であり男でもある私は復讐をしていきます》4話 リリアーナとライル

目を開けるとそこには天井が広がっていた。

かなり豪華なベットにシンプルな薄い青の壁紙の部屋。

「ここは…」

周りには本がびっしりと詰まった本棚がある。どこかの執務室か。と思いたくなるほどに。

その瞬間、先ほどの事が鮮明に脳裏に蘇った。

夢の様だか、決して夢ではない。

私は「シトラル・サランバール」として死んで、「リリアーナ・アイラライト」になったらしい。

リリアーナの記憶を持っても、軽く頭は痛いが特に混しなかった。

ベッドから起き上がり、鏡の前へ歩いていく。

そして前に立つとゴクリと息を飲んだ。

鏡からこちらを見ているのは水のような藍のような、の當たり方により見た目を変える長い髪。

濃い緑のエメラルドの瞳。

のように白い

この世のものとは思えないほどの人がそこにいた。

ただ、先ほど聞いたことが本當なら…

ぎゅっと目を瞑る。

しの間そうしてから再び開くと、先ほどより目線がかなり高くなっていた。

慌てて鏡を見るとそこには髪のや瞳のはリリアーナと変わらない絶世の男子がいる。

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ペタペタと自分をると、鏡の中の彼も同じことをするので、この年は自分なのだと理解する。

この質はすごい。

魔法や質のことはかなり勉強したことはあったが、初めて見た。

未知の世界に踏み込んだ様で、がかなり高鳴った。

これだけでも充分珍しいのに魔法と魅力魔法も扱えると言うのだから、小さい頃は制ができずに苦しんだであろう。

質は公には公表していない様だか、魅力の魔法はあまりいいイメージが無い。

そのため、中傷や皮を多く言われたのだろう。

そんなの神が強くない限りとても続かない。

だから、私はここ何年かはずっと部屋に引きこもっていた。

「ここから出ないことには、何も始まらないわ」

目を瞑り、リリアーナに戻る。

そして、リリアーナの記憶は恐怖をじているが、そのまま綺麗な扉を開けて廊下に出た。

 

リリアーナが外に出るのは珍しいのだろう。使用人達からいろいろな目線を向けられるが、気にしていられない。

私はリリアーナの記憶にあるアイラライト公爵、つまり自の父の部屋へと向かっている。

家はとにかく大きく、廊下はとても長かった。

長い廊下を歩くと、一際しく豪華で大きい扉の前で立ち止まった。

そしてその扉に軽くノックをする。

そう、ここが父の部屋だ。

れ」

低く、威厳のある聲が返ってきた。

父親だ。

「失禮いたします」

そう丁寧に言い、るとそこには深いダークブルーの髪に私と同じエメラルドの瞳を持った父と父付きの執事がいた。

さすが私の父、とてもしい。と、心していた。

すると、あちらは私を見て目を大きく見開いていた。

自分かられたのにその驚き様はなんだ、仮にも自分の娘だろう。

と言いたかったがぐっと飲み込み、代わりの言葉を口に出す。

「本日はお父様にお願いしたいことがあってまいりましたの」

そう言うといつもの顔に戻った父が父付きの執事を見ると、すっと下がってくれた。

それを橫目で見ながら優雅に微笑んでいると父から口を開いた。

「お前のその願いとはなんだ?可能な限り聞こうか」

威厳のある気難しそうな顔をして私を見てくる。

まあ、この程度でひるむ私ではないが。

「エルデ王國の國立魔學園に2年生から留學したいのです。よろしいでょうか?」

その言葉に父は本日2度目の驚いた顔を見せた。

「…いいだろう、手配しよう…」

すこし考えたのか間が空いていたが承諾を得た。

「ありがとうございます、お父様。ではわたくしは失禮しますね。貴重なお時間を割いていただき謝の限りですわ」

そう言い、淑の手本の様な笑顔を殘して部屋を去ろうとする。

しかし、それは父の「待て」の一言で止まってしまった。

「お前にも1つ聞きたいことがある」

「…なんでございますか?」

「名前はなんだ?」

「は…?」

思わず取り繕うことも忘れ口から疑問符が口から飛び出る。

「今はリリアーナですが…」

「そうではない、お前のだ」

「ああ、」

やっと意味がわかった。

この人が聞いているのはシトラルのことだ。

「…お気づきでしたか、そうです。わたくしはエルデ王國サランバール伯爵家長のシトラル・サランバールと申します。」

そう言うと、再び父は驚いた顔をした。

今日一番かもしれない。

「そなたが噂の…」

目を細め、そう言う父に何故わかったのかはいいとしてそれよりも気になる點がある。

「噂…とはなんでしょうか…」

なんでインディゴ王國の貴族が私を知っているんだ。

ディルクの國、スティーア帝國ならまだわかるかもしれないがここ、インディゴ王國に知られる義理はない…と思う。

「エルデ王國の才兼備なサランバール伯爵令嬢の追放の事は割と広まっている」

今度はこちらが驚いた。

しかも、殺したってことで広まっているのに。

「それは…まあ、」

どう反応すればいいのかわからず、固まっていると父が再び口を開く。

「それで、どっちだ」

「えっと、どう言う意味でしょうか…」

その意味がわからず聞き返すと、「知らないのか」とつぶやき、父は言った。

「お前には戸籍が2つある。の方がリリアーナ、男の方がライル。雙子ということになっているが両方お前だ。そのどちらで學園に行くのだ」

なるほど。そういうことか。

「わたくしはリリアーナで行きます。ライルは病気ということにしていただけると嬉しいですわ」

満面の笑みでそういうと、父は顔も変えず「そうか」と言った。

「2年から転できる様手配する。一ヶ月近くはここにいることになるからアルノフにでも付近を案してもらえ」

そう言い殘すと父は家を出て、王城へ仕事のため向かった。

笑顔で見送り、朝食をとるため食堂へ向かう。

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