《とある腐子が乙ゲームの當て馬役に転生してしまった話》私は噓がつけないらしいです
♢ ♢ ♢
ルーク・ウォーカー。
「Magic Engage」における第2の攻略対象。
魔力屬は、破壊力抜群の風。外見は、深い夜のような漆黒に、燃えるような紅の瞳。
妖艶すぎる容貌は、人々を魅了する。
一方で、莫大な魔力を持っており、その気になれば、街を破壊することができるため、の頃から、畏怖を込めて「悪魔の子」として、恐れられている。
特に、聖職者である父からは疎まれ、を知らないまま育つ。そして、他人からも腫れを扱うように接せられる。そのため、誰からも自分は必要としていないし、自分も誰も必要としていない。
フィアーバ國立學校にる頃には、すっかり格がねじ曲がってしまい、自分の素を知らない令嬢を自分の虜にしては捨てていた。
そんなすさんだ日々を送っていた頃に、ヒロインに出會うのである。確か広すぎる學園にヒロインが迷子になっていたところに聲をかけ、接點を持つのだ。天真爛漫で、「悪魔の子」として恐れられている自分にも分け隔てなく、明るく接するヒロインに、彼は次第に惹かれていくのだ。孤獨しか知らなかった彼が、誰かをすることを知っていく話でもあり、ハンカチなしには読めない。死ぬ間際、ハース・ルイスの名前を力していたが、「腹黒騎士」との掛け算、尊かったです。…と、ごほん。まぁ、それは置いといて。
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で、私、アリア・マーベルは、ルーク・ウォーカールートにおいても、ハース・ルイスルート同様當て馬キャラである。確か、アリア・マーベルとの出會いは、古びた教會だ。街に來ていたアリア・マーベルは、迷子になってしまい、古びた教會にたどり著くのだ。そこで、ルーク・ウォーカーを初めて見るのだ。あまりのしさに、一目惚れ。
おいおい、アリア・マーベル、どんだけ一目惚れすればいいんだ。アリア・マーベル、惚れっぽすぎる。単純なだな、おい。
…まぁ、アリア・マーベルは、私なのだが。
そして、どうにかルーク・ウォーカーに興味を引いてほしいと思った彼は、翌週も教會に足を運び、そのときにとある事件に巻き込まれ、ルーク・ウォーカーに心に深い傷を負わすのだ。そうとは知らないアリア・マーベルは、フィアーバ國立學校でも、彼に付きまとう。むしろ、彼は、その事件で、彼に負い目を負わし、事あるごとに、それを彼に言うのである。それが、彼を孤獨に走らせているとは知らずに。
…ただね、この事件、どんな事件だったかは忘れた。誰も、アリア・マーベルの出會いエピソードとか興味ないでしょ、うん。
で、もちろん、このルーク・ウォーカーのルートでも、ルーク・ウォーカーとヒロインとの仲を引き裂こうとする。
そうした結果、いろいろな悪事がバレてしまうのだ。
つまりは、退學エンド。
殘念、さよなら、私の學園ライフ!!!!
…とは、絶対になってほしくないので、そこはぜひとも回避したい。
ハース・ルイス同様出會いイベントを避けるか…?
…でも、話を聞いてしまった以上、どうにかしてあげたいという気持ちもある。
けど、まだ出會ってないし…。
「ま、會えたら會えたで、そのときに考えよう」
しかし、教會で綺麗な年に出會う…ね。
っていうか、今日、私もそれやったわ。
教會で出會ったダーク。彼もとても綺麗な顔立ちをしていた。
綺麗な漆黒の黒髪で、深紅の瞳の彼。
「…名前が違うし、気のせいよね」
それにあのゲームの中の、ルーク・ウォーカーはもっと自信満々で、気がとにかくすごかったし。
まぁ、偶然ってあるものね。
「次にまた會うのが楽しみだわ!!」
いい出會いをしたわ!なんて、思いながら、私は眠りについた。
♢ ♢ ♢
次の週の同じ日、私は、同じように街へやってきていた。
「今日こそは、アリア、あなたの傍を離れませんから」
「…しくらい離れても大丈夫ですわよ」
「私が、あなたの傍にいたいのです」
「…えっと、ありがとうございます?」
前回と同様に、ハース・ルイスを伴って。
「けれど、ハース様?本日は、來られないのではなかったのですか?」
そう、昨日來た際に、明日は來れないと言っていたのだ。
どうしても、外せない公務があるとか言っていたはずだ。まだ、14歳なのに、公務とかあるとか、さすが、騎士の家系だなとさえ思った。正直、ハース・ルイスが來たらどう理由をつけて、ダークのところに行くかを考えていたので、ラッキーだわなんて思ったりもしていた。
けれども、いざ街へ出かける準備をして馬車に乗り込んでいると、「どこへ出かけるんですか?」と聲をかけられニコニコしながら近づいてきたもんだから、幻でも見ているのかと思い、思わず目をこすってしまった。
「いえ、昨日、どこか邪なことを考えていたようですが、私が來れないといったときに、目のが変わりましたから、気になりまして」
“奧の手を使って、公務を抜けてきました”と何のこともないように笑うハース・ルイス。
しかし、なんだろう?一瞬、黒い何かが見えたような気がした。れない方がいい気がする。
「はて、何のことでしょう?」
「いえ、私の気のせいならいいのです」
私がとぼけるとハース・ルイスは、涼しい顔で言う。
くっ…、絶対バレてる…。
ダークと約束の時間が迫っていた。前世のように攜帯があれば、時間変更なんてすぐできるのに。まぁ、ないものねだりは仕方がない。正直に、話そう。
「えっと…、ハース様、本日、実は、私、約束がありますの」
「では、私もお供しましょう」
「ハース様も、せっかく街へ來たのですから、私の用事に付き合わせるのは申し訳ないですわ」
「私の用事はあなたと一緒にいることです。そのために、公務も抜けてきたんですから」
駄目だ。一歩も引かない。引かないどころか、逆に言い含められかけられている。
「私がいては、ダメなのですか?」
そして、ダメ押しの一言。おまけに、悲しそうな表まで浮かべている。
う…、なんだろう。すごい、罪悪。
「ダメというわけではなくて…、ですね」
「では、ご一緒させていただくことは、問題ないですね」
思わず焦ると間髪れずに彼はにっこり笑う。まるで、念を押すように。
あれ?もしかして、騙された?しかも、今、言質まで取られた?
「いえ、時間がもったいないですから、ハース様は、どうぞ、街を散策でもしててください」
「散策なら、アリアとしたほうが楽しいですから、待っていますよ」
何を言ってもニコニコと返される。
私は、あなたと一緒に出かけるのは嫌いじゃないけれど、退學フラグの立たないダークと話をしたいだけなのに!! 
「ダークと話す約束をしているだけなので」
心の中で思ったことが、つい口に出てしまった。
「…ダーク?」
「…あ」
やってしまった。
「詳しく話をお聞かせ願えますか?」
ついに尾を摑んだとばかりに、彼はにっこり笑う。
「…えっと…」
逃げ道がないとは、このことか。
どうも、私は噓がつけないらしい。
♢ ♢ ♢
「ここですか?」
「はい」
結局、ハース・ルイスの巧みな話で、私はすべてを話してしまった。
先日、迷子になって、古い教會に行ったこと。そこで出會ったダークのこと。
くぅ…。せっかく、羽をばせて、お話できると思ったのに。
まぁ、ダークも、同年代の男の子とも話せるわけだし、悪いことではない。
目の前に建っているのは、古びた教會。前回來た時の、記憶を頼りに歩いてきたけれど、なにぶん道が複雑で、予定よりもだいぶ遅れてしまった。決して、私が方向音癡なわけではない。
ダークに申し訳ないことをしたなと思い、待たせてごめんねとすぐに謝ろうと心に誓う。
優しいダークのことだ。すぐに許してくれるに違いない。
ふと隣に立っているハース・ルイスを見れば、「…確か、ここは…」といって、なぜだか難しそうな顔をしていた。
「どうしました?」
「…いえ。アリアと會った年は、ここの教會の聖職者の子息だったんですよね」
「えぇ」
「…そして、名前がダーク…?」
何事か考えるようにして、合點がいっていないような表を浮かべる。
「とりあえず、中に」
“りましょう”そう言いかけて歩き出した瞬間
「…何!?」
バリンバリンと立て続けに何かが割れる音がした。
「…ステンドグラスが…!?」
音がする方を見れば、古びた教會の窓ガラスが次々に割れていく。
「アリア!待ってください、危ないです!!」
ハース・ルイスの制止も聞かず私は駆け出して、教會の扉へ全力で走る。
「ダーク!!!!」
彼の名前を呼びながら。バン!と木製の扉を開けば、教會の中にステンドグラスの破片が舞い落ちていて、何とも幻想的が広がっていた。
息を切らせて、教會の中を見渡せば、教會の中央、そこに私が探していた人が、ゆらりと佇んでいた。まぎれもなく、ダークだ。彼の前には、神父の格好をした男が一人、黙って彼を見ていた。
「…ダーク!!!!」
「…アリア…」
私が、彼の名前を呼べば、まるで、すべてに絶したかのような緋の瞳と目が合った。
後は野となれご令嬢!〜悪役令嬢である妹が婚約破棄されたとばっちりを受けて我が家が沒落したので、わたしは森でサバイバルすることにしました。〜
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