《悪役令嬢は趣味に沒頭します》32 庭
さてさて、王子様方に挨拶をするというミッションを見事コンプリートした私はあとはパーティーがお開きになるのを待つだけだった。
なので、庭にいるだろうノアに會いに來た。
だが、そう易々とは見つからない。
ここはお城で、そんな所の庭なんて規模が大きいのだ。
しばらく歩くが、慣れない高さのヒールに足が疲れてくる。
ちょうどいい所にベンチがあったので腰を下ろした。
「はぁ……疲れた」
早くパーティー終わらないかしら…
來る予定ではなかったパーティーに嫌々來ているものだから気疲れでがだるい。
ふぅ…と息を吐き、青空を見上げた。
すると、かさっと葉がれる音がして人が近づいてきた気配がする。
誰だろう…と見た瞬間、その人は腰に手を當て私に人差し指を突き出した。
「見つけたわ!!この泥棒貓!!!」
クルクルとした赤の髪のに橙の様な瞳。ドレスを翻し、私にそうぶは言に似つかず可らしかった。
「………はい?」
泥棒貓? ……ん?
あまりに突然なことなので思考が追いつかない。
「とぼけたって無駄ですわ!この泥棒貓!貴方、今までパーティーで見かけたことないですのに…イグニス様、自ら話しかけて頂けるなんて…!!なまいきですわ!!」
………あ、なるほど。どうやらイグニス様のファンの方のようだ。
自らってそんな珍しいものでもあるまいに…ただの挨拶ですけど…?
「全く、信じられませんわ…!貴方、今日初めてパーティーに呼ばれたのでしょう?私は第1回目から呼ばれていますの。そんな私を差し置いて、下級貴族がなまいきなのですわ!」
下級貴族て…いや、パーティー自は開かれてるのも知っていたし、招待狀も來ていたけど面倒くさく…いや、ピアノの練習があって來ようとは思わなかったのよね…。
そりゃあ、通いつめてて思いがあるこの子からすれば生意気?なのかな…?
いや、わからん。
まぁ…いっか。
相手がどこの誰だか知らないけれど、自分の名前を名乗ってこない程常識のない貴族なら、マナーとか無駄。
こういうのは、さっさと謝ってノアを見つけて帰ろう。
今から帰ればまだピアノ練習がしできるかもしれないし…
「えっと、申し訳…」
「何してるの?」
「えっ」
聲がした方を見るとそこにはハイネス様とイグニス様が立っていた。
何故王子様がこんな所にいるのでしょうか……。
「い、イグニス様!ハイネス様も…どうしてこちらに…」
「…たまたまだ。というか、何故ここにローディア伯爵令嬢が…お二人は仲がよろしかったか?」
「いえっ、あの、それは…」
しどろもどろと言ったようにローディア伯爵令嬢と呼ばれたは慌て始める。
そりゃあね、ここで私に文句言ってましたなんて言えないわよね…しかも、伯爵令嬢…
ふぅ…さっきまでの発言は1回忘れてあげよう。流石に可哀想に思えてきた。
「違いますよ。」
控えめに手を挙げ二方の注目を集める。
「ローディア様はどうやらお庭で道に迷ってしまったようですの。だってここのお庭、とても広いんですもの。…ね?」
ローディア伯爵令嬢に促すと、令嬢はこくこくと頷く。
それを見たイグニス様とハイネス様は訝しそうにしながらもその話に了解し、使用人を呼んで彼を會場に戻させた。
なら、私も一緒にっと立ち上がろうとすると二人の王子が私の前に立ちはだかる。
「まぁまぁ、リリア嬢。まだ、時間はあるんだ。よかったら話さないか?」
ハイネス様からそんな思いもよらない話をされる。
…なにを話すの??ん?
私の頭が混を処理している間に、お二方は両隣にしれっと座り込んでいた。
早く…家に帰りたいのですが…!!!
*優しいコメントありがとうございます
もしも変わってしまうなら
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