《右目を無くした年ののお話》男子高校生の日常(家)

學校から出て家路を歩いていると

また、あの桜の前に來た

「やっぱり綺麗だよな」

その荘厳さは今まで見てきた何よりも

しかった

この木が樹齢何年かは知らないが

數多の戦爭を乗り越えてきたような

貫祿に近いものをじさせる

寫真を撮ることも考えたが

撮るとこのしさが

廃れてしまうのではと思うと撮る気にならなかった

「ただいま」

返事が無いため親は出掛けているようだ

階段を登り部屋に

そして、自分のパソコンを開き

メールを確認する

「今日も0通か、んだ事とは言え

やっぱり友達いねぇなぁ俺」

─別に寂しいわけではない

─居たら居たでめんどくさいだけだ

そう、自分に信じこませ

ベッドへダイブする

「気持ちぃ~」

學校では、暗いキャラクターでいるだけで

家では普通の男子高校生だ

ベッドに転がったまま近くにあった漫畫をとる

最近はまった本で、近々アニメ化するらしい

その前に読んで通だと思われたいので

読み始めた

暫くすると母親が帰ってきたため

飯を食べ、また本を読む

そして、一日が終わった

    人が読んでいる<右目を無くした少年の戀のお話>
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