《男尊卑の改革者》第一章『異世界転生!?』第九話「妹たちと馴染の語」
俺とオークたちとの戦闘から早くも一年が経ち、俺は四歳になった。
あの後の話をすると、出來事の顛末を聞いた我が父クライドは、泣きながら(王都から走って)家に帰ってきて、よかったよかったと言いながら俺たちに抱きついていた。その時、とても心配してくれているのがわかって、苦しいくらいに抱きしめられながらも、嬉しくじてしまったのはクライドたちには緒だ。
変わったことと言えば、日頃の訓練だろう。俺はあの後、訓練の質と量を増やすようにクライドと先生に頼んだ。この間はなんとか守れたが、もしまたあんなことが起こってしまったときに、そう上手く行くとは限らない。だからもっと強くなるために、以前よりも過酷な訓練をした。そのおかげで剣はクライドの素の狀態と互角……………まではいかないが、そこそこ戦えるようになったし、魔法も結構強力なもできるようになってきた。
そうそう。もう一つ大きな変化があった。それは……………、
「あぃ〜〜〜!」
「にゃ〜〜〜!」
俺の隣のベットから、そんな聲が聞こえる。俺はそばにおいてある椅子に乗って、そのベットの中を見る。すると、
「……………よしよし。どうしたのかな?」
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そこには、俺の目の前にある二つのベットで橫になっている二人の赤ちゃん・・・・・・・が見える。一人は金髪でき通るような碧眼。もう一人は、黒髪にぴょこんと小さな貓耳とユラユラと揺れる可らしい尾が見える。
俺は自然に笑顔を浮かべながら、二人の頭を優しくでてあげる。
「あぃ〜〜♡」
「にゃ〜〜♡」
二人共、ニコニコと可らしい笑みを浮かべてくれる。貓耳がピョコピョコしているのも、なんとも可らしい……………………あぁ、癒やされるなぁ。
まぁ、ご察しのとおり?この金髪の方が俺の妹であるクロエで、貓耳の生えている方がマルシアの娘のリリィだ。
実はあのオークの襲來の時、ミリアとマルシアはごもっており、その影響で調が悪くなっていた。ミリアが俺とソフィアには緒にして驚かせようとしていたため、俺たちにはにしてあった、ということらしい。そのためにわざわざ幻覚魔法を使って、大きなお腹を隠してたんだからよくやるなぁ、と思ったもんだ。
まぁそういう訳で、この二人はあれから一ヶ月ほどで生まれた。ミリアたちはほぼ同じタイミングで陣痛が來て、家中のメイドさんたちが大騒ぎになっていた。もちろん、俺よりもクライドたちのほうがオロオロしていて、メイドたちに「靜かにしていてくださいっ!!」と怒られて、外に出されていたのは言うまでもないだろう。
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俺が二人をでていると、扉が開いて一人の甲冑姿の男がってきた。そして俺の姿を見ると、
「…………ん?あぁ、ユウト様。いらっしゃったのですね」
「あ、ガルムさん。おはようございます」
「えぇ、おはようございます」
彼は挨拶をしながら、俺たちのそばによってきてリリィを抱き上げた。
「よちよち〜。今日も可いですね〜」
「にゃ〜にゃ〜〜」
リリィを抱き上げてホッペをスリスリし始める。そう。この人はリリィの父親でマルシアの夫でもあるガルムさんだ。クライドとガルムさんは上司と部下の関係で、クライドが管理する騎士団の団長らしい。そして、ガルムさんの方からマルシアに告白して結婚に至ったというこの世界では珍しいカップルだ。なんでも、以前マルシアがクライドに屆けをした際に一緒にいたガルムさんが一目惚れしてしまったらしい。その後、クライドにマルシアのことをしつこいくらいに聞いていたので、クライドが仲介してあげたおかげもあり、めでたく結婚した。
まぁ、ウチと同じように親バカなので毎日こんなじだ。
一通りスリスリし終えたのか、ガルムさんは俺の方を向いて幸せ全開の笑顔を浮かべながら話しかけてきた。
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「いやぁ〜〜。それにしてもすみませんね、ユウト様。わざわざ面倒を見てもらって」
「気にしないでください。ガルムさんもマルシアも忙しいのですから。それに、僕も楽しいので」
俺がそう言うとガルムさんは、
「ありがとうございます。………………リリィのことは妾でいいので、よろしくお願いしますね」
サムズアップをしながらそんなことを言ってきた。
「あはは」
そんな軽口?を叩きながら、ガルムさんはリリィをベットに寢かせてから部屋を出ていった。
「にゃ〜〜」
「あぃ〜〜〜」
そして二人の方を見ると、なにやら手を上げて、何かを探しているような作をしていた。
「よしよし」
とりあえずでてあげると、二人に指を摑まれる。小さな手だけど、結構な力な気がする。
「(…………………何ていうか、俺が小さいときにソフィアたちが俺にあんな風に構いたがってたのも、今なら分かる気がするな〜)」
そんなことを考えていると、突然俺の指を咥える二人。
「……………味しいのかな?」
「あむあむ」
「はははっ」
可い二人を見ながら、穏やかな時間が過ぎていった。
「……………あ。そう言えば、ユウちゃん?」
「はい?何でしょうか」
あれからしばらく俺の指を舐めていた二人がお晝寢を始めたので、俺はリビングに來ていた。
そんなとき、ミリアは突然俺に視線を合わせて話しかけてきた。
「実はね?今日、お客様が來るの」
「お客さまですか?」
「うん………………って言っても、私の友達だからあんまり張しなくても大丈夫よ〜?まぁ、ユウちゃんなら大丈夫よね〜〜」
「はい、大丈夫ですよ」
「うん。それでね?その子がここら辺の近くに引っ越してくるって言うから、一度會いに來たいって手紙が屆いてね?その時、自分の娘さんも連れてくるって言うから、ユウちゃんには娘さんと一緒に遊んであげてしいの。年もユウちゃんと同じくらいだったはずだから、ちょうどいいんじゃないかしら?」
「分かりました。どのくらいに來るのでしょうか?」
「ん〜〜…………多分、そろそろ著くんじゃないかしら?」
ミリアがそう言った直後、玄関からチリンチリンとベルが鳴るのが聞こえた。
「あら?ちょうど、來たみたいね〜」
そう言って、ミリアは立ち上がって玄関に向かう。俺はその後をついて行った。
「いらっしゃい、サーヤ。久しぶりですね〜」
「えぇ。久しぶりね、ミリア。相変わらず、あなたは変わらないわね」
ミリアが玄関の扉を開くと、ピンクの髪をした可らしいじのが立っていた。その足元にはと同じくピンクの髪をしたの子が隠れていた。
すると、サーヤは俺が來たことに気がついたらしく、綺麗なお辭儀をしてきた。
「初めまして、ユウト様。私はサーヤ・アステルトと申します。この子はサリアと言います。よろしくお願いします」
すると、足に隠れていたの子もペコリと頭を下げる。
そう。これもコチラの世界では當たり前のことらしい。例え、子供であろうと男には敬意を払わなければならない。
とは言え、俺からしたらそんなことはどうでもいいので、
「初めまして。ユウト・リアム・シュナイダーです。あと、あまり畏まらでくださいませんか?そういう扱いに慣れていないので。できれば、普通に子供に接するようにして頂ければ嬉しいです」
俺がそう言うと、しポカンとした表をするサーヤさん。
「(……………あ、しまった。四歳児がこんなこと言ったら、変に思われるか)」
うちの親バカな家族のせいで、俺の中の一般常識がいつの間にか崩れていたようだ。タラーっと背中を冷たい汗が流れる。
「…………………」
「……………………」
「(せ、靜寂がつらいっ……!)」
しかしその靜寂を打ち破ったのは、クスッというこらえきれなくなったような笑い聲だった。
「…………フ、フフフッ。やっぱり、クライドさんの息子さんね。彼に初めて會ったときのことを思い出しちゃったわ」
「そうでしょう〜〜?私の自慢の息子だもの〜〜」
俺はミリアに後ろから抱き上げられる。俺が見上げると、そこにはいつもよりニコニコしているミリアがいた。どうやら、心配は杞憂だったようだな。これもクライドのおかげ…………………なのか?
俺はミリアに抱き上げられたので、目線の高さがサーヤさんと合う。すると、サーヤさんはニッコリと笑いながら、
「わかったわ、ユウトくん。よろしくね?」
と言ってくれた。だから俺も一杯の笑顔で、
「はいっ。よろしくお願いします」
と返した。しかし、サーヤさんは俺をマジマジと見てから、
「………………ねぇ、ミリア?」
「何かしら〜〜?」
「この子、いろいろと大変そうね」
「クライドのをけ継いでいるんだもの〜〜。しょうがないわ〜」
「??」
その間に俺を挾んで繰り返されるミリアたちの會話は、全く意味がわからなかった。
〜サリアside〜
こんにちは!私はサリアといいます。四歳です!私は今、お母様のお友だちの家にお家に馬車で向かっている途中です。
ここらへんを治めている人たちはお母様のお友だちらしいです。なので、そのご挨拶に行って、お母様は久しぶりにお友達と話したいと言っていました。なので、私も付いていきます!
でも一つだけ心配なことがあって…………、
「…………サリア。張してる?」
「…………え?あ、は、はいっ!だ、大丈夫ですっ!」
聲がうわずってしまいました。うぅ………恥ずかしいです。
「ごめんね。お母さんの都合に合わせちゃって」
「い、いえ。大丈夫です」
「……………やっぱり、男の子は怖い?」
「…………………」
お母様は心配そうな顔で、私にそう聞いてきます。
そうなのです。実は、私は男の人がとても苦手なのです。お父様は大丈夫ですが、それ以外の人はどうしても怖くじてしまいます。
というのも、し前にあるパーティーに出席したのですが、そこにいた男の子たちに怒鳴られてしまいました。何が悪かったのかは分かりませんが、怖い顔で迫ってきたことは覚えています。その時はお父様が來てくださったので大丈夫でしたが、それ以來男の人が怖くなってしまいました。でも、私がそんなことを言ったらお母様たちに迷がかかってしまいます。そのくらいは私にも分かります。だから、
「大丈夫です」
私はそう言いました。
「……………そう。でもね、多分サリアの思っているようなことはないと思うわ」
「へ?」
思わずキョトンとしてしまう。
「私の友達の旦那さんは、とてもいい人だったから。その息子さんならきっと優しい子になっているわ」
「は、はい」
「(や、優しい男の人?お父様は父親だから、私に優しくしてくれる。……………でも、私とはほぼ無関係の人が私に優しくしてくれる?そんなこと、あるのでしょうか?)」
私はその後、不安と期待が混ざったようなモヤモヤした気持ちのまま、馬車に揺られていました。
「…………お邪魔します」
お母様のお友達の家に著いたので、早速家に上がらせて頂きました。私の家よりも、とても大きくてキレイなお家でした。
「いらっしゃい、サーヤ」
中にると、金髪のキレイなの人が出迎えてくれました。すごくニコニコとしています。そして、その後ろには………………男の子がいました。
私はその姿を見て、咄嗟にお母様の足に隠れてしまいました。すると、お母様はその男の子に頭を下げました。私も慌ててお母様と同じように頭を下げました。じゃないと、怒られてしまうからです。
でも、その男の子は何故かバツの悪そうな表をして、こう言いました。
「初めまして。ユウト・リアム・シュナイダーです。あと、あまり畏まらないでくださいませんか?そういう扱いに慣れていないので。できれば、普通に子供に接するようにして頂ければ嬉しいです」
「(……………え?な、なんで?だって、男の人には敬語で話さなきゃいけないのに…………)」
その男の子はそんなことを苦笑いのような表で言いました。
すると、お母様がクスッと笑って、父親にそっくりだと言いました。…………本當にこんな人がいるのですね。
「ねぇ?ユウトくん」
私がそんなことを考えていると、お母様がユウト様に話しかけていました。
「私ね?久しぶりにミリアと二人でゆっくり話したいの。だから悪いのだけど、この子と遊んでいてくれないかしら?」
まぁ、そうですよね。二人だけで話したい話もあるでしょうし………………あれ?ということは二人っきり……………!?
「お、お母様!?」
思わず、私はんでしまいます。いきなり、男の子と二人っきりで遊ぶなんて………!?
「えっと………僕は構いませんが、サリアさんが嫌だったら…………」
「(…………え?)」
またもや私はユウト様の言葉に戸ってしまいました。
「(…………心配、してくれているのでしょうか?)」
ユウト様は私の方を見ながら、そう言ってくださいました。
…………というか、今の私の反応はとても不味かった気がします。普通なら、男の人と遊ぶというのは栄なことなのに…………。でも、ユウト様はそんなことを気にせずに、私のことを心配してくれます。
「あぁ……………この子なら大丈夫ですよ。し張しているだけなので」
「そうですか?でしたら、分かりました」
……………あれ?お母様?なんで勝手に返事をしているんですか?
「それじゃあ、よろしくね。ユウトくん?」
「ユウちゃん。マルシアにお菓子とか持っていってもらうようにしておいたから、自由に食べてね〜?」
「ありがとうございます、母様」
「………………」
そう言って、二人は何処かへ行ってしまいます。殘されたのは私と、ユウト様だけ。
「えっと。それじゃあ、こっちに來てください」
「ひゃ、ひゃい!?」
………………私は大丈夫でしょうか?
「し、失禮、します」
ユウト様に案されてった部屋は子供部屋のようなところです。そこにはミリアさんが言っていたとおり、お菓子とかが用意されていました。
「………それじゃあ、何をしようか?」
「えっ!?あ、いえ!?ゆ、ユウト様のしたいことしてくりぇりぇばっ!?」
「………………」
あぁっ!!噛んじゃったっ!?うぅ………恥ずかしい。思わず、下を向いてしまいます。
それでも気になってチラッと上を見ると、ユウト様はキョトンとした表をしていました。
「…………プッ。ククッ」
ユウト様は堪えきれず、吹き出してしまいました。それを見て、私はカァァと顔が赤くなっていくのが分かりました。ユウト様はそんな私の様子を見て、
「あ、あぁ、ごめんごめん……………可くってつい」
「えっ………!?」
可い?かわいい?誰が?私が?な、なんで?
「ふぅ…………そ、それよりもさ。そのユウト様っていうの、やめてくれない?」
「あ!?え、えっと、ごめんなさい!!な、何とお呼びすればいいでしょうか!?」
「………………あぁ。いや、そういうことじゃなくてさ」
頭をかきながらユウト様は、
「せっかく、友達が出來たのに他人行儀過ぎるっていうか…………さっきも言ったけど、そんなに畏まらなくていいっていうか…………」
……………え?えっと、つまり?
「もっと、気軽なじでいいよ?」
あはは、と笑いながら彼はそう言った。私はそれを見てトクンッ、と心臓がはねたような気がしました。
私を見つめるユウト様の赤いキレイな瞳には優しさが込められているようなじがします。それはまるで、お父様みたいです。
「えっと………?」
私がボーッとしていたからでしょう。ユウト様はし心配そうな顔をしていました。
「あ!?えっと、で、でしたら………えっと」
い、いきなり呼び捨て?………無理。絶対無理!!じゃ、じゃあせめて…………、
「え、えっと…………ゆ、ユウト……………くん」
「うん!よろしくね、サリア?」
そして、彼は今までで最高の笑顔を私に向けてきました。そのせいで、私の顔が赤くなってしまったのは、どうしようもないことだと思います。
あの後、ユウトくんといろんなことを話しました。普通の日常のことでも、ユウトくんはとても興味深そうに聞いてくれます。つまらなくないのかな?と思ったけど、彼の橫顔からは本當に楽しんでくれていることが分かりました。
そして、ユウトくんの話はすごいものばかりでした!ユウトくんは私と同じ年なのに魔法が使えて、しかもオークと戦ったこともあるらしいです。魔法のことを話す彼はし無邪気なじがして、かわいかった気がします。
「………あ、そうだ。サリア」
「どうしました?ユウトくん?」
私はすでに、特に意識しなくてもユウトくん、と呼べるようになっていました。正直、私自が一番驚いています。私が男の子とこんなふうに自然に話せるなんて………。
「僕の妹たちに會ってみる?」
「妹さん、ですか?」
「うん。この前生まれたばっかりでね?一人は僕の妹で、もう一人は僕のメイドの子供なんだけど。多分そろそろ起きる気がするから」
「はいっ!會ってみたいですっ!」
「フフッ。それじゃあ、行こっか?」
「はいっ!」
そして、私達は隣の部屋に向かいます。すると、中には二つの赤ちゃん用のベットがありました。その上では、
「うぅ〜〜〜」
「にゃあ〜〜〜」
二人の赤ちゃんが泣き出しそうになっていました。
「二人共、よく寢たね〜〜」
でも、ユウトくんがそばに置いてあった椅子に乗って、二人の頭をで始めるとすぐに、
「………あぃ〜〜〜♡」
「にゃ〜〜〜♡」
泣きそうな表から一転。ご機嫌な様子になっています。貓耳のついている子の方なんて、自分からユウトくんの手にスリスリと自分の頭を押し付けています。
私がその楽しそうな様子を見ていると、不意にユウトくんがこっちを向いて、
「…………サリアもでてみる?」
そう提案してくれました。
「えっ?い、いいんですか?」
「大丈夫だと思うよ?二人共、そんなに泣かないから」
「じゃ、じゃあ…………」
私は赤ちゃんにるのが初めてなのです。ど、どうやってってあげたらいいのでしょうか?や、優しくしないと駄目ですよね?
そんな風に戸っている私の様子を見たユウトくんが私に近づいきて、
「…………大丈夫だよ?サリア」
「(ビクッ!)」
私の手をとります。そのせいで、が著して彼の吐息が耳に當たってしまいます。
こ、これはなんかマズイです。でもユウトくんはそんなことお構いなしに、赤ちゃんをでます。すると、
「…………あぃ〜〜〜」
「あ………」
笑ってくれました。自然に自分も笑みを浮かべているのだと、分かります。
「そうそう。そんなじで、優しくでてあげて?」
「う、うん」
はぁ…………可いです。癒されます。張がほぐれてきました。
「(……………あれ?そういえば、なんで私、張していたんだっけ?)」
張がほぐれて周りが見えるようになると、自分の顔のすぐ隣にユウトくんの顔がありました。
「(……………ち、近っ!?)」
しかも、ユウトくんはうすく微笑みながら赤ちゃんを見ています。
……………はぅ。駄目です。また、顔が赤くなってきてしまいました。
私は赤ちゃんをで続けていたいという気持ちと、恥ずかしい気持ちに板挾みにされながらもユウトくんの隣で赤ちゃんをで続けました。
「……………失禮します。ユウト様」
「あれ?マルシア?どうしたの?」
あれからサリアに魔法を見せて遊んでいた。もちろん簡単なものばかりで、危険はゼロだ。サリアは俺が魔法を使うたび、スゴイスゴイ!と顔を赤くして褒めてくれた。
サリアとも最初に比べて、大分打ち解けられたと思う。様付けしなくなってからは、結構すぐに仲良くなれた。
「はい。サーヤ様がお帰りになるということなので、お呼びに參りました」
「えっ!も、もうですかっ!」
サリアがびっくりしたようにそう言った。見ると時間は夜に近い。あまり遅くなると危険だろうし、そろそろ時間か。
「わかった。じゃあ、行こっか?」
俺は魔法を消してから、立ち上がる。
「……………はい」
「…………あ、ユウちゃん!」
「ユウトくん。今日はありがとね。この子と遊んでくれて」
「いえ、僕も楽しかったので大丈夫です」
「そっか」
リビングに行くと、帰り支度のしているサーヤさんがいた。サリアは先ほどから、ずっと下を向いたままだ。
「サリア?どうしたの?」
「…………え?」
「大丈夫?」
「あ………はい、大丈夫です」
俺はその様子を見て、
「(…………これはもしかして、寂しい、のか?まぁ、男の友達なんて初めてだろうしそうなるのも無理はない………………のか?)」
「あの、サーヤさん?」
「何かしら?」
「また、遊びに來てくれますか?僕、またサリアと遊びたいので・・・・・・・・・・」
「っ!…………」
橫でサリアのがピクッと反応したのが分かった。それを見ていたサーヤさんは、
「…………あらあら、そういうことね」
何故か苦笑しながらそう言って、
「えぇ、また來るわ。サリアも連れて。ね?」
「ありがとうございます」
「(さてと…………これでサリアも…………?)」
問題が解決したと思い、隣を見ると、何故かサリアがモジモジとしていた。
「えっと………サリア?」
「えっ?あ、いや、なんでもないですよ!?ユウトくんっ」
「そう?」
本人がそう言っているので、まぁ大丈夫なのだろう。俺はそう判斷した。
「…………あの子があんな顔をするなんて」
「やっぱり、ユウちゃんね〜〜。これからは、もっといっぱいウチに來てあげてね〜〜?」
「…………まぁ、そうね。彼なら任せても問題ないでしょうし」
「きっと、私たちが何かしなくても大丈夫よ〜〜」
「……………」
相変わらず、二人が何の話をしているのかが分からない俺だった。
〜サーヤside〜
「…………えへへっ」
私たちがミリアの家を出てからしばらく経つが、サリアがずっとニコニコ?ニヤニヤ?している。
「…………サリア?」
「……………えへっ」
「…………………」
…………どうやら、私の聲は聞こえていないようね。それにしても、來るときとは大違いね。
「……………まぁ、ちゃんと責任を取ってくれればいいのだけど」
私のそんな獨り言もこの子には屆いていないようだった。
To be continue.
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