午前の授業は終わり、午後の授業も殘すところ

數十分。ついに運命の放課後を迎えようとしていた。

まあ実際はただの釈明會なんだけどな。

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴り午後の授業が終了。

隣の席に座る優花の……ゴホッゴホッ

隣の席に座る水蓮寺さんの方を見ようとした時

視界に隆太がって來た。

『なあ！放課後ゲーセンでも行かないか？』

『あ、悪い、今日は無理だ。また今度な。』

隆太にわれるが斷る。理由は放課後に

一世一代の釈明會を控えているからだ。

『そうか。仕方ねえ、なら今日は吉と二人で遊ぶか』

『あいつは近々、法學検定があるから當分遊べないって言ってなかったか？』

俺の二人しかいない友達のの一人

[川越 吉】は暇があれば法學辭典を読み漁り

高校二年生にして法學検定をける言わば

【法學の奇才】である。

しかし殘念ながら【地下アイドルの追っかけ】でもある。本當二個目のがなければカッコいいのにな。

『あー、そういえばそんなこと言ってたな。

まあでも無理やり連れて行くからいいよ。

ボッチでゲームセンターはきついからな。笑笑wwww

法學検定とやらの勉強は夜中にでもやればいいんじゃないか？ww まじで草。』

…………今のは……正直……友達として……

一人の男、一人の人間として、隆太を毆り飛ばそうかと思った。何がwだよ。草生やし過ぎだろ。

俺こいつと友達でいいのかな？笑

『おまえそれは勝手の極意すぎるだろ。』

『はははー。あ！そういえば』

隆太は俺の耳元で囁き始めた。

とても小さな聲で囁き始めた。

(おまえ今朝、隣の転校生に強烈なアプローチしたわけだがその後なんか進展はあったか？)

(アプローチなんかしてねえよ。あれは失言だ。

ただの失言だ。)

(にしてもあれから子がおまえに向ける目は

笑えるわw)

(笑い事じゃないんだよ。完全にあの目は人を見る目じゃない。真夏の公園に上半で寢てるホームレスを

見るような目だ。)

(どんな例えだよW大草原不可避)

そろそろニヤニヤしながら草を生やし続ける隆太に

俺は若干の苛立ちを覚えたので強制的に話を打ち切った。

『じゃあな晴人。また明日。』

『ああ。じゃあな。』

その後廊下で吉の悲鳴と助けを呼ぶ聲が聞こえたが

俺は聞こえない程を裝いながら放課後の釈明を考えていた。吉には悪いが今はそれどころじゃないんだ

俺のスクールライフがかかっている。

隆太が去り。教室の中に殘る生徒はなくなり

そんな時、綺麗な聲が耳に通る。

『東さん。話って？もう放課後だけど。』

『あ、あ、あ、あ、あ、あー

け、今朝の事なんだけどさ。』

吃りました。

『今朝の事？』

『い、いや、あ、あの、今朝ちょっと々と、へ、変なことを言ってしまったというか。その。』

突然の事に対応できず俺はどもりまくった。

しかし返って來た言葉は

『あーーその事？それなら気にしてないから大丈夫だよ。』

『そ、そうなの？』

え？気にしてないのか。これは予想外。

まあでもよかった……  し安心した。

『年頃の男の子なら…まあ…その…仕方ないよね。』

顔を紅く染めはそう言い放った。

それを聞いた晴人の心中は……

(うわーーーーーーーーーーーーーーーー！！!　︎　︎

全然大丈夫じゃねえよーーーーーーーー)

『ち、ちがうんだ。水蓮寺さん。まじで。誤解なんだ。』

俺は犯行現場を目撃された犯人のように見苦しい

言い逃れをしていた。実際言い逃れではないのだが。

『それより、そろそろ聞いてもいいかな？』

なんだか何かを期待するような表では口を開いた。晴人はその表に見惚れたが、間をおかず 

『な、なにかな？聞きたいことって。』

俺は単純に気になった。今朝も水蓮寺さんは

聞きたいことがあると言ってたし。

まあ、それとは別になるべく話を早く進めて誤解を解きたかったという気持ちもあってのことなのだが。

【開口一番】

『晴人くん。私のこと覚えてる？』

『え？』

『………………………………』

『……………………………』

場は靜寂に包まれる。

晴人にはその靜寂が永遠にもじられた。

晴人の思考は停止した。

『ごめんね。変なこと聞いちゃったね。なんでもないよ。』

『あ、あー。……………』

俺は口をぽっくり開けて唖然としていた。

『そ、それじゃあ。また明日ね。』

水蓮寺さんは俺に有無を言わさぬ速さで

別れの挨拶をして教室を後にした。

その顔はし儚げで寂しそうだった。

しかし俺は不覚にもそんな表にもドキドキとしていた。

俺はその後さっき水蓮寺さんが言ってたことはなんだったのだろうかと、下校中。帰宅してからもずっと考えていた。しかし答えは本人に聞かない限りでないとわかっいるため、一定時間経過したのち考えるのをやめた。それにしてもなんだろう。この頭のモヤモヤは。なんだかあの水蓮寺さんの儚げで寂しそうな表を見た時、俺はなんとも言えない懐かしさをじた。