《VRMMOをガチャで生き抜くために》98話──新ダンジョン
「おーい。リュウ! 風夏!」
「おっ!やっと來たか。遅かったな。」
「ごめんごめん。さあさあ、今日も冒険に行こうぜ!」
「そうだな! 今日は行きたい所とかあるのか?」
「そうそう。今日は【虜の塔】に行きたいと思う。」
「あーアップデートで追加されたダンジョンか。俺もまだ行ったことないんだよな。」
「じゃあ行こうぜ!」
「おー!」
「おー...!」
【虜の塔】
虜の塔とは人間、魔、魔人、などの様々な生を虜にする植やその魔やも料理したら味しく食べられるらしい。最終階層はまだ未発見のようだ。階層が上がっていくうちに植やの味しさも増す。【始まりの街】のすぐ隣にあるので最初の方は初心者でも攻略可能だ。ここでは食料だけしかドロップせず、いわゆるガチ勢と呼ばれる人達はほとんど來ないので、楽しく狩りがしたい人やガチ勢のせいで戦えない人などが寄り付く。1階層毎にセーブポイントがあり、攻略はしやすい。
「よーし! 味しい食べゲットしたらリュウが料理してくれよな! 楽しみにしてるぜ!」
「私も楽しみにしてる...」
風夏はうさぎのパーカーを著ている。因みにこのパーカーは防力もしあるので防にも使える。
「任せろって! ほっぺが落ちるような料理作ってやるからよ! っと、著いたぞ。」
「おー! ここが【虜の塔】かー。頂上が見えない...」
「すごくおっきいね...」
「そうだなー! じゃあ行くか。」
俺達は【虜の塔】にった。
「最初の敵のお出ましか。」
最初の敵は【りんご牛】だ。こいつは頭の上にリンゴをぶら下げていて、そのリンゴが赤いほど甘い。ごくたまに、希種で金のリンゴをぶら下げている牛がいる。そいつは逃げ足が早く、そのリンゴは思わず飲み込んでしまうほど味しいんだとか...
「あんまり赤くないぞ?」
春樹が不満そうに言った。
「ホントだ...味しくないのかな?」
「味しくないことはないと思うよ。」
「そうか! じゃあ一発目はこいつで決まりだな!」
「おう! じゃあ基本的に春樹と風夏で頑張ってね。」
「分かった...」
「仕方ねえなー。」
仕方ないって言われても、そもそも2人のための戦いなんだけどな。
「よし! こいつは簡単に倒せるぜ! な! 風夏。」
「うん...倒しがいがない...」
「そうか。まい、1層だから仕方ない。早速リンゴ食べてみようよ。」
「「賛!」」
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