《であり男でもある私は復讐をしていきます》5話 兄と仲良くなる
父との話し合いの後、元々私の侍だったテトラを紹介してもらい、ドレスに著替えてから食堂へ向かった。
彼には魅了が効きにくいらしい。
食堂で朝食をとっていると、使用人がチラチラこちらを見てくる。
よほど私がここにいるのが珍しいのか。
見られるのはいいが、遠くでヒソヒソされるのは辛い。
居心地の悪すぎるので早めに部屋に戻ろうと立ち上がると扉が開いた。
深い藍の髪にリリアーナと同じ青緑の瞳のこれまた青年がってきた。
こちらをちらりと見るとギョッとした様な顔を一瞬した後、近づいてくる。
この人がリリアーナの実兄であるアルノフ・アイラライト。
「元気そうだな。リリア」
私の前に立つとアルノフはそう言った。
「はい、ご心配をおかけしてしまい申し訳有りません」
笑顔でそう言いながらドレスの裾を持ち上げ、禮をすると彼が目を見開く。
この家の人は目を見開くのが趣味なのか。
「魅了なんぞくだらない魔法しか使えないアイラライト家の恥は永遠に引きこもっていればよかったのだかな」
いきなりオブラートに包んですらいない嫌味を言われ眉間にシワが寄った。
「あら、そうでしたか」
笑顔を保ったまま目を瞑る。
そして再び開くと兄が自より小さくなっていた。
ライルになったのだ。
勿論、服は魔法が付加エンチャントされていて、著ている人によって構造が変わるので今は男の服になっている。
私には180越えの男を裝させる趣味はない。
自分の長が高くてよかったとこの時は思った。
「では、決闘でもいたしますか?兄上」
低くなった聲で笑みを浮かべながらそう言った。
兄が真顔になっている。と、思ったらいきなり吹き出した。
「ブフッ…ッ…フ…」
顔を手で押さえて悶えている。
そして聞こえてくる聲が微妙に気持ち悪い。
「兄上…頭がおかしくなられたのですか?」
引きつった笑みでそう聞いてみる。
怒られないか不安だけど、まあなんとかなるだろう。
「いや…前との変わりようが面白くて……な…フッ…」
まだ肩を震わせながら笑っている。
殘念な人を見る様な目で見る、いや実際変な人なのだか兄は笑いながらこちらを見て言った。
「悪かったな。シトラル嬢だろう、よろしく頼む」
再び目を瞑りリリアーナに戻ると彼を見上げる。
「こちらこそよろしくお願いいたしますわ。それと、わたくしはもうリリアーナです。リリアと呼んでください」
そう言うと彼はそうか、と優しく呟いた。
その時の顔は、私がライルで微笑んだ時とあまり変わらなかった。
いや、私の方が紳士なのだか。
ーーーーー
くだらないことを考えながら部屋に戻る。
兄に々われたが疲れているのでと後にしてもらった。
本が多い部屋はやけに落ち著く。
テトラに言って1人にさせてもらい自室の椅子に座り々と考え始めた。
主にエルデ王國に行った後の計畫だ。
あの6人には復讐をしなければ気がすまない。
なんとしてでも見返してやる。
そのためにはどうしようか、ということに頭を悩ませる。
そしてもう1つ。
ディルクのことだ。
彼は元気だろうか。
婚約者はできているのかだろうか。
できていたら、どうしよう。
今はもう他人なのに、不安で押しつぶされそうだった。
婚約者でも人でもなかったのに。
無に會いたかった。
あの笑顔をあの聲を、見たかった。
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