《男尊卑の改革者》第一章『異世界転生!?』第一話「始まりと終わりの語」

ピピピピッ!!ピピピピッ!!ピピピピッ!

「…………ん」

ピピピピッ!!ピピピ…………ガチャ

今は、朝の五時。いつも通りのアラームが鳴る。そして、それをいつも通り止める一人の年。

「んっ………………さて、起きるか」

俺、如月悠人はまだ重いを無理やり起こして、立ち上がりばす。

「ん〜〜〜……………はぁ。顔洗お」

俺はそう言って頭を掻きながら、一階にある洗面所に向かった。

俺、如月悠人は普通の高校二年生だ。あ、でも人生経験的にはし変わっているかもしれない。というのも、親が二度離婚しているのだ。俺の親父は初めに俺を生んでくれた母親に見捨てられて、一度目の離婚。そして、再婚した相手も相當なクズで、ある意味最高のパートナーだったようだが、そんな二人が一緒になれば借金やらなんやらが生じるのは當然なわけで…………。それを俺らに押し付けた上に、どこかへ行ってしまった。我が親ながら本當にクズだと思う。まぁ、それも最近ようやく返し終わり、怖いお兄さん方が家に來ることもなくなったのだが………。

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バシャ、バシャ…………

「…………ふぅ。さっぱりした」

俺は顔を洗い、完全に目を覚ます。

「さてと…………朝ごはんの準備しないとな。昨日のおかず、殘ってたよな。それだけ……………じゃだめか。もう一品くらい作んないと夢月が怒るんだよなぁ」

今日の朝食を考えながら、俺は臺所に向かう。

「…………ふぁ」

臺所についた俺は、アクビをしながら今日の朝食を作る。昨日はバイトが長引いてあんまり寢れてないんだよなぁ。借金を返し終わったとはいえ、生活がかになるわけでもない。節約もしているが、どうしても生活費がそこそこかかってきてしまう上に、ある理由・・・・から貯金もしたいので中々大変なのだ。

すると、ガチャという音と共にリビングのドアが開く。そして、一人の小柄なってきた。そのは、黒髪のショートカットでサイドテールにしており、かなり可い。そして俺はいつも通り、そのに挨拶をする。

「おはよう、夢月」

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「ん、おはよ。お兄ちゃん」

そう言って、夢月はプイっと顔を背けて、スマホをいじり始めてしまう。今の會話で分かったとおり、この子の名前は如月夢月。俺の義理の妹だ。俺が四歳のときに俺らの親が再婚して、俺と夢月は家族になった。最初はぎこちなかったけど、しずつ仲良くなってきていた………………はずなのだが、最近になってまた距離が出來てしまった。まぁ、夢月も高校一年生。思春期真っ只中だし、いろいろとあるのかもしれない。

「…………今日、昨日の殘りと焼き魚だけど、何か他にほしいものはないか?あるなら、言ってくれれば…………」

「別に。なんでもいいよ」

「…………そっか」

……………まぁ、し悲しいけど、しょうがないだろう。誰にでもそんな時期はあるし、俺はそれを悪いとは思わない。ましてや、怒ったりするのはすじ違いだと思う。たった一人の家族を心配しないわけがないが、そうは言っても、俺に言えないことも多いだろうから、今のうちは見守ってあげたい、というのが俺の本心だった。

「……………これで、よしっと。それじゃあ、行ってきます」

「行ってきます」

そう言って、僕らは誰もいない家に挨拶をして外へ出る。すると、またいつも通りの景が僕の目の前に広がっていた。目の前の塀にもたれかかっている一人の俺達と同じ制服の子生徒。その顔はし不機嫌そうである。俺は頭を抱えたくなったが、いつまでもこうしているわけにもいかず、歩き始める。すると、その子生徒も俺たちに気づいたようで、こちらに近寄ってくる。

「…………あ!やっと出てきた!遅いわよ、悠人!」

「いや、いつも通りだと思うんだけど…………」

「口答えしない!!」

「……………はい」

といきなり不機嫌です、と言わんばかりの表を浮かべて、理不盡なことを言って來たこの子生徒は、僕の馴染の雙葉葵だ。肩に掛かるくらいの黒髪の人さんで、は結構でかい。……………あ、ちなみに夢月は可いお椀サイズだ。コイツとは保育園からの付き合いで、小中高と同じ學校、同じクラスだ。ウチの両親の離婚直後はコイツの親さんによく世話になった。……………本當にお世話になった。

「ごめんなさい、葵ちゃん。遅れちゃって」

夢月がそう言って頭を下げる。すると、

「ううん!夢月は気にしなくてもいいんだよ!悪いのは悠人だし」

「………………」

…………お世話になったのは、あくまでコイツの親さん・・・・だ。コイツではない。コイツは何故か、ことある毎に突っかかってくるのだ。やれ付き合いたい子ランキングで一位だっただの、告白されただの…………。毎日毎日よく飽きないなぁ。

「はぁ…………。って言うか、葵。俺と一緒でいいのか?」

「へ?なんで?」

俺の問いかけに、なんのことだか分からないと言った表を浮かべる葵。

「…………この前、彼氏が一緒にいないでしいって言ってたんだろ?忘れたのか?」

「え…………あ、あ〜!そ、そういえば、そうだったっけ?」

「…………なんで俺が覚えてて、葵が忘れてるんだよ」

「う、うるさいなぁ。しょうがないじゃん!忘れちゃったんだから!!」

葵は顔を赤くしながらそう言って、僕をポカポカと毆ってくる。…………いや、ボコボコだ。この子、結構力強いんだよな。あっ、痛っ。

「そ、それで?彼氏はいいのか?」

とりあえず、距離を取って再度聞く。すると葵は、

「別にいいのよっ!さ、早く行くわよっ!」

そう言って、プイっと顔を背けて歩き始めてしまう。

どうやらコイツは先月からイケメンの先輩と付き合い始めたようで、何故かことある毎に僕に報告してくる。…………自慢したいのか?まぁ、馴染の僕からしても葵は人だし、そういう人と付き合っていてもおかしくはない。そんな風に考えていると隣にいる夢月がジト目で俺の方を見てくる。

「夢月?どうしたの?」

「………………バカ」

そう言うと、夢月は葵を小走りで追いかけて行ってしまう。そして俺は、

「……………なんで?」

という、當然の疑問を浮かべながら一人殘されてしまった。

「…………あっ!あれって悠人先輩だよねっ!!」

「えっ!?どこどこっ!」

「ほんとだっ!やっぱりカッコいいなぁ」

「……………」

登校中、徐々に僕らの學校の生徒が増えてくると、そんな會話が聞こえてくる。俺の友達いわく、どうやら俺はそこそこイケメンらしい・・・。まぁ、そんな実はないのだけど…………。俺がイケメンなら馴染葵と妹夢月があんな反応をしないだろ?アイツら、よく誰がカッコいいやらなんやら話してるし。

俺がそんなことを考えていると、

「…………なに鼻の下ばしてんのよ」

突然、そんな不機嫌な聲が隣から聞こえてくる。

「いや、鼻の下なんてばしてないけど」

「ううん。ばしてた。ダラーっと、だらしなーくばしてた。ダラーっと」

「お兄ちゃん。気持ち悪いからやめてよ」

「……………」

俺は何故、こんなことを言われなければならないのか。理不盡にも程がある気がする。とは言え、ここで反抗でもしたらあとが怖いのはを持って経験してるので俺は仕方がなく、

「…………すみませんでした」

と謝った。

「ふんっ」

「(プイっ)」

謝ったのに、何故そんな反応をされなければならないのか。はぁ、と俺はいつも通り、ため息をついた。

「……………ふぅ、ようやく終わったか」

俺は、ばして一息つく。學校の授業が終わった放課後のとある教室。その中で座っている俺。そして俺の目の前の機には、大量の書類、書類、書類。

「まったく……。會長にはもうし、効率よく仕事を回してほしいなぁ。なんで、二ヶ月も溜めてんだよ」

俺はこの學校の書記をしている。そのため、こういう仕事があるのは當たり前なのだが、量が明らかにおかしいのだ。

「はぁ………。でも、今日はバイトは休みだから、久しぶりにゆっくりできるな」

書類をまとめながら、今後のスケジュールを考える。

「夕食はちょっと、豪華にしようかな?時間もあるし…………。ついでに葵も呼んでやるか。夢月も喜ぶだろうし」

そうと決まれば、早速食材買ってこなきゃな。

「…………いや〜、まさかこんなにもらえるなんてなぁ。いつか、何かで返さなくちゃな」

昔からよく通わせてもらっているお店のおばさんに、いろいろとサービスしてもらい、いい気分で帰路につく。

「………って、あれ?」

し先に信號を待っている二人の子高生が見える。夢月と葵だ。そういや、二人で遊ぶとか言ってたっけ?

「おーい、二人とも………………?」

俺は一緒に帰ろうと二人に呼びかける。でも、俺の目は彼たちとは別の、ある・・・・を捉えていた。

「(……………なんで、トラックが?)」

一臺のトラックがすごいスピードで脇へ逸れる。そしてその車線上には、

「(………って、ヤバイっっ!?!?)」

夢月と葵が楽しそうに話している。あの様子からすると、おそらくトラックには全く気づいていないのだろう。

「(運転手は何をして……………っっ!?寢てやがるのかよっ!!!)」

フザたことに、トラックの運転手は完全に寢ているようで、期待するのは無理そうだ。俺の目には、猛スピードで二人に迫るトラックが映っている。このままじゃ、二人がっ…………!!!

「夢月っ!!!葵っ!!!!」

全力でそうぶ。それと同時に全力で走り出す。荷が転がるが、そんなことを気にしている余裕はない。ただ今は、二人のもとへ行くことだけを考えろっ!!

「悠人?」

葵が振り返る。そして、その瞳が俺とトラックを捉え、僅かに見開かれる。

「間に合えぇーーー!!!!」

前へ跳びながら、ドンっと二人を橫へ押す。暴になってしまったのは、悪いとは思ったが、この狀況下で俺に出來る限界レベルに力は弱くしたから、そこは許してほしい。

しかし、それと同時に、俺のに今まで験したことがない衝撃が襲う。

ガシャンっ!!!!!

という聞いたことがない音がどこからか聞こえて、自分のが吹き飛ぶ。痛いとか苦しいとか、そんなんじゃ表せないモノが俺を襲う。

「(二人は…………)」

吹き飛ばされているときに見えた景は驚くほどゆっくりとしており、ある意味、幻想的に見える。そして、俺の視界の端には葵と夢月が見える。

「(…………なんか、ポカンって顔してるな)」

まぁ、いきなり自分の兄もしくは馴染がこんなことになったら、そうなってしまうのかもしれない。

「(あぁ………。これ、死んだな)」

かないっていうのをまさかを持って経験するとは思わなかったけど、これはダメだって分かってしまう。

「(まぁ、貯金とかはちゃんと殘してあるし………。夢月もなんとか生きていけるだろ)」

それだけ考えた俺は、目をそっと瞑る。次の瞬間、再びに訪れる衝撃。そして、俺の意識は完全に・・・途切れた。

このようにして、如月悠人の人生は幕を閉じた。

…………いや、今となってはその表現は正しくないと思う。だから俺は、

俺のいつも通りの日常・・・・・・・・は終わりを告げた

と、言うことにしよう。

To be continue.

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