《であり男でもある私は復讐をしていきます》16話 一夜の噓と夢
送ってもらった後、テトラに會いドレスに著替えさせてもらう。
飲みをかけられることは想定だったのだ。
そして目を瞑り、ライルとなった。
今は先ほどの青いドレスとは打って変わり銀と白黒のドレス、いやタキシードにを包む。
寮には帰らずそのまま城の中庭に向かった。
城の中庭はかなり綺麗に保たれていて、過ごしやすい空間になっている。
ただし人の気配はなく、うっすらと夜會の音楽が聞こえるがそれでもとても靜かだった。
やけに自の足音が響く。
その中で俺はガルデに事前に聞いていた場所に向かっていた。
「なんで…なんでうまくいかないの…!」
そこに近づくのに比例して誰かの獨り言が聞こえるようになってくる。
そう、シャルルだ。
1人で小さなベンチに座って悲しそうな、悔しそうな顔をしていた。
その獨り言を聞いていれば俺を送った後、アルザックに冷たく當たられたらしい。
ヴァイルもデュークスもリリアーナに夢中で庇ってくれもしなかったらしい。
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今にも泣きそうなその聲は酷く心地よかった。
しかし、本心とは正反対とも言える行に出るのだ。
自の格の悪さに乾いた笑いしか出ない。
「貴方のようなしい人に涙は似合いませんよ」
そっと後ろに周り、聲をかける。
シャルルはすぐに後ろを振り向き、俺を見た瞬間目を見開いた。
「…え、だっ誰?何このイケメン、噓でしょ」
最後の方は何を言っているのかよくわからないがリリアーナとはバレていないだろう。顔を赤らめているのがいい証拠だ。
そのまま前に周り隣へすっと腰を下ろす。
「1人でどうしました?を泣かすなんて酷い男がいるものですね、ほら泣かないで」
し悲しそうにしながらシャルルの顔にそっとれて涙を拭う。
その間魅了をどっと含んだ目で見つめればもう墮ちただろう。
「聞いてくれますかぁ…?」
そう言ってこいつはアルザックやデュークスのことを話し始めた。
「…」
その話を黙って聞いていれば、まるで自分が悲劇のヒロインで悪役のリリアーナにめられ、貶されたかの様に語られていく。
実際、俺は心の中では々思っていたが行には移していない。
なんだこいつ。
「私のことを永遠にするって言ったのに…アルザック様は裏切ったんですよ…っ」
「辛かったですね、大丈夫。僕は分かっています」
途中から泣いたフリになっているシャルルにそれに気がついていないフリをしながらめる。
…この値踏みする様な視線が気持ち悪い。
よくこんなのを馬鹿王子どもは我慢できたな。
いや、気がつかないのか。
上部だけの優しい言葉をふんだんにかけると、シャルルもだんだんと調子に乗ってくる。
「ふふっ、あなたいい人なんですねぇ。お名前は?」
「名乗るほどのものでもありませんよ」
「…このあとぉ空いてますか?」
待ちんでいたその言葉に過剰に反応しそうになるが、必死に堪える。
「…喜んで」
ニッコリと笑いながらスッと立ってシャルルの手をとり歩き始める。
「イケメンがっ流石は私ね!チートだわ!」
そう、こいつはアルザック以外の男子生徒にもを開いているのだ。
その容姿の可らしさと王太子に寵されているシャルルを抱けるというとはなんとも言えない優越があるらしい。
ガルデがわれたが気持ち悪いからやめといたと言っていたが俺にも同じことをするつもりなのだろう。
…確かに気持ち悪いな。
そのまま城のバルコニーの死角となる壁にシャルルを押し付ける。
ここは周りに人が通っても注意して見ていなければ気がつけないほど目立たないガルデ報のデュークスイチオシの場所。
その行為にシャルルは目を見開いた。
「…ここでやるの?」
不安げにそう言うシャルルの顔を目が合う様に左手で押さえ、微笑みながら今ある魔力全てを眼に込める覚で目を合わせる。
「そんな事、気にならなくなるよ」
言い終える頃にはシャルルのオレンジの瞳が濁っていた。
「アルザックのこと、好き?『答えて』」
「別に。ただの飾りね、単純な馬鹿だし。分が高いからいてやってるの」
鼻で笑っているシャルルはさっきまでの気持ちの悪い外面が何処かへ行って素が出ている。
「功…かな」
高位魅了魔法の相手を自分に依存させる、奴隷化。相手を自分のり人形に出來るとでもいえるのか。
それを今、シャルルにかけたのだ。
高い魔力と魅了魔法の才能、そしてそれらを制できる力が必要となりそれが完璧にならなければこまでの高位魔法は使えない。
完全じゃない狀態で使用すると魔力欠乏癥になったり命を落としたりしてしまうのだ。
しかし、その力は絶対で相手を自分の思い通りにかすことができる。
「…とりあえず、『服をいで』」
そうするとシャルルはなんの抵抗もなく服をぎ始める。
本當は今すぐ自分の罪を公に公表してこいとでも言いたいが、そんなことをしては足跡が殘ってしまう。
無表でドレスをぐシャルルを冷たく見つめていた。
もちろん、手を出す気なんて全くない。
「『俺は君を抱いた。君が思う様に、その覚をに刻んで』」
その瞬間、シャルルはガクッと膝から床に崩れ落ちた。
「…っあ、んん」
「『黙って』」
うるさくなりそうだったのでとりあえず黙らせる。
幻覚を見せているだけだが、王太子妃に見ず知らずの人間が迫っているのは見られてはまずい。
「ふー…」
流石に奴隷化をしてから3回も命令をすると疲れる。
酷い倦怠に襲われた。
魔力が無くなりかけると全てのことに無関心になりかける。そんなに鞭を打ってシャルルを持ち上げると歩いて客間に向かった。それがすぐ近くにあるのもデュークスが選んだ理由か。
誰もいないことに安心し、鍵をかけてからシャルルをベットに投げ服をぎすぐにその隣に橫になる。
疲れのためかすぐ側にシャルルがいるというのにすぐに眠ってしまうのだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「んんー…」
窓かられ出るにあたり、目が覚める。
昨日すぐに寢たからか、びをするとの節々がギシギシと軋んでいた。
見覚えのない部屋にに何も纏っていない狀態のシャルルと自分。
命令は何処まで有効なんだ。
というかこういう時、俺はどうするのが正解なんだ…
そう頭を抱えた。
「ん…、おはよう…」
ベットの上で正解の見えない問いに対して頭をひねっていると、右腕に他人の人をじた。
「おはよう、起こしちゃった?」
「んんー」
し寢ぼけた様にすり寄ってくるシャルル。
どんなにを押し付けられてもなんとも思わないのが完全に男にはなっていないことを証明してくれている様でホッとする。
「は大丈夫?」
幻覚はどのくらいのクオリティなのかを確かめようと質問する。
「し辛いです…初めてだった…のでぇ…」
噓つけ。
恥ずかしそうにそういうシャルルに対して心の中で舌打ちをする。
すごい回數こなしてるだろお前。
「そうだったんですか、その…婚約者様は…?」
「気にしなくていいですよぉ。私、貴方とずっと一緒にいたい…」
シャルルは俺の背に手を回して抱きつきながらそう言う。
きた。その言葉を待っていた。
「…もしそれができる。と言ったら?」
抱きついてくるを包み込む様に抱える。
髪をし持って後ろで弄りながら問う。
「どうする?」
かすかに揺した様にシャルルのが震える。
「…やる、ずっと一緒にいたい」
 
「じゃあ_______ 」
抱き合っているため互いの顔なんて見えないから、シャルルは気がつかないだろう。
俺がどんな顔をしているのかなんて。
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