《悪役令嬢は趣味に沒頭します》30 お忘れですがプチパーティー
あぁ、最悪だ。
私は馬車に揺られながら憂鬱に外を見る。
夕方だと言うのに、人々は溢れ、活気に満ちている。
私はそれを忌々しそうに見つめていた。
手りのいいドレスを見ると、白がメインで淡いピンクのグラデーションがかかるレース。でも、ゴタゴタしておらずスッキリとしている。
いつもより輝かしい髪は、メイドが時間をかけて編み込んでいる。
はい、何故こんな格好で馬車に居るかって?
プチパーティーだよ。
すっかり忘れていたプチパーティー。
いつも通り朝起きて、いつも通りの生活を送ろうとしていた。
だが、いつもは斷っているのにメイドが世話をやき、お父様とお母様が悩みに悩んで選んだドレスを著せられ、馬車に押し込まれた。
素晴らしい連攜プレーだったので、きっと前日から打ち合わせがしっかり行われていたみたいだ。
ノアはと言うと貓の素がで寢ている。
ちゃっかり乗り込んでいたようで、私とは違いこの落ち著きようと來たら……
「…ノア、今日のプチパーティーは最悪な事に王子様方の主催だから貴方を連れて行けないの。お城のお庭とかに隠れてくれる?」
Advertisement
「うーん…わかった。」
渋々了承してくれたノアの頭をでる。
さすがにお城の中に貓は連れて行けないし、人間の姿になられても、その他の貴族や使用人ともどもに詮索されたら面倒なのだ。
ここは、連れていきたいけれど諦めるしかない。
ガタンガタンと揺れる馬車の音を聞きながらゲームを思い出す。
まぁ、王子様方には會うでしょう。
嫌でもこればかりは仕方が無い。だって王子様方主催だもの。公爵令嬢として挨拶はしないと育ちを疑われてしまう。
はぁ……と重たいため息を著きながら、しずつ流れが遅くなる景を見つめる。
どうやら、著いたようだ。
執事の手を借りて馬車を降りれば、目の前には大きなお城が建っていた。
初めての登城?かな。
ノアを降ろすと、ノアはフラっとどこかに行く。その様子を見たあと、私もお城にっていった。
會場では、とりどりのドレスを著たご令嬢やご子息が揃っていた。
5.6歳の子達が集まっているから、皆それぞれ可らしい。だが、口を開けばお家自慢や自分自慢が多いみたい。
私は王子様方に挨拶をして、適當に時間を潰したら帰ろうと思った。
殘念ながら、王子様方は他のご令嬢とお話になっていたので開くのを待つ。
給仕から紅茶をけ取り、近くのソファに座った。
はぁ…面倒くさ
口には出せないが、心底家に帰りたい。
あぁ、ピアノが弾きたーい。
「こんにちは」
ふと、斜め右方向のが遮斷され話しかけられる。疑問に思いながらも視線を飛ばすとそれは第2王子のイグニス様だった。
髪は金髪、目は澄み渡るような青の瞳、頭が良くその知的な笑顔に人気があるらしい。
私はすぐさま、紅茶をテーブルに置き立ち上がる。カーテシーをとった。
「お初にお目にかかります、イグニス第2王子様。リリア・エルディーナでございます。本日はお招き頂きありがとうございます。」
「…初めてではないけれど……よろしく、リリア嬢。今日は楽しんでいってくれ。」
この6歳児とは思えない大人な対応。すごいわぁ…ルーもこうなるかな…
ん?リリア嬢って言った?普通、エルディーナ嬢って呼ぶよね??ん??
ニコっと笑うイグニス様に対し、私もニコッと返しておく。
「イグニス、こんな所にいたのか。勝手にどこか行くなよ…っと」
そこに來たのは第1王子のハイネス様。
髪は同じ金だけど、目は燃えるような赤で、とても剣に長けていると聞く。
「あれ………?リリア・エルディーナ嬢?」
え?何で私のことを知っているの?
「…はい。私がリリア・エルディーナでございます。本日はお招き頂きありがとうございます。ハイネス第1王子様。」
カーテシーをとるが、頭の中では疑問がいっぱいだ。でも、あれか…?こういうパーティーでは招いたあるいは參加する貴族の名前や顔を知っておくのは大切だから前日から覚えていらしたのかしら?
「…あ、あぁ。失禮、リリア嬢。楽しんでいってくれ。」
貴方もリリア嬢って呼ぶの!?エルディーナ嬢じゃないの!?
というか流石雙子。言うことは同じ。
つい、面白くてクスッと笑ってしまう。
「はい、ありがとうございます。」
そう言って、私は控えめに禮をとり、その場から離れた。
note+ノベルバ+アルファポリス+電子書籍でエッセイ、小説を収益化しつつ小説家を目指す日記
note+ノベルバ+アルファポリス+電子書籍でエッセイ、小説を収益化しつつ小説家を目指す日記
8 120狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執著愛〜
古式ゆかしき華道の家元のお嬢様である美桜は、ある事情から、家をもりたてる駒となれるよう厳しく育てられてきた。 とうとうその日を迎え、見合いのため格式高い高級料亭の一室に赴いていた美桜は貞操の危機に見舞われる。 そこに現れた男により救われた美桜だったが、それがきっかけで思いがけない展開にーー 住む世界が違い、交わることのなかったはずの尊の不器用な優しさに觸れ惹かれていく美桜の行き著く先は……? ✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦ ✧天澤美桜•20歳✧ 古式ゆかしき華道の家元の世間知らずな鳥籠のお嬢様 ✧九條 尊•30歳✧ 誰もが知るIT企業の経営者だが、実は裏社會の皇帝として畏れられている日本最大の極道組織泣く子も黙る極心會の若頭 ✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦ *西雲ササメ様より素敵な表紙をご提供頂きました✨ ※R描寫は割愛していますが、TL小説です。設定上強引な展開もあるので閲覧にはご注意ください。 ※設定や登場する人物、団體、グループの名稱等全てフィクションです。 ※隨時概要含め本文の改稿や修正等をしています。文字數も調整しますのでご了承いただけると幸いです。 ✧22.5.26 連載開始〜7.15完結✧ ✧22.5 3.14 エブリスタ様にて先行公開✧ ■22.8.30より ノベルバ様のみの公開となります■
8 127寢取られ令嬢は英雄を愛でることにした
舞踏會の一角で婚約者に婚約破棄を言い渡されたエディス。婚約者が次の相手に選んだのは異母妹だった。だけどその瞬間、エディスは前世の記憶を思い出した。……あら、この婚約者わたしにとってはわりとどうでもいいわね。婚約破棄を了承して舞踏會を後にしようとしたエディスだが、ある人影を見つけてしまった時、彼女の體に衝撃が走る。「……素敵……」それはこの世界にはいないはずの獣人で――。婚約破棄されて前世を思い出した令嬢と獅子の呪いを受けてしまった英雄騎士が幸せになるまで。2020.11.28.本編完結、後日談、2020.12.26.続編完結。2021.02.11.続々編完結。
8 110超絶美人な女の子が転校して來た。
歴史に詳しいこと以外には何も取り柄がない主人公の クラスに突如超絶美人な転校生がやってくる。 そして運良く席が隣に。主人公と転校生はどうなって行くのか………
8 149婚約破棄から1年後・・・・・・
1年前に婚約者だった當時の王太子から婚約破棄され、更に実家から勘當、追い出された『エミーナ・レオハルト』、今は王都にある小さな雑貨店を営んでいて、それなりに幸せに暮らしている。そんなある日、突然、王太子の取り巻きだった兄がやってきて・・・・・・。
8 138嫁ぎ先の旦那様に溺愛されています。
宮內(みやうち)莉緒(りお)は、3年生の始業式まであと一か月という所で、夜逃げをした父親の莫大な負債を背負ってしまい、婚約者と語る高槻総司という男の元で働く事になってしまう。 借金返済の為に、神社での住み込みの仕事として巫女をやらされることになるが、それは神社の神主である高槻(たかつき)総司(そうじ)の表向きの婚約者としての立場も含まれていたのであった。
8 68