《であり男でもある私は復讐をしていきます》9話 差する思い
そろそろ春休みにります!
投稿する回數を増やしていきたいと思います!
中庭から出て、尾行している令嬢達を撒く。
1人になると目を瞑りリリアーナに戻った。
そして元々向かう予定だった小さいながら思い出の詰まった空き教室へ向かう。
階段を上がり風が吹く開放的な廊下を進みし、一番端にある教室の扉を開く。
機が並んでいるし埃っぽい教室が視界に広がった。
後ろ側の扉からり、扉側から3番目の一番下のロッカーを開ける。
埃っぽい教室で唯一そこだけは綺麗だった。
ポケットから青い綺麗なハンカチを取り出し、そこに置いた。
見にくるかもわからないけれど、これは賭けだ。
「お願い…」
そう呟いた瞬間、前方の扉が開く音がした。
白銀の髪がチラリと見えてきたとき、急いで大きめのロッカーに隠れてしまった。
もっと他にいい場所があったと思うが、急いでいたのだ。
心臓が鳴り止まない。
バレてしまったら軽蔑どころではないだろう。令嬢としてあるまじき行為だ、ロッカーに隠れるなど。
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「はぁ…」
ロッカーの上にある小さな隙間から教室を覗く。
白銀の髪の持ち主、ディルクは力なくこちらに歩いてくる。
魔力がれててバレたのか。
張のしすぎで涙が出そうになる。
神様に願ってもあの神は何もしないのはよく知っている。
意味もなく息を止めてどっか行ってほしいと願った。
目を瞑っていると、大きくため息をついて何故か私のっているロッカーにディルクはもたれかかってきた。
そのままぼんやりと天井を眺めている。
心底安心して、止めていた息を吐く。
隙間からは後ろ姿しか見えないが、その代わりにラベンダーの香りが伝わってきた。
安心しそうだか、気を引き締めて魔力がれてしまわない様にする。
相変わらず髪はサラサラで何故しっかり手れをしなくてもそうなるのか聞いていたのが懐かしい。
そんな傷に浸っていると、ディルクが急にき出した。
帰るのかと思っていたら、彼はあのロッカーに向かったのだ。
左から3番目、一番下のロッカーに。
私がいなくなってからまあまあな月日は経っているのに。
そのロッカーを剣だこのできた自の手より大きい手が音を立てながら開けた。
彼が息を飲むのがわかるくらい教室は靜かだった。
「ハンカチ…」
そのつぶやきはすぐに天井へと消えていく。
でも、その一言が私は何よりも嬉しかった。
ーーーーーーーーー
午後5時、學園の小さな噴水広場にリリアーナはいた。
期待と不安が差するはガチガチに固まっている。
まだ悩んでいるのだ。話すべきかどうか。
「シトラ…?」
低い癖のある聲が、わたしのものだった名前を呼んでこちらを見ていた。
全員同じ制服を著ているはずなのに、彼だけ凜々しくしく見えてしまう。
青と柴の瞳は何とも言えない複雑そうな表でこちらを見ていた。
「申し訳ございませんが、わたくしはシトラル様ではありませんわ」
そう言い、自の名前を告げるとディルク何かを言いかけていた口は、途中で止まり、
「だが……、そうか…」
と、無理やり納得したかの様な返事をした。
2人の間に沈黙が流れる。
居心地は悪いわけではないが、なんて話せばいいのかわからない。
信じてもらえるのか、も。
「それは…、ですね…」
言葉が詰まる。
しっかりと考えておけばよかったという後悔しか押し寄せない。
ディルクとは初対面なのだからこれでは変わり者確定だろう。
彼は相変わらずの無表だ。
「…次の機會でいい。まとまったら合図してくれ」
なんと言えばいいのかわからず、もう泣きそうな私に彼は冷たい口調ながらもあったかい言葉をかけてくれた。
「ありがとうございます。そうさせていただきますわ、次の機會にお話しいたしますね」
先ほどまでの焦りは何処かに行って、笑顔でそう答えた。
いや、まだ焦っていたのかもしれない。
私はこの言葉の本質を理解していなかった。
帰ろうかな、寮で々考えたい。
と、思っていると目の前に角ばった手が差し出される。
「寮まで送ろう」
え。
ばっとディルクの顔を見上げたら、優しく微笑んでいた。
なんだその表は、その甘ったるい表は。
その優しい視線が私に向けられているのだとわかると、恥ずかしくて下を向いてしまった。
頬が、というか全が熱くなるのをじた。
顔を上げるにも上げられず下を向いていたが、さすがに黙るのは失禮だろうと思い「よろしくお願いします」と言う。
聲はけないほどに震えていた。
手をディルクの手に重ねると優しく包み込む様につながれ、そのままエスコートされる。
冷んやりとした彼の手は火照っている私からしたらちょうどよかった。
あまり口を開かないのにディルクは甘いこっちが恥ずかしくなるほどの視線を向けてくる。
シトラルの頃と全く違うので、本當にどうしたらいいのかわからない。
ん?
ディルクは今にシトラル前世すら見せなかった表をリリアーナに見せている。
その瞬間、さっきまでのが音を立てて崩れていった。
ディルクはシトラルじゃなくてリリアーナのことが好きなんじゃないか。
シトラルなんて、好きじゃなかったのではないか。
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