《悪役令嬢は趣味に沒頭します》31 俺たち

☆ハイネス視點 (第1王子)

毎月開くプチパーティー。

今日もあの子は來ない。

可笑しくないか?公爵令嬢なら普通、王子主催のパーティーなんて來るものだろう?

他のご令嬢やご子息は公爵から伯爵、子爵や辺境貴族まで、い子達が俺たちとの関係を作ろうとやってくる。

なのに、なんであの子は來ないんだろう。

リリア・エルディーナ嬢は。

俺とイース(イグニスの稱)が初めてリリア嬢を見たのは、お忍びで街に遊びに來ている時だった。

たまに俺達はこっそりと城を抜け出し、街で遊ぶ。遊ぶと言っても、#民__たみ__#の生活を知り、文化を見ていたのだが…

その日はちょうど、大通りを歩いていた。

次はどこに行く?なんて話しをしていたら、とある一角の店に人だかりがあった。しかも、その人だかりは皆が口を閉ざし、中を靜かに見つめている。

気になった俺達は靜かに耳を傾けながら、その人だかりの中にっていった。

そこには、長い艶やかな銀髪を揺らししいバイオリンを奏でるがいた。

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はまるで慈に満ち溢れた表で演奏しており、その空間がだけがまるで止まっているようだった。

誰もが息をすることを忘れその音を聴き込む。

 

途中で、意識が戻った俺は思わずイースを見る。イースはを見つめたまま目が離せないようだった。そして、俺も視線を戻し彼を見つめていた。

俺達は、王子という立場に生をけた。もちろんその地位は誰もが利用したく、い俺達にも言い寄ってくるはいたし、いながらにも俺たちはうんざりしていた。

明らかにごまをする、地位に目がくらむ、何かに利用しようとするにまみれた

俺もイースも。

そんな俺達が彼から目が離せない。

演奏が終わって気恥しそうにしながらも、禮をちょこんとする彼は可らしいとじた。

その後、楽店の店主に聞くと、彼は貴族でしかも公爵令嬢だと言うことがわかった。

その日から俺たちは、リリア嬢の話をしたり、リリア嬢の事を調べたり、リリア嬢が來てくれるかもとプチパーティーを開いたり、それに招待したり…

(本當は親しくない貴族の間では、名前で呼ばず家名で呼ぶのが常識だが、俺達は會わないことを言い様に俺たちの中だけでリリア・エルディーナ嬢をリリア嬢と呼んだ。)

父上に言えば早かったのかもしれないが、父上はそういうのにし…いや、結構大雑把な所があるから任せられなかった。

何度も何度もパーティを開くがリリア嬢は來てくれなくて…最早諦めながら今日も開いた。

來てくれた貴族に個々に挨拶をしていたら、急にイースがどこかに行くから驚いた。

話していた貴族には謝罪し、イースを追いかける。イースはどこかのご令嬢と話しをしていたみたいだ。

めずらしい…コイツが自分からご令嬢に話しかけるなんて…

と、思いながらイースに聲をかける。

話をしていたらしいご令嬢を見ると、長い銀髪に大きな紫の瞳、そしてふんわりとした白くてピンクのグラデーションがかかったドレス。

「あれ………?リリア・エルディーナ嬢?」

「…はい。私がリリア・エルディーナでございます。本日はお招き頂きありがとうございます。ハイネス第1王子様。」

そう言いつつカーテシーをとる彼が信じられなかった。

え?リリア・エルディーナ嬢?本??

俺の頭は混していたが、確かにこの腰と気品は…

考える俺の足をイースが踏んだ。そうして、俺は覚醒し言葉を紡ぐ。

「…あ、あぁ。失禮、リリア嬢。楽しんでいってくれ。」

そう言うと、リリア嬢はふわっと笑い下がって行った。

俺は夢でも見ているのかとしばらく呆気に取られたが、イースの一撃でまた覚醒する。

「痛い」

「いつまでもぼーっとするな」

「仕方ないだろ…驚いたんだ。」

「あぁ…俺も驚いた。」

だろうな。挨拶中に飛び出すくらいだもんな。

そう言いながら、俺達は元の定位置に戻る。

「これが終わったら…庭に散歩しにでも行くか」

庭…さっきリリア嬢が歩いていった方向か。

「散歩・・な。」

ニヤッと笑い、さっさとパーティーを終わらせようと決意する。

それはもちろん。もう一度、彼に會いたいからだ。

・メモ

名前(地位)⇒

ハイネス(第1王子)⇒ハイネ

イグニス(第2王子)⇒イース

第一回コミカライズコンテストで

まさかのグランプリ頂いてしまいました!!

ありがとうございます!!

応援、ありがとうございました!お祝いの言葉もありがとうございます!

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