《悪役令嬢は趣味に沒頭します》11 彼の過去

ルーフィス視點

「くそ!くそ!くそ!!なんで、なんで私の周りにはクソみたいな男しか寄ってこないのよ!!」

それは、お前もクソだからだろ。

「なんで、あんなに取られなきゃいけないのよ!!そんなにあんながいいの!」

取っ替え引っ替えのあんたよりはいいと思うよ。

「なんで私ばっかり!」

よく言うよ。

今日のババアはいつもより機嫌が悪い。いつものこの時間なら厚化粧でがもろで出るような服を著て男を迎える。そして、部屋からは出てこない。

どうやら昨日まで一緒にいた男と別れたようだ。

(今日は荒れるな)

そんな風に思いながら部屋の押れにいた。押れからは絶対に出るなと言われている。まぁ、出たくはないが。夜は特に。

すると、不意に扉が開いた。

「あんたよ、あんたがいるせいで私は男に恵まれないんだわ。あんたのその目。大っ嫌い。昔の男なんか思い出したくもない。あんたなんか産まなきゃ良かった。……あぁ、あんたが居なくなればいいのよ」

その時に見えたババアの顔は初めて見るものだった。これが笑顔か。そして、意識が途絶える。

気づいたら外にいた。外に出たのは何年ぶりだろうか…の節々が痛い。毆られたのか…

「…あんのクソババア」

ひとまず、屋のある路地を見つけた。どうしたもんか。これから生きていく知恵など持ってない。いつもは水とゴミにってるカスでしのいできた。だが、これからはどうしのぐか。

2日がたった。ひとまず民家のゴミを漁り川の水を飲んで生活した。これであとどれくらい生きれるだろうか。何日?何週間?何年?あと、どれくらい続けなければならないのか。

「ねぇ、君。こっちにおいで。」

高そうな服を著た男が話しかけて來た。

(もしかしたら、奴隷売りか?)

奴隷になれば働かなければならないが必要最低限の食料はもらえる。この時の俺はもう、なんでもよかった。

飯が食えれば、水か飲めれば、生きられれば。

そうして、高そうな服を著た男についていった。馬車に乗ると、男から水とパンをもらった。パンは初めて食べた、かった。でも、今まで食べてきたの中で一番味しかった。

そして、屋敷に著くと、たくさんの人に囲まれて風呂にれられ、髪を切られた。前髪は切るのをやめてもらった。また、目のを嫌われて捨てられたら困るから。そして、服を著せられた。服なんてババアが捨てようとしたやつしか著たことがなかったが案外、自分に合うものだと苦しいことがわかった。

「ねぇ、君。僕の二人目の息子にならないかい?僕には息子と娘がいるんだ。その娘がね、リアって言うんだけどまた可くて可くて…じゃなかった、もし行くあてがないなら僕の息子になってよ。」

(この人は何を言ってるんだろうか…路地裏に捨てられた平民の汚い子供だぞ?)

そんなのをしがる人がいるのか…

「なんで、君をしがったか不思議そうだね。んー、そうだな。じゃあ、僕の娘に會ってみてよ!きっと分かるから」

よくわからない男だった。でも、行くあてもなく食べるものもない俺にとっては斷る理由がない話だ。俺は男を見てしっかり頷く。

「おぉ!了承してくるか!!私の名前はエルバート・エルディーナだよ。慣れてからでいいからお父様と呼んでね。さぁ、行こうか」

そうして、連れられた部屋にはの人と長男とみられる男が立っていた。

「ふふふ、その子がさっき言ってた新しい家族ね。私はフィーリア・エルディーナ。この子はあなたのお兄さんになるウィリアム・エルディーナよ。」

お兄様の方は紹介をされるとぺこりと頭を下げる。一応、自分も下げておく。すると、扉がまた開いた。

「失禮します、お父様。お呼びでしょうか」

そこには、自分と同じくらいの年頃のの子。

(あ、この子…)

なんとなく、お父様?が俺を屋敷にしがった訳がわかった。

(俺と同じ紫の目だ。)

この日から俺の人生は大きく変わった。と思う。それに気づくのはまだ何年も先の話だが。

ここまで読んでくださりありがとうございます!

フォローも300突破しました!!やっばいです!

新作☆異世界転移したが幸せになる語☆

٩( ᐛ )وこっちはちょっと甘めです! 

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