《右目を無くした年ののお話》男子高校生の放課後

部屋に鳴り響く電子音に起こされて

一日が始まる 

制服に著替えて一階へ降りる

「おはよう!」

いつもと変わらない

とても幸せな気分になる

「おはよう」

言葉なに朝飯を食べ

學校へ向かう

そして、あの桜の木の前に再び立つ

「本っ當に綺麗だよなぁ

花が散るのが勿ないな」

小さな聲で呟く、昨日も桜の雨を降らせていたのに

花が無くならず、風に揺れ変わらず

桜を降らせている

「さて、行くか」

學校へ向けて足を進める

そして、學校について始業まで本を読む

「今日は何を読んでるの?」

またかぁ…昨日もそうだけど

妙に話しかけてくるなぁ…

「昨日と変わらない本だよ」

そっけなく答える

「そっか~どういう本なの?」

食いついてくるのかよ…

俺ならこんなやつ話そうともしないんだけどな

「世界が終わる10日間の話だよ」

ため息混じりに言うと

「へぇ~!面白そうな本だね!」

と、明るい聲で返事をした

「じゃあ、ドロンするから

ゆっくり読書を楽しんでね」

と、付け加えるように言って立ち去っていき

教室から出ていった

(変な人だな)

そう思いつつ本を読み進める

午前中に學校が終わり

帰り道、し駅まで行き本屋に寄ろうと思ったため

いつもとはちがう道を歩いていた

商店街を抜けて古本屋へと

「おっちゃん!いる~?」

學校とは比べにならない元気な聲で

店の店主を呼ぶと

「すいません!今、腰を悪くしてて……ってあれ?」

店に見たことないの子がいた

「あ、そうですか、すいません」

踵を返し帰ろうとすると

「咲宮くんだよね?」

──え?

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