に転生した俺の保護者が神な件。》17話 可いとカッコいい

「一応1人で練習して風を起こす事はできるようになったんだよね」

「はい……」

サラはいつもの様子で魔について教えてくれるのだが、俺だけは張して調子が出ない。何故ならゼウスとかいうとんでもない存在が橫から俺を見ているからだ。

「じゃあ最初は屋上にある小さなゴミを1箇所に集めてみて。あっ、これは私が掃除するのを嫌がってる訳じゃなくて、魔や魔力をコントロールする為の訓練だよ」

「分かりました……」

チラリとゼウスの方を見ると、こちらを真剣な表で見つめていた。

「あ、あのゼウス様」

「うん? どうした?」

「俺なんか見てても面白くないですよ……?」

そういうとゼウスはニコッと微笑んだ。

「面白いか面白くないかじゃない。見てて癒されるから見てるんだ」

「はぁ……そうですか」

ゼウスもサラやアイリと似たようなじがする。というより、俺と出會った人のほとんどがあんな表を見せてくる。

「よし……サラ」

「どうしたの?」

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「今日から俺頑張るから、誰もが恐れる存在にしてくれ!」

そういうとサラは驚いた表で近くまで走ってきて、肩をガッシリと摑んだ。

「どうしたの!? ま、まさか魔王にでもなろうと──」

「ち、違う。皆から可いって言われるから、それ以外でも注目されるようになりたいんだよ」

「そ、そうなんだ。じゃあ……強くなりたいのね」

理解するとサラは嬉しそうに俺の頭をでてきた。その時點で俺は既に可いと見られているのだ。

もっとこう……カッコイイとか、素敵とか。そういう目で見られたいんだよな。

「じゃあ本格的な訓練をしていくからね!」

「お願いしますっ!」

◆◇◆◇◆

訓練開始からでは4〜5時間が経過したと思う。しずつ気分が悪くなってきて、それをサラに報告すると魔力切れらしい。

「シンシアちゃん凄いな〜! こんな長時間ぶっ通しで魔使いまくってたろ! 人間にしては凄い方だぞ!」

「あ、ありがとうございます……お゛ぇっ……すみません」

ゼウスに頭をガシガシとでられたが、今は気分が悪くてそれに反応すらできない。

「私が魔力を分けてやろう」

「だ、ダメですよクロア様! 神の魔力を人間に分け與えてしまったら制できずに壊れてしまいます!」

「あっそうだったか。危ないところだった」

え、何。まさか今ゼウスが俺の肩にれてたら死んでたの? そんな死と隣り合わせの場所に俺居るの?

「ほら〜! シンシアちゃんが怖がっちゃったじゃないですか!」

「悪い……大丈夫だからなシンシアちゃん」

「あ、はい」

どこが大丈夫なのだろう。簡単に殺されては困る。

「魔力が回復するまで時間がかかるし、醫務室に休みに行くか?」

「クロア様ずるいですよ。私もシンシアちゃんとお話したいですっ」

俺は気持ち悪くてさっさと休みたいよ。

◆◇◆◇◆

結局醫務室に連れてきてもらって、ベッドで休むことにした。

「クロア様は帰ったからまた2人きりだね♪」

「俺寢るからな?」

「うん、おやすみ」

布団に潛って目を瞑ると、今までの疲れが一気にやってきて脳がボーッとしてきた。このまま気持ちよく眠れそうだ。

サラが俺のを一定のリズムでポンポンと叩いてくれている。小さい頃を思い出すな。

──────

────

──

「シンシアちゃ〜ん! その人參抜いて!」

「ふんっ…………おわぁっ! おっきい!!」

「凄いっ!! シンシアちゃんよりおっきいよ!」

「も、もう食べれないよ……」

「ほらほら、人參味しいよ〜」

「人參嫌だぁ〜…………人參……」

──

────

──────

「人參……人參…………はっ!」

今凄く変な夢を見ていた気がする。

でもなんとか疲れも取れた事だし、起き上がろうとするとサラは俺のお腹を枕にして眠っていたようで、けない。

「なんか腹が苦しいと思ったら……」

人參の食い過ぎではなかったようだな。

あまりにも気持ちよさそうに眠っているサラを見て、仕方なく再び目を瞑った。これはもしかしたらしばらく目を覚まさないな。

──シャッ

「シンシアちゃん起きて……ないか」

ん、これはアイリの聲。どれどれ、しばらく寢た振りをして話を聞くとしよう。

アイリはベッドの橫にある椅子に座った。

「2人とも気持ちよさそうに寢てる……」

どうやら完全に俺が寢ていると思っているようだ。

「お腹……きっと寢心地良いんだろうなぁ……ちょっとだけ」

お腹をツンツンとられる覚がやってきた。サラにもこんな事されたのだろうか。

「ふふっ、可いなぁ〜ほっぺもぷにぷに」

くっ……起きてるから表筋がきそうになるっ……って、寢た振りする必要もないのか。

「アイリ何してるんだ」

「あっ、起こしちゃった。ごめんなさい」

「ずっと起きてたよ」

「そうだったんだ」

するとアイリは嬉しそうに笑った。

「ねぇ、私も今度シンシアちゃんのお腹で寢ていい?」

「いやこれはサラが勝手に……まあいいよ、今度な」

サラにだけOKするっていうのはアイリには悪いからな。これはもう仕方ない。

「ありがとう。魔の訓練してたんだって?」

「ああ。結構ハードでさ、魔力切れして終了」

「魔力切れ? サラ先生は魔力分けてくれなかったの?」

あっ……そういや、神は人間に魔力を分けられないんだっけ。それにサラは皆に神だって事を隠してるから、言わない方がいいな。

「俺が休みたいって言ったんだ。正直あのまま続けてたら集中力が明日の分まで無くなってたから」

我ながら意味不明な言い訳だ。

「そうだね。しっかり休む事も訓練の一貫だよ」

しかしアイリはその言い訳を理解してくれたようで、頭をでてきた。

正直頭をでられるのは好きじゃない。ただ、抵抗するのは悪いかと思ってそのままにしているだけだ。

「そうそう、もうすぐ學園の生徒全員參加の強化旅行っていうのがあるんだけど、知ってた?」

「強化旅行?」

聞いた事ないな。

「學園から隣の國まで歩いて行って旅館に泊まったり、近くのダンジョンで戦闘訓練したりお楽しみイベントもあるみたいだよ」

「へぇ〜! 楽しそう。でも歩いてか……」

隣の國って言っても、そういうの全然知識が無いからどのくらいの距離になるのか分からないんだよな。

「ハンターになる為の訓練でもあるって」

「なるほどね」

ハンターというのは、ギルドで依頼をけて魔の駆除や探しなどをしたりする職業の事。この世界では一般的な職業としてハンターが存在する。會社員のようなものだ。

そしてハンターの中にも、魔師や剣士などの職業が存在する。職業は何歳からでも就けるのだが、それぞれの職業の階級試験というのがあり、プロやアマチュアなんかを決める試験は20を過ぎないとけれないそうだ。

つまり、俺は職には就けるが階級が上がることはない。

「俺もいつかハンターになりてぇな」

「どうして? シンシアちゃんはお店の店員さんとして働いた方が危なくないし人気も出ると思うよ?」

まあ安全面でいえばそっち方が良いんだろうな。

「いつまでも可い可いって言われてたくないんだ。いつか誰かに尊敬されるような人になりたい」

「……もしかして、いつも私達がシンシアちゃんの事可いって言ってるの嫌だった?」

アイリは悲しい表で下を向いた。

「嫌……ではない。今まで人に好意を向けられるって事がなかったから正直嬉しいよ。でも元々男だし、いつかカッコイイって思われたいかな」

「そうなんだ。じゃあこれからも可いって言っていい? というか言っちゃうかも」

いと言うのは我慢できないらしい。

「いいよ」

「うぅ……可い……って何……?」

そんな事を話しているとサラが目を覚ました。

「あっ、おはようシンシアちゃん! 寢起きに可いシンシアちゃんが見れて幸せっ!!」

「うぐっ……」

サラはいつも通り俺に抱きついてきた。

いつカッコイイと思われる日が來るのだろうか。

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