《右目を無くした年ののお話》育祭當日
「宣誓!我々、選手一同は───」
次の日、朝からいきなり京極が家に來て
學校へと連れていかれた
『それでは開會式を終わります』
司會者のその聲で辺りがざわつく
そして、春斗は己の心にある思いを吐き出す
「真剣に帰りたい──」
死んだ魚のような目をしてそう言った
「ここまで來たんだ、諦めろよ」
京極がそう言うが
「お前のせいだァァァァァ!」
「落ち著けって!首を狙うな!」
─プログラム0番─
≪鬼ごっこ≫
「もう、運したくない」
「何か凄い既視があるんだが…」
走り回って疲れ果てた京極と春斗が
ベンチに座っていると
「その時とは気迫と立場が違うけどね」
と、名代が言った
「あ?あんときか」
京極はわかったようだが
俺には何の話か分からない
「その時にお前に會ったか?」
春斗がそう聞くと
「ホントに人の事を覚えないね~」
ため息混じりに名代がそう言った
「あんたが京極から逃げてるときに
放課後空いてるか聞いたでしょ?覚えてない?」
名代が言うが
「すまん、全く覚えてない」
記憶にございません
「まぁまぁ、とりあえず、今日は頑張ろう!」
「終わったら皆で何か食いに行くか」
「あ、いや俺はパ──」
「それ良いね!じゃあ、焼き行こう!」
──あぁ、さらば放課後、休息の時間よ──
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