《右目を無くした年ののお話》実行
京極に頼まれ例の子へと向かい
「話があるんだ、今日の放課後校舎裏に來てくれ」
と、言うと
「えっ、あっ、あの─」
アイツは何か言いたげにしながら
顔を真っ赤にした
回りもざわついている
──そうか、確かに誤解があったな
「大事な用事があるから校舎裏に來てくれ」 
よし、これで完璧だ
「────!?」
辺りがどっと五月蝿くなった
席に戻ると
「お前、それは無ぇわ」
と、京極が囁いてきた
そして、放課後
「さて、帰るか」
準備を終えて、いざ帰ろうとした時
「あ、あの!」
と、知らない子が話しかけてきた
「何?用事があるから帰りたいんだけど」
特に用事はないが早く帰りたかったから
適當に言った
「───っ!で、ですよね!」
そう言ってその子は小走りで走り去っていった
次の日、アイツは朝俺にまとわりつく事は無かった
京極は目を真っ赤にしてきた
「よう、咲宮」
「おう」
「一発、毆らせろ」
「斷る」
朝から聲をかけられたと思ったら
「お前のせいだぁぁぁぁぁぁ!」
そう言ってぐらをつかみ前後に揺らしてくる
「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
その手を振り切り走って逃げ出す
「ちょっと待てぇぇぇぇぇぇ!」
「斷る!」
朝から學校走るって何なんだよ…
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