事」
    リヴィが見せた悲しげな瞳に、それ以上私は何も言えなかった。
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