《悪役令嬢は趣味に沒頭します》6 講師:おっさん ②

一言言わせてもらう。

下手くそ

それがおっさんの演奏を聞いて思った事だった。

「どうでしたか?とてもしい演奏だったでしょう?」

自信満々に聞いてくるおっさん。

「えぇ、到底私にはできない演奏でしたわ。ありがとうございます」

(私にはこんな下手に演奏はできない。)

「そうでしょう、そうでしょう!」

喜ぶおっさん

「はい、貴方様に教わることはなさそうですわ。

コレット、エヴァル様がお帰りよ。お父様とお母様を呼んできて。」

「はい、ただいま」

部屋の外に控えていたコレットに頼む。

「私に教わることがない、ということはピアノは諦めてヴァイオリンになさるのですよね?」

「いいえ、私はあくまでピアノがやりたいですもの。ピアノはやりますわ。貴方には習わないだけで」

(こんなおっさんに習ったって意味無いしね)

「ほう、では誰に習うのですか?この國でピアノが弾けるのは私だけですのに。」

「いいえ、習いませんよ。獨學で習得してみせますので」

「っは!何を言い出すかと思えば…。無理ですよ!獨學なんて。私のように他國で習得するなら話は別ですが。まぁ、リリアお嬢様は公爵令嬢なのでそんなこともできないでしょうが。」

(え。他國で習得してこのレベルなの?まじかよ)

「はいはい、わかりました。私には私のやり方があるのでお構いなく。この度はわざわざお越しくださりありがとうございました。もう、會う機會も無いかもしれませんがどうぞ、頑張ってください」

「リリア様のやり方がどれほど通用するのか楽しみにしておりますよ」

またおっさんはニヤニヤする。

そこでお父様とお母様がコレットに呼ばれてきた。

「エヴァル殿、リアが世話になったな。」

「いいえ!滅相もない!」

「…ふふふ。どうもありがとうございました。」

ん?なんかお母様のふふふが黒い?なんで?

「では、失禮します。」

おっさんは帰って行った。

「リア、すまなかったな」

「え?どうしましたの?お父様」

急に謝られるとびっくりしますよ!

「いや、あいつの格の悪さは知っていたんだが公爵家にまでああいう態度を出す馬鹿だとは思っていなかったんだ。嫌な思いをさせたね。悪かった」

「ほんとにごめんなさいね。リアちゃん」

どうやら、部屋でおっさんとあったことをコレットから聞いたらしい。コレット、部屋のドア越しにいたもんね!コレット優秀!

「いいえ、お父様お母様。大丈夫ですわ。むしろありがとうございます。あのお方はこの國で唯一ピアノが弾ける人。この國のピアノのレベルがどれくらいかも分かったことですし、私は獨學で頑張ってみますわ。」

「そうかい?でも、私たちだったら他國から技の優れた者を呼ぶこともできるよ?」

「いいえ、大丈夫ですわ。わざわざそんな事をしなくても將來、私に技についたら留學できるようになりたいですもの!」

「ふふふ。それでこそエルディーナ公爵家の娘ですね。応援しますわ。頑張りなさい。」

「はい!お母様!」

「あぁ、無理だけはしないでくれよ。」

「はい!お父様!」

私はとても優しい両親を持ったようだ。

「エルバート」

「あぁ、分かっているよ。可い可い私たちの娘にあれだけ失禮なことを言ったんだ。後悔させてやる。」

「後悔ですって?それは生ぬるいわ。…ふふふ、どうせなら生きていることを後悔させなくてわね。」

「…はぁー。まったく君は。その通りだよ。」

こうして、エルディーナ公爵令嬢のピアノのレッスンの後、エヴァル・ビートは國からいなくなったらしい。

まぁ、それに気づいた人はいないのだが。

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